ニュースリリース

米国CB&Iストーン・アンド・ウェブスター社の買収完了について

2016年01月05日

 当社のグループ会社であるウェスチングハウス社(以下、WEC)は、米国大手エンジニアリング会社CB&Iから、同社の子会社で、原子力の建設と統合的なサービスを担うCB&Iストーン・アンド・ウェブスター社(以下、S&W)の株式100%を取得し、2015年12月31日に買収を完了しました。本買収は、2015年10月27日(米国時間)にWECがCB&Iと、S&Wの株式購入契約を締結したことに基づくものです。


 WECは、S&Wをコンソーシアムパートナーとして、米国で建設中のボーグル発電所とV.Cサマー発電所向けにAP1000TM原子力発電所の設計、エンジニアリング、調達及びサポートを提供しています。今回のS&Wの取得により、S&Wが担っていたこれらのプロジェクトの建設工事は、今後WECの子会社としてS&Wと米国の大手建設会社であるフルアー社で進めることになります。WECは、S&Wの取得により米国での建設プロジェクトを一元的に管理することができるようになりましたが、建設工事能力の一層の改善・強化を図るべく米フルアー社と提携し、フルアー社が建設作業に従事する人員を雇用します。WECは、これらの施策により両プロジェクトを成功裡に完工させることとあわせ、EPC契約注1を効率的に履行していくためのプラットフォームを強化していきます。
 

 本買収に合わせて、WECは、両プロジェクトのそれぞれのオーナーとの間でEPC契約の変更に合意していますが、この契約変更の中でそれぞれのプロジェクトに関し現在訴訟となっているものも含め、全てのクレームについて相互に免責することに合意しています。WECは今後も両オーナーとの協力関係を継続し、プロジェクトの安全かつ適時の完成を目指します。
 

 なお、本買収およびそれぞれのオーナーとの契約変更に伴い、2015年度の連結業績予測に与える影響は軽微と想定していますが、S&W社が、WECの子会社になることにより、両プロジェクトの完工までの間は少なくとも年間2,000億円程度の売上増が見込まれております。なお、WECは買収に伴い2015年度にのれんを計上する予定です。のれんの金額およびその資産価値については、買収完了から1年以内に外部の会計監査人と適正な手続きを経て確定します。
 S&Wの取得は、建設プロジェクトの効率的な推進に加え、WECの原子力事業の拡大にも貢献します。S&Wが展開する廃炉に関するサービス、プロジェクトマネジメント、環境サービス、また新たに取り組む予定の政府向けサービス事業などを、今後WECの子会社であるWECTEC社注2が担うことにより、WECのさらなる成長に繋がります。
 

 WECは世界で多数の原子力発電所の建設実績があり、また、世界最大の原子力燃料メーカーです。WECのPWR技術は、世界で運転中の原子力発電所のおよそ50%で採用されています。今回のS&Wの取得による事業の拡大により、WECは世界における原子力事業でのリーダーの地位をさらに強固なものにしていきます。

注1
エンジニアリング(Engineering)・購買(Procurement)・建設(Construction)契約
注2
WECTECは、取得したS&W等の持株会社