ニュースリリース

スマートフォン・タブレット向けCMOSイメージセンサの発売について

業界初の色ノイズ低減回路を搭載
2012年11月28日
CMOSの写真

 当社はスマートフォンやタブレットのカメラ向けに、業界で初めて注1色ノイズ低減回路(以下、CNR回路)注2を搭載した、画素サイズが1.12マイクロメートルで、解像度が13メガピクセルの裏面照射型(BSI)注3CMOSイメージセンサを開発しました。12月からサンプル出荷を開始し、2013年5月に量産を開始します。また、8メガピクセル、フルハイビジョンサイズの製品も順次量産します。

 新製品は、センサと当社独自のCNR回路をワンチップに搭載することで、業界最小クラスの画素サイズ1.12マイクロメートルの製品で、当社が従来から展開している画素サイズ1.4マイクロメートルの製品と同等の性能注4を実現しました。これによりチップの小型化が進み、更にはカメラモジュールの小型化が可能となり、スマートフォンやタブレットの薄型化に貢献します。

 近年、スマートフォンやタブレット市場において、薄型軽量化と高性能化が進んでおり、カメラ機能を担うCMOSイメージセンサも小型化と高解像度化が求められています。しかし、CMOSイメージセンサの画素を小型化した場合、画素に入射する光量が減り、感度が低下、結果として色ノイズが増加してしまうため、高解像度を実現するためには、大型の画素・カメラモジュールを使用し、光量を確保する必要がありました。これに対し、当社は独自のCNR回路を搭載し、画素の小型化に伴う色ノイズを低減させることで、CMOSイメージセンサの小型化かつ高解像度化を実現しました。

 当社は、CMOSイメージセンサ事業をアナログ&イメージングIC分野の注力製品の一つと位置づけており、今後も、小型化・高画質化といった市場のニーズに対応しながら、ラインアップの拡充を図ることで、スマートフォン・タブレット向けCMOSイメージセンサ市場において2015年に30%のシェアを目指します。

注1
2012年11月28日時点。当社調べ。
注2
Color Noise Reductionの略。
注3
Back Side Illuminationの略。
注4
SN比。センサ性能を表す指標のひとつであり、信号量とノイズ量の比の事。

新製品の主な特長

1.色ノイズ低減(CNR)回路を搭載

 当社のCNR回路は、フレーム間の画像を比較し、色ノイズをデジタルフィルタ回路によって抑圧するタイプを採用しており、解像感を損ねる事なく、CNR回路未搭載の1.12マイクロメートル画素の約1.5倍のSN比注5を達成し、1.4マイクロメートル画素相当のSN比を実現しました注6

CNRのイメージ図
センサ出力画像に同じ信号処理を施し比較しています。
SN比改善により、CNR OFFと比べて、暗い環境でも明るい画像として撮影する事が可能です。
注5
当社測定方法による。
注6
当社製品比。

2.8.5mm平方サイズのカメラモジュールに実装可能

 新製品は、メモリサイズの工夫により、光学サイズ1/3インチ注7クラスのターゲットサイズである縦横8.5mmのカメラモジュールに実装可能なチップサイズを達成しました。これにより同じカメラモジュールサイズで1.4マイクロメートルの8メガピクセルから1.12マイクロメートルの13メガピクセルへ高解像度化することが可能です。

注7
センサ受光面の大きさを表す数値。8メガ1.4マイクロメートルと13メガ1.12マイクロメートルはほぼ同じ大きさ(1/3インチクラス)となる。

3.高フレームレートに対応

 13メガピクセル製品でフレームレート30フレーム/秒を実現しました。これにより、プレビューと撮影画像の時間差(シャッタータイムラグ)の縮小や、連続撮影に貢献します。

新製品の主な仕様

品番

T4K37

T4K35

T4K71

解像度

13メガピクセル

8メガピクセル

2メガピクセル

(Full-HDサイズ)

光学フォーマット

1/3インチ

1/4インチ

1/7インチ

アスペクト比

4:3

4:3

16:9

画素サイズ

1.12マイクロメートル

フルサイズフレームレート

30フレーム/秒

30フレーム/秒

60フレーム/秒

サンプル時期

2012年12月

2013年1月

2013年3月

サンプル価格

1500円

1000円

700円

量産時期

2013年5月

2013年7月

2013年9月

量産規模

200万個/月

200万個/月

200万個/月

新製品についてのお客様からお問い合わせ先:

イメージセンサー営業推進担当
TEL : 044(548)2825