ニュースリリース

東芝水電設備(杭州)有限公司が機械加工・組立工場を拡張

60万kW級の大型水車・発電機の製造体制を構築
2010年10月12日


 

東芝水電設備(杭州)有限公司 拡張後の機械加工・組立工場の写真

 

 中国において水力発電設備の製造、販売、保守サービスを行う「東芝水電設備(杭州)有限公司」(以下、「東芝水電」という)は、水力発電所向け水車・発電機設備を製造する機械加工工場および部品組立工場の拡張と水車模型試験設備を導入した水力機械研究所を完成したことを受け、本日、竣工式および会社設立から5周年の記念式典を行いました。今回の工場拡張により、60万kW級の大型水車・発電機の製造が可能となり、生産高は拡張前と比べ2倍以上となります。

 東芝水電は、2006年度から総額約1.7億元(約21億円)の増産投資を行い、2008年には発電機のコイルや鉄心などの電気品を製造する電気工場を拡張しました。今回は、機械加工工場と組立工場を拡張することにより、東芝水電で製造できる水車・発電機の最大容量が従来の30万kW級から60万kW級に向上しました。拡張後の機械加工工場・組立工場の面積は、約14,000平方メートルになります。また、中国国内の外資系企業として初めて注1水車模型試験設備を導入した水力機械研究所を設立し、当社の強みである高い設計製造技術や品質管理システムを活用することで、品質の高い機器の製造および開発が可能となります。

 東芝水電は、浙江省で鋳造、溶接製缶、機械加工・組立、電気工場を運営しており、水車及び水車発電機などの水力発電機器を製造しています。2005年1月に、中国をはじめ水力発電需要の大きいグローバル市場への事業拡大を目指し、設立以来、水車および水車発電機を合わせて約100台を納入してきており、2010年5月には中国最大級の清遠揚水発電所向けに発電設備を受注するなど、順調に事業を拡大してきました。

 当社は、国内の水力発電システム事業でトップシェアを占めており、今回の生産体制強化を機に、東芝水電をより一層活用し、中国をはじめとする世界各国での事業活動を強化していきます。

工場拡張の背景と当社の狙い

 水力発電は、世界で最も多く利用されている再生可能エネルギーです。当社は、エネルギーのベストミックスや安定した発電コスト等の観点から、水力発電設備事業を原子力発電事業、地熱を含む火力発電事業と共に重要な事業として位置づけています。また、中国の水力発電所の新規建設市場は世界市場の約5割注2を占める世界最大市場です。急速な経済発展を背景にした電力需要の増大や環境に配慮した再生可能エネルギーへのニーズが高まっていることから、中国での水力発電設備容量は2020年までに300ギガワット強と、現在の2倍の規模となると見込まれています注3。また、大型発電所の新設も多数計画されており、大型水車へのニーズが高まっています。このような中、当社は、世界最大市場での事業の拡大を図るとともに、今後の市場拡大が見込まれるインドや東南アジアを始めとするグローバルマーケットへ、コスト競争力のある製造拠点として東芝水電の活用を図り、さらなる水力事業の拡大を目指しています。

注1 2010年10月12日現在
注2 当社調べ
注3 当社調べ

拡張後の機械加工・組立工場の概要

1.建物構造: 鉄筋1階建
2.建家面積: 約14,000平方メートル(拡張前:約9,000平方メートル)
3.生産品目:  水力発電機器の加工・組立

東芝水電設備(杭州)有限公司の概要

1.設立    :2005年1月
2.資本金   :2,500万米ドル 
3.出資比率  :東芝 80%(内 東芝(中国)有限公司 10%)
                       中国水利水電建設集団公司 20%
4.所在地   :中国浙江省桐廬県富春江鎮
5.代表者  :董事長 兼 総経理   廣田 達也
                       (前 東芝 火力・水力事業部 水力プラント技術部長)
6.従業員数  :約1,000名(10年9月末現在)
7.事業内容  :水力発電設備の製造、販売、サービス
8.敷地面積 :約180,000平方メートル
9.総建家面積:約75,700平方メートル(拡張前:約66,000平方メートル)