ニュースリリース

タイにおける半導体工場建設について

タイ国内のディスクリート後工程拠点を移転
2012年04月24日

 当社は、タイのプラチンブリ県304工業団地にディスクリートの後工程(組み立て)を行う工場を建設し、現在パトゥンタニ県バンカディ工業団地に立地する当社現地法人の東芝セミコンダクタ・タイ社(以下、TST)の移転を決定しました。

 TSTでは、小信号デバイスやフォトカプラを扱っています。小信号デバイスは、電流・電圧を制御する半導体で、携帯電話やデジタル家電など、あらゆる電子機器に利用されており、今後もスマートフォンやタブレットPC向けを中心に市場が拡大していくことが見込まれています。また、フォトカプラは回路を絶縁する半導体で、産業機器を中心に幅広く利用されており、需要増大が期待されます。そこで当社は、最新ラインなどの導入により、現在の工場よりも高効率で生産性の高い最新鋭の工場を建設することで、増大する需要に対応していきます。

 新工場を建設する304工業団地は首都バンコクから北東に約140km、海抜15~20mの場所に位置します。近隣に大きな河川はなく、これまでも洪水被害を受けなかった地域であり、BCP(事業継続計画)の観点から、このたび建設地として決定しました。建設予定地の敷地面積は現在の約1.4倍で、建物は二階建てとし、今年7月着工、2013年春の竣工を予定しています。建物建設にかかわる投資については昨年の洪水被害による保険を適用することで、当社半導体事業の業績に与える影響はない見込みです。なお、建設後の設備投資額や投資内容や生産能力、生産計画等については、市場動向を踏まえ、今後順次決定します。

 TSTは、1990年から小信号デバイス、フォトカプラなどの後工程を行ってきましたが、昨年10月の同地域における洪水により、被害を受け、操業を停止しています。代替生産として国内にあるグループ拠点やマレーシアの当社現地法人での生産、アウトソーシングの活用などにより対応してきましたが、今後も、BCPの観点から、当面の間、代替生産を継続していきます。

 当社グループは、これまでディスクリート事業の収益力向上のため、生産ラインの大口径化、後工程の海外展開の加速などの施策に取り組んできました。今回、新工場の建設により、後工程におけるコスト競争力を高め、同事業のさらなる収益改善、事業体質強化に努めていきます。

東芝セミコンダクタ・タイ社の概要

所在地:タイ パトゥンタニ県
設立:1990年10月
代表者:社長 芦澤 康夫
人員:約1,400名
資本金:1,215百万タイバーツ
生産品目:ディスクリート半導体(小信号デバイス、フォトカプラ)

新工場の概要

所在地:タイ プラチンブリ県
敷地面積:約135,000m
延床面積:約40,000m
着工:2012年7月(予定)
建物完成:2013年春(予定)
量産開始:2013年第2四半期(4~6月)(予定)