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経営方針および経営成績について




経営方針について

 会社の経営の基本方針
 当社は、情報通信・社会システム、デジタルメディア、重電システム、電子デバイス、家庭電器、その他の各事業分野において、 先端技術をベースにした価値ある商品と、お客様の満足を実現するソリューションサービス、そしてこれらを融合することにより、 産業・社会・家庭などでのIT化の促進と新しいスタイルの確立、社会インフラの高度化などに貢献していきます。
 事業環境の変化に的確に対応し、社内外の経営資源を有効に活用することにより、各事業分野で強みを持つ企業として、 継続的な成長と収益を実現できる経営体質の確立をめざします。
 これにより、お客様、株主、従業員、地域社会などそれぞれのステークホルダーにとっての満足を高め、 企業価値の向上をはかっていきます。


 会社の利益配分に関する基本方針
 当社は、利益配分については安定的配当の継続を基本に、当該期および今後の業績等を勘案して行うこととしています。
 また、内部留保金については、今後の事業拡大を図るための設備投資、投融資、研究開発等に有効活用していきます。


 中長期的な会社の経営戦略と、目標とする経営指標
 当社は、平成12年度をスタート年とする3ヵ年の中期経営計画を策定しています。本計画では、 その基本を、「IT技術を駆使した価値ある製品とサービスの提供」「カンパニー制の進化とインターカンパニーバリューチェーンの構築」 「企業価値の向上とコーポレートガバナンスの充実」の3つにおいています。
 当社は、本計画にもとづき、モバイル、ネットワークを中心としたIT分野と、これを支えるコンポーネント分野に集中的にリソースを投入し、 高い成長と収益を実現するとともに、事業構造改革の加速など強固な収益体質の確立をはかり、平成14年度には、 売上高 7兆8,000億円、当期純利益 2,000億円、ROE 15.5%をめざします。
 また、キャッシュフロー経営の徹底により、平成14年度末のグループ有利子負債を1兆7,500億円とする目標を計画しています。


 会社の経営管理組織の整備等に関する施策
 当社は、平成11年4月に、迅速な事業運営を行うことを目的として、「社内カンパニー制」を導入し、 自主責任経営体制を確立しました。これにより、各カンパニーが、グローバル競争の中で、競合する企業を見据えながら、 それぞれに最適な事業戦略を展開します。 
 一方、本社は、全社戦略の立案機能と経営監査機能を柱とするグループ本社として位置付け、「小さな本社」としました。
 業務執行を担う執行役員制度と、意思決定及び監督機能を担う取締役会については、運営・運用面からの整備をさらに進め、 コーポレートガバナンスの一層の充実と、事業環境の変化に迅速に対応できる経営管理組織の整備充実に努めていきます。


 会社の対処すべき課題
 中期経営計画を確実に実行するため、その施策の柱となる「モバイル、ネットワークを中心とするIT事業への注力」、 「強固な収益基盤の確立」、「新しい経営スタイルの確立」について、グループを上げてその実現に取り組んで行きます。
 「IT事業への注力」では、モバイル、ネットワークを中心としたIT事業分野やコンポーネント分野へのリソースの集中的投入、 インターネットサービスをはじめとするサービス事業の強化により、高い成長と収益をめざします。
 「強固な収益基盤の確立」では、成熟事業分野での事業構造改革、ポートフォリオの見直しを加速する一方、 グループ内でのITの戦略的活用により、経営のスピードアップ、生産性向上と、顧客満足の向上をはかります。
 「新しい経営スタイルの確立」では、顧客志向とデータにもとづき継続的に改革に取り組む「経営変革2001運動」の推進により、 企業風土の変革を進めます。



経営成績について

[ 当期の概況 ]

 当期の生産、販売、損益等の状況を含む業務全般に関する分析
 下期後半からは国内景気回復の兆しが見え始めたものの、年度全体を通しては厳しい経営環境が続く中、 当社および当社グループは、経営の仕組みの改革、事業構造の改革、企業風土の改革に継続的に取組み、 収益の確保に向けて注力しました。
 連結の売上については、半導体や液晶、国内パソコン、移動体通信などが好調に推移したこと、 また平成11年1月から東芝テックグループが連結対象となったことなどにより、前年度比108%の5兆7,494億円となり、 3年ぶりの増収となりました。
 損益については、パソコンや移動体通信が好調に推移したこと、また、 下期に入って半導体が価格安定や数量増により急速に収益を改善したこと、 さらに構造改革効果による家電事業の大幅な収益改善があり、営業利益は同331%の1,010億円となり、 4年ぶりの増益となりました。一方、営業外費用として、米国でのフロッピーディスクコントローラ訴訟に係る和解費用、 半導体事業や家電事業にかかわる事業構造改善費用などを計上した結果、税引前利益はマイナス448億円、 当期純利益はマイナス280億円となりました。
 単独決算については、空調設備機器事業や複写機事業などの移管による減収や設備投資抑制の影響がありましたが、 電子デバイスやパソコン、移動体通信などが好調に推移し、売上高は前年度比103%で3兆5,053億円となり、 3年ぶりの増収となりました。損益については、経常利益が162億円で4年ぶりの増益となりました。特別損失として、 フロッピーディスクコントローラ訴訟和解費用や事業構造改善費用に加え、 退職給付債務の積立て不足に対応して退職給与引当金の積み増しを計上した結果、当期利益はマイナス2,445億円となりました。


 当期のキャッシュフローの状況に関する分析
 社内カンパニー制の導入に伴う、キャッシュフロー重視の経営の定着などにより、営業活動によるキャッシュフローは4,359億円、 投資活動によるキャッシュフローはマイナス2,932億円で、差し引き1,427億円のプラスとなりました。


 当期の主なセグメント別の状況に関する分析
 情報通信・社会システム部門は、国内の設備投資抑制による産業用システムの減少やATM事業移管などによる減収要因があったものの、 通信システムの伸長や東芝テックグループが連結対象となったことによる増収等があり、 前年度比103%の1兆8,583億円で増収となりました。
 デジタルメディア部門は、パソコンについては海外で部材不足による影響が若干あったものの、国内は好調に推移し全体としては増収、 また、移動体通信も国内外ともに好調に推移しました。パソコン周辺機器やテレビが減収となりましたが、 全体では同108%の1兆5,177億円で増収となりました。
 重電システム部門は、国内は電力会社の設備投資抑制の影響もあり横ばいでしたが、 火力プラントなどの輸出が好調に推移したことにより、同110%の5,707億円で増収となりました。
 電子デバイス部門は、半導体ではNAND型フラッシュメモリの増収や128MなどのDRAMの数量増と価格の安定化、 システムLSIの伸長、携帯電話機向け等にディスクリートが好調だったことなどから増収、 またノートパソコンなどのモバイル用途向けやモニター向けの需要増により液晶も好調に推移し、 全体では同122%の1兆4,773億円で大幅な増収となりました。
 家庭電器部門については、冷蔵庫が伸長したものの、照明などが減少し、同93%の6,599億円で減収となりました。
 その他部門は同98%の4,734億円で減収でした。
 この結果、セグメント別構成比では、情報通信・社会システムが28%(前年度29%)、デジタルメディアが23%(同23%)、 重電システムが9%(同8%)、電子デバイスが23%(同20%)、家庭電器が10%(同12%)、その他7%(同8%)となりました。

 セグメント別営業利益では、情報通信・社会システムは、東芝テックグループの組入れが増益要因となったものの、 産業用や官公庁向けシステム、医用システムなどの減益があり、前年度比85%の381億円で減益でした。 デジタルメディアは、パソコンが引き続き安定した利益を確保したほか、DVD-ROMや移動通信も好調でしたが、 CD−ROMなどのパソコン周辺機器が減益となり、同97%の486億円で減益となりました。重電システムは、 同67%の93億円で減益、電子デバイスは、半導体の収益が下期から急回復したことや液晶の好調により、 マイナス236億円ながら前年度比では435億円の損益改善となりました。家電機器については、 事業構造改革による体質強化の効果等により、389億円改善して54億円となり平成3年度以来8年ぶりの黒字となりました。 その他部門は、同129%の265億円でした。


 当期の利益配分に関する事項
 当期の利益配分については、中間配当につきましては、まことに遺憾ながら見送りとさせていただきましたが、 期末配当につきましては、1株当り3円(前年度期末配当金3円)とし、年間3円(前年度配当金6円)とする予定です。


 その他、当期に決定または発生した重要な事実の概要
  • 平成11年4月に、国内民間向けATM機器に関わる本体及び保守部門子会社の事業部門を、 沖電気工業株式会社に譲渡しました。
  • 米国におけるフロッピーディスクコントローラに関する集団訴訟の和解契約締結に伴い1,063億円の営業外費用を計上するとともに、 単独決算においては退職給付債務の積立不足に対応して退職給与引当金3,121億円を積み増し特別損失に計上しました。


  • [ 次期の見通し ]

     次期の生産、販売、損益等の状況を含む業績全般に関する見通し
     平成12年度の売上については、為替や米国景気の動向等懸念材料があるものの、 国内景気はゆるやかながらも引き続き上昇するものと予想され、また、なかでもIT需要は引き続き旺盛に推移するものと思われます。 この結果、情報システム物件やパソコン、移動体通信などのIT関連システム・機器が伸長するとともに、 半導体や液晶などの電子デバイスについても引き続き好調に推移するものと思われます。
     連結については、売上高が前年度比106%の6兆1,000億円で増収を見込んでいます。損益面では、 半導体事業での損益の大幅改善や、液晶やパソコン、移動体通信などが引き続き好調に推移することによる増益を見込んでおり、 営業利益で同198%の2,000億円、税引前利益で1,800億円、当期純利益で1,000億円と大幅な増益を見込んでいます。
     単独については、売上高で10%増収の3兆8,500億円、損益は経常利益で850億円、当期利益で200億円を見込んでいます。

    平成12年度の業績見通しは次の通りです。( ):前年度比

    連結の業績
      売上高 6兆1,000億円 (106%)
    営業利益 2,000億円 (198%)
    税引前利益 1,800億円 (+2,248億円)
    当期純利益 1,000億円 (+1,280億円)


    単独の業績
      売上高 3兆8,500億円 (110%)
    営業利益 1,200億円 (350%)
    経常利益 850億円 (522%)
    税引前利益 350億円 (+4,486億円)
    当期利益 200億円 (+2,645億円)



     次期の主なセグメント別の見通し
     連結セグメント別の売上高では、情報通信・システム部門は、IT投資による情報システム物件の需要増が見込まれ、 前年度比102%の1兆9,000億円で増収、デジタルメディア部門は、 パソコンや移動体通信などの需要が引き続き堅調に推移すると見込まれ、同110%の1兆6,700億円で増収、 重電システム部門は横ばいの5,700億円、電子デバイス部門は半導体全般と液晶が引き続き好調に推移すると見込まれ、 同122%の1兆8,000億円で大幅増収、家庭電器部門は、同99%の6,500億円、 その他部門は95%の4,500億円を見込んでいます。
     セグメント別の営業利益では、情報通信・社会システムとデジタルメディアが増益、重電システムが減益、 電子デバイスが大幅増益、家電機器も増益、その他については減益を見込んでいます。

      平成12年度のセグメント別の連結売上高と連結営業利益の見通しは次の通りです。
    ( ):前年度比

      売上高   営業利益
    情報通信・社会システム 1兆9,000億円 (102%) 400億円 (105%)
    デジタルメディア 1兆6,700億円 (110%) 500億円 (103%)
    重電システム 5,700億円 (100%) 80億円 ( 86%)
    電子デバイス 1兆8,000億円 (122%) 750億円 (+986億円)
    家庭電器 6,500億円 ( 99%) 80億円 (149%)
    その他 4,500億円 ( 95%) 240億円 ( 91%)
    消去 マイナス9,400億円 マイナス50億円
    全体 6兆1,000億円 (106%) 2,000億円 (198%)



     次期の利益配分に関する見通し
     次期の配当については、現時点では未定です。


     次期中に予定している重要な経営上の施策の概略
     現段階で予定されている合併・買収等の企業結合や大規模な設備投資等などの重要な経営上の施策はありません。


     次期の経営に重要な影響を与えることが予想される経済指標について
     平成12年度の通期見通しにあたっては、対米ドル平均レート100円を前提としています。





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