ニュースリリース

スマートコミュニティ事業関連の研究環境整備について

スマートグリッド研究棟、太陽光発電研究棟を新設し、研究開発を加速
2010年11月04日

 当社は、街全体のインフラ網の最適化を目指す「スマートコミュニティ事業」関連の研究開発を加速するため、開発拠点である府中事業所(東京都府中市)でスマートグリッド研究棟および太陽光発電研究棟を新設し、電気自動車向け急速充電スタンドを設置するなど、研究環境を整備します。

 地球温暖化防止への世界的な環境意識の高まりの中、街全体の電気、水、ガス、交通等の社会インフラの最適化を目的とした、スマートコミュニティの実証実験や商用プロジェクトが国内外で多数計画されています。このような背景の中、より早く信頼性の高い技術を開発するため、自社内にスマートコミュニティ関連の実証試験設備を整備することにしたものです。

 「スマートグリッド研究棟」では、電力系統から需要家までのスマートグリッドの各システムおよびその模擬装置を配置し、これらを連携することにより、総合的な評価が可能な「統合型スマートグリッド評価システム」を実現しています。安定的な電力供給の維持と電力の効率的な運用を目指して本日竣工し、12月上旬から実証研究を開始します。

 統合型スマートグリッド評価システムでは、発電設備や変電所を模擬した電力系統シミュレータ、グリッド内での電力変動を吸収して外部系統への影響を監視・制御するマイクログリッド監視制御装置(μEMS)、スマートメータから送信される情報を収集・分析して、電気料金の設定や需要家の効率的なエネルギー利用を支援するメータデータ管理システム(MDMS)などの要素を備えています。μEMSとビル・エネルギー管理システム(BEMS)および家庭エネルギー管理システム(HEMS)をスマートメータを介して連携させ、電力システム全体の協調運転の評価を行うことができます。
 需要家側の機器としては、発電設備として太陽光発電システムと小型風力発電システムを配備し、当社製の液晶テレビ、エアコン、洗濯機、LED照明、エコキュートなどの家電製品を設置し、一般家庭を模した環境を構築しました。

 「太陽光発電研究棟」には、単結晶、多結晶、薄膜など様々な種類の太陽電池パネル約420kW分を設置し、パワーコンディショナ、二次電池「SCiB」などを組み合わせた太陽光発電システムを構築しました。このシステムを用いた実証実験を12月上旬から開始し、各種太陽電池パネルとパワーコンディショナや蓄電池を組み合わせたシステムとしての品質、性能などの検証を実施します。

 また、このたび「太陽光発電研究棟」横にCHAdeMO(チャデモ)規格に対応した電気自動車向けの急速充電スタンドを設置しました。この施設で急速充電スタンド使用上の課題を検証し、今後の開発に活かしていきます。

 当社は今回の研究環境の整備を機に、スマートコミュニティ関連の研究開発を加速し、グローバルに研究開発の進むスマートコミュニティの研究開発において、リーダーシップを発揮していきます。

スマートグリッド研究棟の概要

 所在地  : 東京都府中市東芝町1(当社府中事業所内)
   建物構造: 鉄骨造1階建
   延床面積: 約195平方メートル
   竣工   : 2010年11月4日
   実験開始: 2010年12月上旬(予定)
<外観イメージ>

スマートグリッド研究棟の画像

太陽光発電研究棟の概要

 所在地: 東京都府中市東芝町1(当社府中事業所内)
 建物構造: 鉄骨造5階建
 延床面積: 約39,400平方メートル
  (太陽光発電関連の延床面積:約6,500平方メートル)
 竣工  : 2010年10月22日
 実験開始: 2010年12月上旬(予定)
<太陽光発電システム設備(屋上部分)>

太陽光発電研究棟の画像