ニュースリリース

中国における揚水発電所向け発電設備の受注について

2010年05月06日

 当社のグループ会社で、中国において水力発電設備の製造、販売、保守サービスを行う「東芝水電設備(杭州)有限公司」(本社:中国・浙江省、代表者:廣田 達也、以下、「東芝水電」)は、中国・広東省の清遠揚水発電所向け発電設備に関して、調峰調頻発電公司とポンプ水車及び発電電動機、周辺装置の機器供給契約を締結しました。中国国内の外資系企業としては、初めて揚水発電設備の納入をすることになります。

 今回受注したのは320MW(32万kW)級ポンプ水車と発電電動機4セット及び周辺装置です。当社が持つ揚水発電の高い技術力と機器信頼性及び世界最大級の単機容量470MWの神流川発電所をはじめとした豊富な実績が評価され、今回の受注にいたったものです。2012年1月から順次納入される計画で、同発電所は2014年10月から順次運転開始予定です。

 揚水発電は、夜間など電力需要の少ない時間帯に余剰電力を利用して揚水し、位置エネルギーとして蓄える一方で、昼間など電力需要が大きくなる時間帯に水を落とすことで発電する水力発電方式です。中国では急速な経済発展を背景にした電力需要の増大が続く中、ベース電源として利用される原子力発電所の新設が数多く計画される一方で、ピーク時対応などに効率良く発電できる揚水発電所へのニーズも高まっています。揚水発電所は今後5年間で15ヶ所で揚水発電所の新設計画があり、2015年の揚水発電設備容量は約34ギガワット強と、2009年の約2倍の規模となると見込んでいます。当社は、2005年に東芝水電を設立して以降、新電気工場の建設や大型機械加工工場の増設、水力模型試験設備を導入するなど、揚水発電所向けを含む中国向け水力発電の事業拡大を図っています。

 水力発電は、世界で最も多く利用されている再生可能エネルギーです。当社は、エネルギーのベストミックスや安定した発電コスト等の観点から、水力発電事業を原子力発電、地熱を含む火力発電事業と共に重要な事業として位置づけています。

 今後、当社および東芝水電は中国における受注活動を強化するとともに、米州、インド、東南アジア等の市場での水力発電設備の受注を目指していきます。

注  当社調べ

 受注概要 

1.発電所名:清遠(Qingyuan)揚水発電所
2.発注者:調峰調頻発電公司(中国の送配電企業である南方電網公司のグループ企業)
3.所在地:中国・広東省
4.納入設備:320MWポンプ水車と発電電動機 4セット及び周辺装置
5.揚程  :最高504.5m