ニュースリリース

東芝グループのIoT事業の展開加速について

2016年11月01日

 当社は、高い市場伸長が期待されているIoT事業において、デジタルトランスフォーメーション注1を加速するために、新たなIoTアーキテクチャ「SPINEX」を本日から提供開始します。当社は、「SPINEX」をIoT事業の軸とし、今後4年間でインダストリアルICTソリューション社を中心に社会インフラ領域、エネルギー領域、ストレージデバイス領域におけるIoT事業の展開を加速し、東芝グループ全体でのIoT関連売上を、現在の1,000億円から2020年に2,000億円への拡大を目指します。

 「SPINEX」は、当社が長年蓄積してきたノウハウにもとづく信頼性の高い機器を持つ強みとインダストリアル領域の現場の知見を持つ強みを融合して生まれたIoTアーキテクチャです。特長は、現場でのリアルタイムな処理とクラウドを最適に組み合わせるエッジコンピューティングの仕組み、また、デジタル上に現場の機器を忠実に再現し、遠隔監視で機器の状態を見守り、いち早く兆候を捉えて改善するデジタルツインを構築できることです。さらに、「SPINEX」はモノをつなげるだけでなく、東芝が長年取り組んできたメディアインテリジェンス技術により音声や映像などの情報を解析し、人の意図や状況を理解し活用が可能なことです。これらにより、「SPINEX」は企業や社会の産業分野の機器や装置の生産性や安全性の向上、プロセスの最適化、オペレーションコストの削減など、事業領域ごとのお客様の課題の解決手段を包括的に提供し、さらには新たな気づきを新製品へフィードバックすることや新規サービス事業の創出を実現します。

SPINEXについて

 

 「SPINEX」の基本構成要素にもとづき産業機器の見える化・遠隔監視を実現する「IoTスタンダードパック」や次世代ものづくりソリューション「Meisterシリーズ」は、既に産業機器向けやバーチャルパワープラントなど幅広い領域で活用されており、生産性と品質の向上、新たな価値創出に貢献しています。
 また、当社はIoT事業を推進していく一環として関連団体へ積極的に参画をしており、本年3月には、エッジ・コンピューティングの注力・強化を目指しOpenFog Consortium注2に、日本企業として初めて加盟しました。10月はIIC注3により、当社のスマートコミュニティセンターを活用したディープラーニングによる初のテストベッド注4が採用されるなど、これらの推進団体との協力を通じエコシステム注5構築を目指します。

  当社は、本内容を11月1日~2日にお台場で開催される「TOSHIBA OPEN INNOVATION FAIR」において、当社インダストリアルICTソリューション社社長の錦織の基調講演「東芝の結集力と共創でひらくデジタル化時代」にて発表します。

・東芝のIoT
https://www.global.toshiba/jp/cps/corporate.html

●「TOSHIBA OPEN INNOVATION FAIR 2016 」のご案内
11月1日(火)、2日(水)に、グランドニッコー東京 台場(東京・台場)にて
「TOSHIBA OPEN INNOVATION FAIR 2016 」を開催いたします。
詳しくは、http://www.toshiba-ictfair.com/index_j.htm  をご覧下さい。

注1
デジタルトランスフォーメーションとは:企業と顧客が関わるビジネスモデルやビジネスプロセス、サービスや製品など全てを取り巻く環境がデジタルにより変革する概念。
注2
OpenFog Consortiumとは:2015年11月に、IoT分野における世界的な主要企業であるARM、Cisco、Dell、Intel、Microsoftおよびプリンストン大学エッジラボラトリーの5つの企業、1つの研究室により設立された業界団体です。オープンなフォグコンピューティングを基盤としたアーキテクチャ(OpenFogアーキテクチャ)により、新しいビジネスモデルおよび新しいアプリケーションの開発を通じてイノベーションを起こし、産業の成長を加速することに取り組んでいます。
注3
 IIC(Industrial Internet Consortium)とは:2014年3月27日に米国で設立された、産業分野におけるIoT活用のデファクトスタンダードを推進する国際的な団体です。現時点で、参加企業は240社を越え、ユースケースの分析、アーキテクチャー/フレームワークの策定、テストベッドによるエコシステムの構築などを推進しています。
注4
テストベッドとは:インダストリアル・インターネットの発展を目的に、新技術、新しいアプリケーション、新製品、新サービス、新プロセスなどの有用性と実現性を、実証実験を通して検証するためのプラットフォーム。
注5
エコシステムとは:複数の企業がパートナーシップを組み、相互協力により収益モデルを構築し共存共栄していく仕組み。