ニュースリリース

横浜スマートシティプロジェクト・ビル部門の平成26年度夏季実証への参画について

ネガワット取引によるピーク電力削減効果を検証
2014年06月30日

 当社は、横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)において7月1日から行われる夏季のビル部門でのデマンドレスポンス(DR)実証実験に参画します。YSCPは、横浜市内のBEMS注1を導入したビルや工場、集合住宅など26施設が参加対象で、施設の節電量を入札方式で管理するネガワット取引やDRによるピークカットの効果を検証するものです。

 今回の実証実験では、必要な電力を計画的に確保することを目的にネガワット取引を行います。ネガワット取引では、地域全体で必要な節電量に対して、各施設が削減可能な電力量とキロワット時あたりの希望単価を入札します。希望単価の低い施設から順に落札し、支払われる報奨金は最も高い希望単価で統一されます。本実験を通して電力削減に必要となる報奨金のコストを調査する計画です。

 また、電力需要のピークカットを目的に、各施設の稼働設備を制御するとともに、節電行動を促すことで電力使用を抑制します。これまでの実証では、電力需給のひっ迫が予想される日の前日にDR実施を通知していましたが、今回の実証では、ピーク時間帯の1時間前、15分前にも通知し、通知から節電行動までの各施設の反応を検証する予定です。

 YSCPは、日本型スマートコミュニティの構築や海外展開を実現するための取り組みとして、経済産業省が2010年4月に「次世代エネルギー・社会システム実証地域」に選定し、進められているプロジェクトです。人口370万人の大規模都市である横浜市で、4140世帯の家庭、計16のビル・マンション・工場、電気自動車2300台、太陽光発電36MW分を対象注2に、広域でのエネルギー最適制御の実証を行います。当社は、YSCPのプロジェクトマネジメントの立場で全体統括を担うとともに、CEMS注3、BEMS、HEMS注4などのワーキンググループ幹事や中核メンバーとして参加しています。

 当社は、YSCPでの実証を通して知り得た知見やノウハウを活用し、自治体と連携した地域ソリューションを展開していきます。

注1
Building Energy Management System:ビル向けのエネルギー管理システム
注2
2014年4月時点
注3
Community Energy Management System:地域エネルギー管理システム
注4
Home Energy Management System:家庭向けのエネルギー管理システム

今回のネガワット取引について

1.仕組み

 電力需給のひっ迫が予想される日の前日に、当社が運営するCEMSから地域全体で必要な節電量が各施設に向け通知されます。各施設は通知を受け、削減可能な電力量と1キロワット時当たりの報奨金の希望額を入札します。1キロワット時あたりの報奨金の入札金額が安い施設から順に落札し、支払われる報奨金の単価は落札施設の中で最も高い単価で統一されます。

2.見込まれる効果

 入札方式を用いることにより、参加施設は、DR時の削減目標値やその時に必要な報奨金を事前に申告できるようになり、拠点の状況に合わせた無理の無い対応が可能になります。電力事業者は、地域全体の電力使用計画が立てやすくなります。

実証の概要

DR実施日数

7月1日から9月30日までの間の22日程度

DR対象時間帯

13:00~16:00(平日)

DR発行条件

電力需給のひっ迫が予想される日

関係企業

(対象施設)

大成建設株式会社(大成建設技術センター)

株式会社明電舎(横浜ワールドポーターズ)

日揮株式会社(イトーヨーカドー横浜別所店)

丸紅株式会社(みなとみらいグランドセントラルタワー)

三菱地所株式会社

(横浜ランドマークタワー、マークイズみなとみらい)

三井不動産株式会社(横浜三井ビルディング)

住友電気工業株式会社 (横浜製作所)

東京ガス株式会社(磯子スマートハウス)

三井不動産レジデンシャル株式会社(パークホームズ大倉山)*

JX日鉱日石エネルギー株式会社(磯子社員寮)*

株式会社大京アステージ(ライオンズマンション4か所)*

株式会社NTTドコモ(能見台社員寮)*

清水建設株式会社(横浜アイマークプレイス)

株式会社横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)*

みなとみらい二十一熱供給株式会社(センタープラント)*

横浜市浄水場(寒川、西谷、小雀、峰)*

横浜市水再生センター(北部第一、都筑、西部)*

 

*
ネガワット取引には不参加

YSCP全体像及び今回のビル部門の実証範囲のイメージ

全体図