ニュースリリース

東京都港区におけるEVバス運行および電池再利用に関する実証研究の実施について

環境省「平成24年度地球温暖化対策技術開発・実証研究事業」の委託先として選定
2012年03月30日

 当社は、環境省が今年1月に公募した「平成24年度地球温暖化対策技術開発・実証研究事業」において、東京都港区におけるEVバス運行および電池再利用に関する実証研究に関する委託先として選定されました。本実証研究の期間は2012年度より2014年度の予定です。

 本研究事業は、早期に実用化が必要で、エネルギー起源の二酸化炭素排出を抑制する技術の開発及び実証研究について、環境省が民間企業等からの提案を募集し、外部専門家からなる評価委員会において技術的意義、社会的意義、事業化・普及の見込みが高いものとして選定されたものです。 
  今回の実証研究では、東京都港区で運行している、コミュニティバス「ちぃばす」の路線を活用して、EVバスの運行および電池の再利用に関する検証を行います。交通システムの構築においては国内外で多数の実績がある、株式会社オリエンタルコンサルタンツと共同で行います。

 従来、コミュニティバスは短い停車時間での連続運行を終日行っているため、EV化には課題がありました。実証研究では、バスの電池に当社製二次電池「SCiB」を用い、電池容量を乗用車型EV並みの30kWh以下に抑え、一日に6~8回の急速充電を行います。従来のリチウム電池は、このような高頻度の急速充電を行うと電池寿命が著しく短くなりますが、「SCiB」は急速充電、長寿命特性に優れているため、電池交換サイクルの長期化が可能です。これによりバス事業者や自治体にとって導入コスト、運用コストの両方を抑えられ、EVバスの導入が容易になります。
  EVバス用の充電システムには、当社が開発した定置用蓄電池「スマートバッテリ」を応用することで電力系統への影響を抑えながら、走行余力として必要な電池容量の50%からフル充電までの時間が約5分と給油時間に近い充電が可能となり、運行スケジュール、配車計画への影響を低減します。また、当社の電池残存容量の評価技術によって、出力不足になった車載用電池を定置用蓄電池「スマートバッテリ」に再利用する技術を検証し、EVの大量普及に伴う廃棄電池問題に対応します。

 当社は、今回の実証研究を通じ、バスのEV化や電池の再利用に関する技術開発を加速するとともに、国内外で都市交通のソリューション事業の拡大を図っていきます。

【本策定事業の概要】
(1)事業名   EVバス早期普及に向けた長寿命電池による5分間充電運行と電池リユースの実証研究
(2)実証地域  東京都港区
(3)期  間   2012年度から2014年度の予定
(4)実施企業  東芝(全体取りまとめ)、オリエンタルコンサルタンツ(共同実施者、交通システムアドバイザー)