ニュースリリース

ネットワーク端末向けのセキュリティー・省電力ソリューションを共同で検証

ビジネスPCに求められる高いセキュリティー維持と省電力化に寄与
2011年06月07日

日本アイ・ビー・エム株式会社
株式会社 東芝

 日本アイ・ビー・エム株式会社(社長・橋本孝之、NYSE:IBM、以下 日本IBM)と株式会社東芝(社長・佐々木則夫、TOKYO:6502、以下 東芝)は、PCやスマートフォンなどネットワークに接続されたさまざまな機器の制御や管理を可能にするシステムである「エンドポイント・マネジメント注1」に関する技術分野において、ビジネスPCに求められる高いセキュリティーと省電力化を実現する先進ソリューションの有効性を共同で検証しました。

 現在多くの企業では、最新ソフトウェアの導入やセキュリティー・リスクへの対応、電力消費の最小化など、PCの設定や管理に多くの時間とコストを割いています。今後、PCに加え、スマートフォンやタブレット端末、多機能プリンター、医療機器など、ネットワーク端末が多様化しても、個人の生産性を落とすことなく全社規模で高いセキュリティーを維持し、低コストで一元管理できるソリューションが求められます。

 今回両社は、東芝のビジネスPCと「IBM Tivoli Endpoint Manager(TEM)」を連携させることにより、以下の2つのエンドポイント・マネジメントに関するソリューションを検証し、有効性と技術的な実現可能性を実証しました。

1. PCのハードウェアとTEMサーバーとの連携による全社規模でのセキュリティー運用管理

 PCのソフトウェアだけではなく、PCハードウェアに実装した高度なセキュリティー管理機構モジュールとTEMサーバーのエンドポイント管理機能を連携させることで、PCの起動制御を行います。これにより、例えばネットワークに接続し認証されなければPCが起動できないようにするなど、盗難時や紛失時、貸与期限の切れた状況においてPCの不正使用や情報の漏洩を防ぐことができ、堅牢かつ状況に応じた即時対応を実現します。さらに、TEMを用いた一元管理により管理者の負荷の軽減とログ記録を用いた対監査性の向上を可能にします。

2. PCの消費電力を全社規模で計測し管理する技術

 ネットワーク接続された全てのPCについて、充電中やサスペンドなどの電力消費状況を計測し、全社規模でのAC電力消費状況の一括収集と表示をできるようにしました。企業の管理目標とユーザーの業務状況に応じて、ピークシフトなどの電源設定を個別ポリシーに沿って柔軟に管理できる遠隔統合監視と管理を実現します。

 これら2つのソリューションを企業向けPCに実装することにより、ビジネスPCの高いセキュリティーが保持でき、万一の事故を防ぎ、個人の業務生産性を落とすことなく高いセキュリティーの維持と省電力を全社規模で実現することができます。

 日本IBMは、今回検証した技術のセキュリティー機能の拡張、各種機器への対応、さらに先進的な資産管理システムと連携することにより、ソフトウェアの個別の自動導入や保守、PCのヘルスチェックなど広範な管理運用ソリューションへの展開を検討していきます。

 東芝は、今回検証したソリューションに関して、今後パイロットテストを行ない、新機能を搭載した企業向けPCを国内、海外で販売していく計画です。

 両社は今回検証した技術の実用化に向けて引き続き協業していきます。

注1:エンドポイント・マネジメント:
PC、スマートフォンやスマートメーター、バッテリーなどネットワークに接続された機器など様々な対象の計測・制御・管理を可能にする技術。