ニュースリリース

回転数7,200rpmの2.5型HDDにおけるラインアップの拡充について

－高性能ノートPCや産業系システムなど幅広い用途に対応－

　当社は、回転数7,200rpmの2.5型ハードディスク装置（HDD）の新商品として、業界最大クラス^注１の記憶容量640GBの「MK6461GSY」をはじめ、合計9機種を商品化し、10月から順次量産を開始します。暗号化やフリーフォールセンサーなどの機能をオプションで選択できるほか、産業系システムやブレードサーバーのように連続稼動が求められる機器に対応したタイプなど、さまざまな用途に対応したラインアップを展開していきます。

　新商品「MK6461GSY」は、従来の高速回転モデル（「MK5056GSY」、7,200rpm、500GB）と比較して内部転送レートが約12.5%向上しました。これにより、大容量データをさらに高速に処理できるため、高性能ノートPCのほか、これまで主に3.5型HDDが採用されてきたデスクトップPCなどにも応用できます。また、必要に応じて暗号化機能やフリーフォールセンサーをオプションとして選択できるため、データセキュリティを重視するPCや複合機能プリンターなどのニーズに応えます。

　さらに今回、連続稼働にも対応した高稼働率モデルもラインアップに加えることで、産業系システムやブレードサーバーのように恒常的な使用が要求されるシステムなど、多彩な用途での利用が可能です。

　また、新商品ラインアップでは、エネルギー消費効率^注２の向上や、EU（欧州連合）RoHS指令^注３への適合、本体全体のハロゲンフリー^注４とアンチモンフリー^注５を実現するなど、人と環境に配慮した設計を行っています。

注１

2.5型7,200rpmのHDD商品として、2010年7月27日現在。（東芝調べ）

注２

省エネ法で定める測定方法により測定した消費電力を省エネ法で定める記憶容量で除したものです。

注３

RoHS：Restriction of the use of certain Hazardous Substances
EU（欧州連合）で、コンピュータや通信機器・家電などで特定有害物質（鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB（ポリ臭化ビフェニール）、PBDE（ポリ臭化ジフェニルエーテル））の使用禁止を定めた指令。2006年7月から施行。

注４

塩素および臭素を対象とし、それぞれの濃度を自主基準値以下（それぞれ900ppm以下で、合計1,500ppm以下）に管理しています。

注５

アンチモンの濃度を自主基準値以下（1,000ppm以下）に管理しています。

 　新商品の概要　

型名	記憶容量	外形寸法	特長
MK6461GSY	640GB	69.85mm×100.0mm×9.5ｍｍ	高速回転（7,200rpm）
MK5061GSY	500GB
MK3261GSY	320GB
MK2561GSY	250GB
MK1661GSY	160GB

型名	記憶容量	外形寸法	特長
MK5061GSYB	500GB	69.85mm×100.0mm×9.5ｍｍ	高速回転 （7,200rpm） 高稼働率 （24時間連続稼動）
MK2561GSYB	250GB
MK1661GSYB	160GB
MK8061GSYB	80GB

　商品化の背景と狙い　

　2.5型HDDは、ノートPCやデジタル家電のほか、POSシステムのような業務用小型システムなど、さまざまな用途に活用されており、さらなる大容量化や性能の向上が求められています。このようなニーズを背景に、内部転送レートを向上させて高性能を実現した回転数7,200rpmの高速回転モデルは、今後2.5型HDDの主流となっていくと考えられています。性能が向上することで、これまで3.5型HDDが中心であったデスクトップPCの分野などにも応用でき、低消費電力、低発熱、低騒音、省スペースなどの2.5型HDDの特長が生かせます。

　また、2.5型HDDにおけるお客様のニーズは、その用途に応じ、HDD本体の暗号化や長時間の連続稼動など多様化しています。このような中、当社は、富士通株式会社とのHDD事業の統合によるシナジーを生かし、高密度化、大容量化、高速化に加え、お客様のニーズに合わせて商品ラインアップを拡大することで、競争力のある高品質な商品を提供してまいります。

　新商品の主な特長　

１．回転数7,200rpmで業界最大クラスの記憶容量640GBを実現【「MK6461GSY」】

　当社独自技術により磁気ヘッドやディスクの磁性層を改善することで、面記録密度が784.8Mbit/mm2（506.3Gb/in2）に向上し、業界最大クラスの記憶容量640GBを実現しました。また、これにより、内部転送レートが1,412Mb/sとなり、従来機種「MK5056GSY」の内部転送レート1,255Mb/sと比較して、約12.5%向上しました。

２．従来機種と比べて高いエネルギー消費効率を実現【「MK6461GSY」】

　新商品の「MK6461GSY」は、従来機種「MK5056GSY」と比べ、エネルギー消費効率を約35%^注６向上させました。

注６

「MK6461GSY」のエネルギー消費効率は0.0013。「MK5056GSY」のエネルギー消費効率は0.0020。

３．連続稼動にも対応【「MK5061GSYB」「MK2561GSYB」「MK1661GSYB」「MK8061GSYB」】

　当社独自の磁気記録技術や特殊部品の適用により、信頼性を確保することで、連続稼動を可能にしました。また、RVセンサ（回転振動センサ）を搭載することで、組み込まれた装置内に振動が発生している場合にも安定的な動作が可能です。

４．環境への配慮【全機種】

（１）本体全体のハロゲンフリー、アンチモンフリーを実現

　塩素および臭素を対象として、濃度を自主基準値以下（それぞれ900ppm以下で合計1,500ppm以下）に管理しています。またアンチモンも1,000ppm以下に管理し、アンチモンフリーを実現しています。

（２）ライフサイクルによるCO₂排出量削減効果^注７

　「MK6461GSY」は、装置の消費電力を抑えることや、原材料製造時の環境負荷を減らすことなどにより、製品ライフサイクルにおけるCO₂削減効果として年間77グラム（g）のCO₂を削減しています。

注７

2000年度モデル「MK2016GAP」との比較。当社のLCA(ライフサイクルアセスメント）評価法によります。

（３）RoHS指令に適合

　2006年7月施行のEU（欧州連合）RoHS指令に適合しています。

当社グループの環境への取り組みについて

　当社グループは、「地球内企業」として持続可能な地球の未来に貢献するため、「東芝グループ環境ビジョン2050」を策定し、総合環境効率を2000年度基準で2050年度までに10倍に高める目標を掲げています。この実現に向け、「東芝がモノを作るときのエコ“Green of Process”」、「東芝の作る製品がエコ“Green of Product”」、さらに、効率の高いエネルギー供給機器の開発などの「環境技術で貢献するエコ“Green by Technology”」、の3つのGreenで地球との共生や豊かな価値の創造のための取り組みを行っていきます。
　当社グループは、こうした環境への取り組みを一層加速するとともに、広く訴求するため、「ecoスタイル」をグローバル統一ブランドと定めています。

　新商品の主な仕様　

型名		MK6461GSY	MK5061GSY	MK3261GSY	MK2561GSY	MK1661GSY
記憶容量		640GB	500GB	320GB	250GB	160GB
ディスク枚数		2		1
平均シーク時間		12msec
インターフェース		Serial ATA
インターフェース速度		3.0Gbps
回転数		7,200rpm
バッファ容量		16MB
外形寸法		（W）69.85mm×（D）100.0mm×（H）9.5mm
質量		115g（max.）		98g（max.）
エネルギー消費効率		0.0013	0.0016	0.0025	0.0032	0.0050
区分名		e		d
消費電力	シーク時	2.3W （typ.）
	リード/ライト時	2.1W （typ.）

型名		MK5061GSYB	MK2561GSYB	MK1661GSYB	MK8061GSYB
記憶容量		500GB	250GB	160GB	80GB
ディスク枚数		2	1
平均シーク時間		12msec
インターフェース		Serial ATA
インターフェース速度		3.0Gbps
回転数		7,200rpm
バッファ容量		16MB
外形寸法		（W）69.85mm×（D）100.0mm×（H）9.5mm
質量		115g（max.）
エネルギー消費効率		0.0016	0.0032	0.0050	0.010
区分名		e	d
消費電力	シーク時	2.3W （typ.）
	リード/ライト時	2.1W （typ.）

注　1メガバイト（ＭＢ）は1,000,000バイト、1ギガバイト（GB）は1,000,000,000バイトで計算しています。 

お客様からの商品に関するお問い合わせ先：

ＨＤＤ事業部

ＴＥＬ ：　０３（３４５７）２４４５