ニュースリリース

イタリア送電会社テルナ社からの直流送電(HVDC)システム建設工事の受注について

― 日本企業として欧州市場で初の受注 -
2012年12月07日

 当社および当社グループ会社である東芝電力流通システム欧州社は、イタリア送電会社テルナ(TERNA)社から、同国チェパガッティ市とモンテネグロ国コトル市を結ぶ直流送電システムにおいて、両国に建設する変換所の変電設備、土木工事および据付工事の一式を受注しました。欧州市場において日本企業としては初の受注です。2013年9月から工事を開始し、変電設備については2015年4月から順次納入する計画で、同変換所は2017年9月から運転開始の予定です。

 当社は、昨年3月にイタリアの送変電エンジニアリング会社であるアンサルドT&D社を買収し、今年3月に東芝電力流通システム欧州社に社名変更し、当社の送変電・配電(T&D)の拠点として欧州での事業展開を進めています。今回の受注は、同社との共同提案によりシナジー効果を発揮した事例の一つで、これまで日本で多くの納入実績のある当社機器の高い性能と信頼性に加え、欧州市場における東芝電力流通システム欧州社のエンジニアリング等での実績と信頼性が評価されました。

 今回当社が受注したのはチェパガッティ市とコトル市を結ぶ約400kmの直流送電システムにおいて、バルカン諸国で発電した交流電源の電気を効率良く送電するために直流に変換する変換所の変電設備および建設工事と、イタリア国で受電する際に直流を交流に変換する変換所の変電設備および建設工事です。欧州では、環境問題などにより新規発電所の建設が困難な地域において、他国で発電した電力を自国に供給するための長距離送電網の建設が多く進められており、今後、アフリカ地域などでも、長距離送変電網の構築増に伴い、多くの変換所の建設が見込まれています。

 当社は今後も、欧州やアフリカ地域に加え、インドネシアをはじめとする東南アジア、インド、ブラジル向けに積極的に高電圧直流送電変換装置事業を展開していきます。また送変電・配電機器事業においても、今後の電力需要の伸張が期待される中東や東南アジア、ブラジル、インド、ロシアなどを注力地域として、グローバル展開をさらに加速していきます。

注 変換所の変電設備、土木工事および据付工事の一式の受注として。2012年12月07日、東芝調べ。

 受注概要  

(1)変換所名

イタリア・モンテネグロ変換所

(2)所有者

イタリア送電会社テルナ(TERNA)社

(3)所在地

イタリア国チェパガッティ市およびモンテネグロ国コトル市

(4)納入設備

サイリスタバルブ、変換用変圧器、直流用避雷器など

直流送電システムのイメージ図

直流送電システムのイメージ図