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Vol.24 IoTデータをビジネス価値に変える東芝アナリティクスAI「SATLYS」 AIデータ分析がもたらすデジタルトランスフォーメーション

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#02 東芝140年の「ものづくり」の知見を結集 IoTデータをビジネス価値に変える、SATLYSのテクノロジー 東芝デジタルソリューションズ株式会社 ソフトウェア&AIテクノロジーセンター ディープラーニング技術開発部 部長 古藤 晋一郎

東芝アナリティクスAI「SATLYS(サトリス)」は、東芝が長年培ってきた「ものづくり」の実績から得た知見を結集した東芝ならではの産業用AI*です。IoT*ビッグデータからさまざまなビジネス価値を創出し、デジタルトランスフォーメーションを加速します。生産性の向上、業務プロセスの効率化、そしてかつてないビジネスモデルの創出へとお客さまの変革と成長を導きます。熟練者のノウハウをデジタル化し、さらに、「匠を超越した新たな気づき」までをも導き出していく。ここでは、そんな産業用途に最適化されたSATLYSの、高度な技術的ポイントをご紹介します。

* AI:Artificial Intelligence(人工知能),IoT:Internet of Things(モノのインターネット)

産業利用を阻む、
AIのボトルネックとは

世界トップクラスのICTベンダーにも、グローバルなソフトウェア企業にも、産業用途で本当に役立つAIを生み出すことは難しい。それを可能とするのは、高度なAI技術とさまざまな現場の知見やノウハウを併せ持つ企業だけ。東芝アナリティクスAI「SATLYS」は、ものづくりの現場を140年にわたり見つめてきた東芝グループの技術と経験を形にしたAIサービスです。

現在、AIが得意とする認識や推定といった機能を活用し、産業やビジネスの現場に生かそうという動きが各方面で活発化しています。しかし、実際に運用し、ビジネスの変革につながる新しい価値を生み出すためには、現在のAIには乗り越えるべき課題が数多くあります。

例えば、即応性が求められる現場で、センサーやカメラなどから刻々と集まってくる膨大なデータを、いかに高速かつ高い精度で分析するのか。異常がまれにしか発生しない状況下で、十分な学習用データをどのようにして集めるのか。AIが推論した根拠を見つけ出し、説明することができるのか。さらに突き詰めていくと、業務ニーズも経営課題もまちまちなのに、あらゆるお客さまのお役に立てるAIが本当に実現可能なのか、といった問題もあります。

SATLYSはそれらの問いに対する解をご用意し、既存のAIの制約を克服し、産業用AIの新たな地平を開きます。識別や予測、要因推定、異常検知、故障予知からバリューチェーンの最適化、プロセスの自動制御まで。産業領域の幅広い課題に対応する新たなアナリティクスAIです。その背景にあるのは、当社が長年にわたって豊富な現場で経験し、磨き上げてきた先進の技術とノウハウです。

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先進の技術とノウハウで、
AIを産業用に最適化

古藤 晋一郎

AIはとかく、話題性のあるトピックやアルゴリズムの性能が重視されがちです。人の仕事を代替するどころか、奪ってしまう恐ろしい存在だと見られることが多いのも、表面的な性能の競争に注目が集まることも、その理由なのかもしれません。

これに対して当社では、SATLYSの開発にあたり、AIをあくまでも人をサポートする技術として再定義。ビジネスの現場で本当に使える地に足のついたAIとして、全ての性能を産業用途に最適化させることを目指しました。

その時、最大限に活用したのは、これまでものづくりやシステムイングレーションを通じて蓄えてきた多種多様な産業領域の知識。そして自社、あるいはお客さまやパートナー企業との共創によるAIの実証実験で培ってきたディープラーニングなどの先進的なテクノロジーです。当社独自のノウハウが凝縮されたSATLYSの高度な技術的ポイントをご紹介します。

(1)大規模な画像分類や数万次元を超えるビッグデータ解析
AIを産業領域で活用する場合、認識や推定の「精度とスピード」を極限まで高めることが求められます。SATLYSには、当社が数多くの実証実験を通じて、その革新性と劇的な効果を証明してきた、高速で精度の高い分析を行うディープラーニングを含むAI基盤技術を搭載しています。その代表的な例は、半導体のフラッシュメモリを生産する東芝メモリ株式会社の四日市工場です。1日に20億レコードという世界トップクラスのデータ量を扱う同工場では、1日30万枚もの走査型電子顕微鏡で撮影された欠陥検査画像を自動分類します。従来の検査画像の自動分類技術では、49%の欠陥に留まっていたものが、ディープラーニングを用いることにより、83%の欠陥の自動分類を実現しました。また、ウェハの全数検査で得られた不良データから、AIで不良原因を自動解析し、不良1件当たりの解析時間が平均6時間から2時間へと劇的に短縮されました。大規模な非構造データにも対応するビッグデータの解析能力を備えたSATLYSは、リアルタイムな判断による迅速なアクションが求められる現場で大きな力を発揮できると証明されました。
※東芝メモリ株式会社 四日市工場の事例は、#05で詳しくご紹介しています。
(2)少数の学習用データでも高精度な推論を実現
学習用データが少ない場合、推論結果の精度が著しく落ちてしまいます。このディープラーニングの特質は、産業用AIを実用化する際の大きな課題でした。そこでSATLYSでは「敵対的生成ネットワーク(GAN*)」という技術を用いて、本物と同等の学習用データを大量に自動で生成。これにより、学習用データが少ない状況でも、高い精度で推論することが可能となりました(図1)。この技術は、産業用ドローンを活用した電力インフラ向け巡視・点検システムで活用。生成した大量な学習用データを基に、送電線の画像から小さな異常箇所を見極め、点検作業の効率化に大きな力を発揮しています。
図1 敵対的生成ネットワークによる学習用データ自動生成
*GAN:Generative Adversarial Networks(敵対的生成ネットワーク)
※学習用データの自動生成については、DiGiTAL T-SOUL Vol.20 #02でご紹介しています。
(3)異常要因の可視化による直感的な説明性
AIが判断した根拠がブラックボックス化してしまうという課題に対し、SATLYSでは、どのようなプロセスで推論結果を得たのかを可視化する画期的な機能を提供。AIが何を重視し、どこに注目して判断したのかを明らかにして「AIを見える化」することで、開発者や専門家が直感的に説明できる環境をサポートします(図2)。
図2 AIによる推論結果の可視化

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経営課題に応える
プロフェッショナルサービスとして提供

SATLYSにはこの他にも、ニューラルネットワークを構成する複雑なハイパーパラメーターを自動的に調整し、最適化する当社独自の技術を搭載。さらにAIによる推論結果の精度を監視することで、精度が低下したときには自律的に推論モデルを進化させることも視野に入れながら、日々研究を重ねています。

※ネットワーク最適化技術は、DiGiTAL T-SOUL Vol.20 #04でご紹介しています。

このようにしてトータルに磨き上げたAIソリューションを、デジタルコンサルティングからシステムインテグレーション、運用サポートまで一貫して行う「プロフェッショナルサービス」として提供していきます。

東芝コミュニケーションAI「RECAIUS(リカイアス)」が多彩なメディアインテリジェンス技術を標準化し、より多くのお客さまに提供するビジネスモデルを採るのに対し、SATLYSはお客さまの多種多様な経営課題にきめ細かく丁寧にお応えできる形でお届けしていきます。これにより先進のテクノロジーを活用して、お客さまそれぞれに最適なAI環境を構築。製造業はもちろん、ビル・施設、流通・物流、社会インフラ、エネルギーなどの幅広い領域で顕在化している課題をお客さまと共に解決していきます(図3)。

図3 東芝アナリティクスAI「SATLYS」の主な適用領域

SATLYSの活用はすでに始まっています。東芝のAIで産業領域のデジタルトランスフォーメーションを加速し、新たな時代を切り開いていきます。

※この記事に掲載の、社名、部署名、役職名などは、2018年1月現在のものです。

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