ニュースリリース

業界最大クラスの記憶容量300GBを実現した
毎分15,000回転のエンタープライズ向け2.5型HDDの商品化について

2011年10月12日
エンタープライズ向け2.5型HDD「MK3001GRRB」

 当社は、業界最大クラス注1の記憶容量300GB(ギガバイト)注2を実現した毎分15,000回転のエンタープライズ向け2.5型ハードディスク装置(HDD)「MK3001GRRB」「MK3001GRRR」と147GBの「MK1401GRRB」「MK1401GRRR」を商品化し、12月から量産を開始します。

 新商品「MK3001GRRB/GRRR」は、磁気ヘッドやディスクの磁性層を改良することにより、毎分15,000回転のエンタープライズ向け2.5型HDDとしては業界最大注1の面記録密度705.6Mbit/mm2(455.2Gbpsi)を実現し、記憶容量300GBを達成しました。また、線記録密度を向上させることにより、従来機種「MBE2147RC」注3に比べ内部転送レートが約36%改善し、業界最速注1の内部転送レート298MB/sを実現しました。

 さらに、「MK3001GRRR」と「MK1401GRRR」は、暗号化機能を搭載しており、HDD の廃棄時、再利用時、リース期間終了時などのデータ漏えいに対する安全性を高めています。

 新商品「MK3001GRRB/GRRR」のアイドル時の消費電力は、毎分15,000回転のエンタープライズ向け2.5型HDDとしては業界最少注1の4.0Wを実現しました。その結果、従来機種「MBE2147RC」に比べエネルギー消費効率注4が50%改善しています。

 また、新商品全機種はEU(欧州連合)RoHS指令注5への適合や、本体全体のハロゲンフリー注6の実現など、人と環境に配慮した設計を行っています。

注1
毎分15,000回転以上の2.5型のエンタープライズ向けHDD商品として、2011年10月12日現在。(東芝調べ)
注2
メガバイト(MB)は1,000,000バイト、1ギガバイト(GB)は1,000,000,000バイトで計算しています。bitについても同様です。
注3
富士通株式会社が2009年に商品化した「MBE2 RC」シリーズの147GBモデル。
注4
省エネ法で定める測定方法により測定した消費電力を省エネ法で定める記憶容量で除したものです。
注5
RoHS:Restriction of the use of certain Hazardous Substances (2002/95/EC)
EU(欧州連合)で、コンピュータや通信機器・家電などで特定有害物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニール)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル))の使用禁止を定めた指令。2006年7月から施行。
注6
塩素および臭素を対象とし、それぞれの濃度を自主基準値以下(それぞれ900ppm以下で、合計1,500ppm以下)に管理しています。

新商品の概要 

型 名

記憶容量

外形寸法

回転数

質量

暗号化機能

MK3001GRRB

300GB

69.85×100.45×15.00mm

15,000rpm

225g
(max)

MK3001GRRR

MK1401GRRB

147GB

MK1401GRRR

商品化の背景と狙い 

 近年、エンタープライズ向けHDD市場においては、高速なデータ処理性能に加えて、発熱量の抑制、消費電力の低減、実装スペースの縮小などが求められており、従来主流だった3.5型HDDよりも、小型で低消費電力の2.5型HDDへの要望が高まっています。このような中、当社は、大容量の300GBを実現した毎分15,000回転のエンタープライズ向け2.5型HDDを製品化することで、サーバーやストレージシステムなどのエンタープライズ向けHDDのニーズにこたえていきます。

新商品の主な特長 

1.毎分15,000回転のエンタープライズ向け2.5型HDDとして業界最大クラスの記憶容量を実現【MK3001GRRB/GRRR】

 「MK3001GRRB/GRRR」は、垂直磁気記録方式の磁気ヘッドや、ディスクの磁性層の改良により、毎分15,000回転のエンタープライズ向け2.5型HDD商品としては、面記録密度を業界最高の705.6Mbit/mm2(455.2Gbpsi)に向上させ、業界最大クラスの記憶容量300GBを実現しました。

2.高速データ処理を実現【MK3001GRRB/GRRR、MK1401GRRB/GRRR】

 新商品は、線記録密度の向上により、従来機種「MBE2147RC」と比べて内部転送レートを約36%向上させ、業界最速の内部転送レート298MB/sを実現しました。

3.環境への配慮【MK3001GRRB/GRRR、MK1401GRRB/GRRR】

(1)本体全体のハロゲンフリー、アンチモンフリーを実現

 塩素および臭素を対象として、濃度を自主基準値以下(それぞれ900ppm以下で、合計1,500ppm以下)に管理しています。また、アンチモンを対象として、濃度を自主基準値以下1,000ppm以下に管理し、アンチモンフリーを実現しています。

(2)従来機種に比べて高いエネルギー消費効率を実現

 「MK3001GRRB/GRRR」は、従来機種「MBE2147RC」に比べエネルギー消費効率が50%向上し0.014となりました。また、新商品は、待機時にディスクの回転数を下げるモードを搭載しており、回転そのものを停止させずに維持することで、復帰時間を短く保ちながら、低消費電力化も実現しています。

(3)ライフサイクルによるCO2排出量削減効果注7

 新商品は、装置の消費電力を低く抑えることや、原材料製造時の環境負荷を減らすことなどにより、製品ライフサイクルにおけるCO2の排出量を抑えています。「MK3001GRRB/GRRR」では、削減効果として年間約3.8kgのCO2を削減しています。

注7 富士通株式会社が2007年に商品化した「MBC2073RC」との比較。当社のLCA(ライフサイクルアセスメント)評価法によります。

(4)RoHS指令に適合

 2006年7月施行のEU(欧州連合)RoHS指令(2002/95/EC)に適合しています。

当社グループの環境ビジョンについて

 当社グループは、「地球内企業」として持続可能な地球の未来に貢献するため、「東芝グループ環境ビジョン2050」を策定し、総合環境効率を2000年度基準で2050年度までに10倍に高める目標を掲げています。この実現に向け、「東芝がモノを作るときのエコ“Green of Process”」、「東芝の作る製品がエコ“Green of Product”」、さらに、効率の高いエネルギー供給機器の開発などの「環境技術で貢献するエコ“Green by Technology”」、の3つのGreenで地球との共生や豊かな価値の創造のための取り組みを行っていきます。
当社グループは、こうした環境への取り組みを一層加速するとともに、広く訴求するため、「ecoスタイル」をグローバル統一ブランドと定めています。詳細は以下をご覧ください。
URL: http://www.toshiba.co.jp/env/jp/management/vision2050_0_j.htm

新商品の主な仕様 

 

MK3001GRRB

MK3001GRRR

MK1401GRRB

MK1401GRRR

記憶容量

300GB

147GB

平均シーク時間

読出し時

2.7msec

書込み時

3.0msec

インターフェース

SAS 2.0

インターフェース速度

6Gb/s

回転数

15,000rpm

バッファ容量

32MB

外形寸法

(W)69.85mm×(D)100.45mm×(H)15.00mm

質量

225g(max.)

消費電力

アイドル時

4.0W

3.8W

低回転数時

3.0W

2.8W

エネルギー消費効率

0.014

0.026

区分名

I

F

騒音(レディ時)

33dB

耐振動性

動作時

9.8m/s2、(1.0G、20-300Hz)

非動作時

49m/s2、(5.0G、20-300Hz)

耐衝撃性

動作時

980m/s2(100G、1msec)

非動作時

3,920m/s2(400G、1msec)

暗号化機能

お客様からの商品に関するお問い合わせ先:

ストレージプロダクツ事業部
TEL : 03(3457)2445