ニュースリリース

世界遺産 中尊寺へのLED照明設備と太陽光発電システムの寄贈について

新しいあかり空間で金色堂の芸術性を効果的に表現し、観光集客力拡大に貢献
2012年09月12日
中尊寺金色堂イメージ画像



 当社グループは、東日本大震災からの復興支援活動の一環として、岩手県への観光集客力の拡大に貢献するため、世界文化遺産に登録されている岩手県平泉の中心的構成資産である中尊寺に、LED照明設備と太陽光発電システムを寄贈します。
 中尊寺新覆堂(しんおおいどう)内の金色堂や仏像、荘厳(しょうごん)注1の芸術性・精神性をより効果的に表現できるLED照明空間を実現し、9月22日の一般拝観から点灯される予定です。中尊寺金色堂においてLED照明を導入するのは、今回が初めてとなります。
 また、自然と共生する平泉の理念に賛同し、自然エネルギーを活用する5kW規模の太陽光発電システムを寄贈し、LED照明の改修に合わせて発電が開始されます。
 なお、LED照明については、点灯が開始される9月22日に中尊寺金色堂にて点灯式を行う予定です。

 今回の照明設備の改修にあたっては、現地調査、ヒヤリングから照明デザイン、製作、施工を通じて、人類の大切な文化遺産を守り継承していくために、当社グループとして照明技術を結集して取り組んでいます。
 この取り組みでLED照明による省電力化だけでなく、「仏国土(浄土)を表す建築物」として総金箔の堂外観、螺鈿(らでん)や蒔絵等で荘厳された巻柱(まきばしら)、内陣須弥壇(しゅみだん)に各々安置されている阿弥陀三尊像、地蔵菩薩、二天像などの迫力、装飾の芸術性を損なわない色の美しさや色合いの作り方、光源自体の見え方までを検証し、充分な明るさと空間にあった最適な色温度と、より自然光に迫る演色性を実現します。
これにより、中尊寺のみならず、岩手県および東北地方へのさらなる観光客集客に寄与したいと考えています。

 また、宝物館である讃衡蔵(さんこうぞう)売店の屋根のスペースを活用し、景観を損なうことなく太陽光発電システムを寄贈、設置します。このシステムでは金色堂の照明のために消費される電力相当以上を発電することができ、自然と共生する平泉の理念に沿うものと考えます。

 当社は被災地域における自立支援などを目的とした復興支援プラン「東芝 東北 ASHITAプラン」を策定し、被災地域への支援を行っており、今後も被災地の状況を踏まえながら、支援時期、内容を検討し、継続的に支援を行っていきます。

 当社は日本の文化遺産に加え、仏ルーヴル美術館においても、LED照明の改修に取り組んでいます。ピラミッド、ピラミディオンおよびナポレオン広場全体におけるLED照明への改修をすでに完了し、「モナ・リザ」の展示照明、著名な大型絵画が多数展示されている「赤の間」のほか、メインエントランスである「ナポレオン・ホール」の改修も進めています。

注1
浄土などの仏国土、仏・菩薩などを美しく厳かに飾ること。またその飾り。

<中尊寺について>

 天台宗東北大本山。850年、慈覚大師円仁の開山。12世紀初め奥州藤原氏初代清衡公が前九年・後三年の合戦で亡くなった命を平等に供養し、仏国土を建設するため大伽藍を造営しました。惜しくも14世紀に堂塔の多くは焼失しましたが、金色堂始め三千余点の国宝・重要文化財を伝える平安仏教美術の宝庫です。「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」として、2011年にユネスコの世界文化遺産に登録されています。

 <東芝 東北 ASHITAプラン>

 岩手県、宮城県、福島県を対象に、自立支援などを目的とした復興支援プランです。本プランは、被災地域において被害を受けた基盤産業の復興支援により雇用の創造促進が図られることなど、地域の自立支援を狙いとして次の5つの柱で構成しています。
 本プランのもと、今年度は、昨年度から継続して行っている奨学金の支給を含め、5億円規模を予定しています。

1.地域の基盤産業の復興や雇用創造支援
2.域外交流や被災地域への人の誘引支援
3.地域の住民の方のコミュニティ再建支援
4.未来を担う人財の育成支援
5.地域における医療支援