ニュースリリース

米ニューメキシコ州でのデマンドレスポンス実証実験の実施について

2013年07月18日

 当社は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が米ニューメキシコ州で実施している日米スマートグリッド実証プロジェクトのうちロスアラモス郡の実証サイトにおいて、スマートメーターを活用した夏季のデマンドレスポンス(DR)実証実験を7月22日から実施します。

 今回のDR実証実験で用いられるシステムは、当社のグリッド制御監視システム(μEMS)を中核とし、ランディス・ギア社のスマートメーター総合管理システム(AMI)、メーターデーターマネジメントシステム(MDMS)、および東芝ソリューション株式会社の顧客情報管理システム(CAS)で構成されます。また、ランディス・ギア社製スマートメーターを設置したロスアラモス郡の1600世帯のうち約820世帯が実証実験に参加します。

 実証実験では、翌日の気温や電力需給の予測に基づき、μEMSから参加世帯にDR実施を連絡します。各家庭では、電力使用量の増加が予想される夕方の時間帯に「エアコンの温度設定を変更する」、「外出時間を調整する」などの節電行動を通して、ピーク時間帯の電力使用を抑制し、その電力削減量に応じて、各家庭にインセンティブ(報奨金)が支払われます。

 参加世帯は、電力ピーク時に電力料金が平常時の数倍に設定されるCPP(Critical Peak Pricing)方式および電力ピーク時に電力使用を抑制した量に応じて報奨金が支払われるPTR(Peak Time Rebate)方式、均一料金方式の中から電力料金の支払い方式を選択でき、今回の実証実験を通して支払い方式に応じた各世帯の行動について検証します。なお京都大学の発案により、参加者がCPPもしくはPTRを選択できるグループと、あらかじめCPPもしくはPTRに指定されたグループに分け、電力削減の効果を調査します。

 日米スマートグリッド実証プロジェクトは、NEDOが米ニューメキシコ州政府および米連邦政府エネルギー省(DOE)傘下の国立研究所などと協力し、ロスアロモス郡とアルバカーキ市で行うスマートグリッドの共同プロジェクトです。ロスアロモス郡では、大規模太陽光発電システム(1MW)が接続された配電系統で電力系統用大型蓄電池制御とDRを用いることにより、配電線の電気の流れを制御し、品質を確保するシステムを構築し、実証を実施しています。当社は、μEMS、MDMS、スマートメーターを現地に納めており、ロスアラモス郡については実証サイトの取りまとめの役割を担っています。また今回の夏季DR実証実験に続き、今年12月から2014年2月にかけて冬季のDR実証実験も予定しています。

 当社は、日米スマートグリッド実証プロジェクトなど国内外でのスマートコミュニティ実証実験で得た知見やノウハウを今後のプロジェクトにも活用、展開していくことで、スマートコミュニティ事業展開を加速していきます。

実証の概要

1.実証地域:米国ニューメキシコ州ロスアラモス郡

2.実証期間:7月22日から9月30日までの間の14日程度

3.DR対象時間帯:16:00~19:00

4.DR発行条件:翌日の電力需給のひっ迫が予想される日

システムの構成図