ニュースリリース

阪急電鉄新型車両向け電気品受注について

従来比で約50%の省エネを実現したシステムが採用
2013年06月06日

 当社は、阪急電鉄株式会社(以下、阪急電鉄)の新型式車車両において、全閉型永久磁石同期電動機(以下、全閉PMSM)と4in1VVVFインバータ装置を組み合わせた駆動システムをはじめとする電気品一式を受注しました。

 今回受注したのは、阪急電鉄の新型式車1000系車両における全閉PMSMと新開発の4in1VVVFインバータ装置を組み合わせた駆動システム、車内案内表示器などの車両情報統合システムおよび補助電源システム、ならびに新型式車1300系車両における車両情報統合システムです。今回の受注は、昨年9月、阪急電鉄8000系車両に全閉PMSMと新開発の4in1VVVFインバータ装置のシステムを試験搭載し、約50%の省エネ効果を実証した結果が評価されたものです。

 4in1VVVFインバータ装置は、1台の冷却器に対して4つのインバータ回路を配置した4in1インバータユニットを2台搭載することで、8台の全閉PMSMを1台のVVVFインバータ装置で駆動できるシステムです。これにより、力行注1の消費電力量を削減するとともに、当社独自の制御方法で電力回生ブレーキ注2の負担を増やし、回生電力量を増加させることで車両全体の省エネを実現しています。

 車両情報統合システムは、表示器に大画面の32インチハーフサイズの液晶ディスプレイを採用し、長い路線や長い編成でも文字サイズを小さくすることなく、一列に情報を表示することが可能です。2画面分割により動画と運行案内を同時に表示できるほか、用途に応じてさまざまな分割表示が可能です。補助電源システムは、待機2重系静止形インバータ注3を採用しており、故障時にも空調装置を維持することで乗客サービスの低下を防ぎます。

当社は、今後も全閉PMSMを中心とした省エネ効果の高い製品群を開発し、グローバルに受注活動を展開していきます。

 

注1
電力の供給を受けて車両が走行する状態。
注2
主電動機を発電機として用い、これによって発生した電力を電車線に返す電気ブレーキ。
注3
直流電力を電圧・周波数一定の交流電力に変換し、空調装置などに電力を供給するインバータ。

参 考

全閉PMSMの写真 4in1VVVFインバータ装置の写真
全閉型永久磁石同期電動機 4in1VVVFインバータ装置

 

車両案内表示画面イメージ
車両案内表示の画面イメージ