ニュースリリース

持ち運びできる有機EL照明器具を被災地避難所に向け提供

有機ELを用いて、乾電池や太陽光充電池でも利用可能な薄型・軽量の照明器具を開発
2011年05月30日
「今般贈呈した有機EL照明」の写真
「読書灯」の写真
「手元灯」の写真


  当社は、従来から開発中の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)に、可搬性や調光等の仕様を加えることで、被災地の避難所の不十分な電源事情の中であかりを必要とする方々に役立てていただける照明器具を開発しました。このたび、避難所への贈呈用に100個を製造することを決め、まずは、本日、宮城県気仙沼市の避難所に50個を贈呈しました。この有機EL照明器具は、乾電池や太陽光充電池による駆動で持ち運びができることに加え、目にやさしい、やわらかなあかりを特長としているため、避難所内での読書灯や手元灯などへの有効活用が期待できます。

 近年、白熱電球や蛍光灯からの置き換えが進んでいるLEDに加え、有機ELが新たな照明として開発が進められています。有機ELは、有機材料からなる数100nmの薄膜に電流を流すことでLEDや白熱電球のような点状の光源と比べて広い平面で発光するため、目にやさしく、やわらかな光を実現することができます。また、光源パネル自体が器具にほぼ相当し、光の利用効率が高く節電効果が大きいことから、省エネかつ薄くて軽い面状の光源として幅広い用途で日常的に利用されることが見込まれています。

 当社は、これまで、薄い・軽い・曲がる・割れない・透明など有機ELならではの特長を生かした、人の求める新しいあかりの開発を進めてきました。乾電池や太陽光充電池で駆動し持ち運びができる薄型・軽量の本器具は、携帯電話の画面程度の明るさからスタンド程度の明るさまで3段階の調光が可能であるため、電源が不十分な場所でも利用者のニーズに合わせた光量で、「安心感を醸し出す、やわらかなあかり」を長時間提供することができます。また、照明器具に内蔵したUSBターミナルを介して太陽光充電池に接続することでさらに長時間の点灯も可能です。

 今後も引き続き、震災後の社会ニーズの変化をとらえ、省電力で、安心・安全を提供する有機ELならではの新しい照明システムを開発・提案していきます。

 当社グループでは、これまで、東日本震災により被災された方に向け、既に10億円相当の義援金を決定しています。具体的には、家電などの生活物資のほか、ポータブル超音波診断装置や太陽光発電システム、漁船など多様な物資提供で支援を進めてきましたが、今後も被災地の状況・ニーズを見極めながら、継続的かつ多様な支援を行ってまいります。

注 本器具は、被災地避難所に向けた贈呈用に製造したもので、一般の照明市場向けに製造したものではありません。