東芝デジタルソリューションズ株式会社

対談

株式会社フジ・カードサービス様 × 東芝電子マネー 独自の電子マネー150万枚で単価アップを実現、来店頻度の向上につなげる
フジグループが取り組むキャッシュレス決済

 愛媛、広島を中心にチェーンストア「フジ」を約100店舗展開する株式会社フジ。地域に根差したスーパーとして地元の人に長年親しまれている。そんなフジでは以前から「エフカード」と呼ばれるポイントカードを導入していたが、2013年3月に新たに独自の電子マネー「エフカ」を導入し、POSシステムを含めたカードシステムの刷新を実施。同社が目指すキャッシュレス決済に向けた大きな第一歩を踏み出している。

 今回は、電子マネーの企画開発から運用までを手掛ける株式会社フジ・カードサービス 取締役 営業本部長 黒川 竜次氏をはじめ、カード営業部 カード企画開発課長 山下 達哉氏、同部同課 営業開発係長 森本 泰輔氏、 同部同課 エキスパート 元広 智晃氏にお話を伺った。また、今回導入を担当したインダストリアルICTソリューション社 流通・金融ソリューション事業部の坂口 裕及び営業推進部 四国営業・技術担当 主務 北村 暢志にも話を聞いている。

電子マネーを導入した経緯について

黒川 竜次 氏

株式会社フジ・カードサービス

取締役 営業本部長

黒川 竜次 氏

黒川氏 これまで、「エフカード」を累計約200万枚発行しており、登録いただている会員情報を販促施策に活かすことでお客さまに最適な提案を行うことができる仕組み作りを検討していました。しかし、登録いただいているお客さま情報が古い情報も含めて正しく登録されていない部分もあり、情報のクリーニングを実施する必要が出てきたのです。そこで検討したのが「電子マネー」でした。最近では"地域通貨"という言葉がありますが、当時からキャッシュレスというものがキーワードとしてあり、お客さまに従来のカードから切り替えていただくためのきっかけ作りとして検討したのです。

坂口氏 私自身は、2010年に最初のRPS(Real Point Server)という名称でフジさまに導入したころから携わらせていただいています。その2年後に今回の電子マネーのお話をいただきましたが、フジグループ独自で作られている電子マネーの仕組みについてはうまく展開することができたと考えています。また、フジ・カードサービスさまが他社向けにASPサービスとして展開したいというお話については、既存の仕組みとの差異を調査しながら、セキュリティやマルチテナント対応など、最適な環境の提案に多少時間がかかったのを覚えています。もちろん、ポイントシステムのSaaS化などの経験もあり、十分作り込めるという自信はありました。

電子マネーの利用促進

山下 達哉 氏

株式会社フジ・カードサービス
カード営業部

カード企画開発課長 兼 営業企画係長

山下 達哉 氏

山下氏 販促レシートの取り組みを行いました。販促レシートは、POSから精算レシートと一緒に発券されるもので、来店いただいた方に直接お渡しできる、大切なコミュニケーション手段の1つとなっています。この貴重な手段を利用して、例えばチャージするのが面倒に感じてしまい途中で利用されなくなった方などを対象に、改めて電子マネーを使っていただけるように促すといった目的にも利用しています。直近の利用状況だけでなく、過去3ヶ月、半年、13ヶ月の利用状況など利用頻度をデータから分析することで、電子マネーの利用促進に役立てています。

元広氏 実際にはご利用いただく金額の単価アップという面でも販促レシートは大きく貢献しています。チャージいただいた方に抽選でポイントをプレゼントするというキャンペーンでは、意識されているお客さまでは客単価が2倍程度にまで拡大しています。これまでさまざまな施策を実施してきており、どの施策が高い効果を生んでいるのかといった販促施策についての知見も蓄積できるようになりました。お客さま情報を活用した販促施策によって、単価アップだけでなく、来店頻度や買い上げ金額、点数など、それぞれの指標でプラスの効果が現れています。


電子マネーに対する利用者の反応

元広 智晃 氏

株式会社フジ・カードサービス
カード営業部
カード企画開発課

エキスパート

元広 智晃 氏

黒川氏 2年半前に導入した当初、全体決済における電子マネーの取り扱い構成は、初年度で3%、2年目で5%、3年目でようやく10%ぐらいにまで伸びるのではないかと仮説を立てていました。しかし、ふたを開けてみるとなんと初年度で30%規模の取り扱いにまで急拡大したのです。これは、お客さまに新しい決済機能を提案していこうという店舗側の協力が大きく貢献していると考えています。正直にいえば、初年度からここまで伸びるとは思ってもいませんでした。長年親しまれているショッピングセンターとして、地元の方との信頼関係が構築できていたことも大きな要因の1つだと考えています。

元広氏 小銭が完全になくせるというキャッシュレスの手軽さはもちろん、ポイントが約1.5倍つくという部分も、電子マネーが想定よりも普及した大きな理由だと考えています。お客さまの中にポイントをためるという理解は進んでおり、同じように現金をチャージして使うだけでポイントが大幅につくというのはお客さまにとってもまた、大変魅力的なことと思います。


電子マネーによって得られた効果

森本 泰輔 氏

株式会社フジ・カードサービス
カード営業部
カード企画開発課

営業開発係長

森本 泰輔 氏

山下氏 以前は磁気カード上で管理をしていましたが、現在は購買実績がリアルタイムに上がってくるようになっています。リアルタイムにデータが上がってくるため、別の仕組みで構築しているWebサービス上でお客さまがその履歴を即座に確認できる環境が構築できたのは大きな効果です。我々の問い合わせ対応もそうですし、お客さんからもわかりやすい仕組みということでご評価いただいています。

森本氏 お客さまごとの単価については、ポイントカードを利用しない現金のみのお客さまと電子マネーご利用のお客さまと比べて、おおよそ400円ほど単価アップに貢献しています。ご高齢の方にも使っていただけるよう、チャージという言葉ではなく「事前入金」といった言葉で表現したり、レジ係が直接やり方をお伝えしたりなど積極的に声掛けしていることもあり、多くの方にご利用いただいている状況です。また、電子マネーを多くの方にご利用いただいていることで、初年度では店舗の釣銭準備金が2割ぐらい減っていると聞いています。防犯上も効果があると考えています。


電子マネーシステムのASPサービス展開

黒川氏 今後、ますます電子マネーは生活インフラの一部として、くらしの中へ、普及浸透していくものと思います。そこで、小売業を営まれる企業様に対して、共通の電子マネーや独自の電子マネーの導入をサポートする、ASPサービスを提供できればと考えています。

山下氏 現在、ショッピングセンターを中心に営業を行っています。お客さまをいかに維持し、新規のお客さまを獲得していくのかという点については各企業様同じ課題をお持ちだと思います。電子マネーの導入を是非ご検討いただければと思います。

電子マネー導入の過程で工夫したこと

北村 暢志

株式会社東芝
インダストリアルICTソリューション社
営業推進部
四国営業・技術担当

主務

北村 暢志

山下氏 すべての店舗へ東芝テック様に現地サポートいただくことができました。本部間との連絡や調整役として奮闘いただき、大きな問題もなく無事に導入することができて感謝しています。

北村氏 私自身は電子マネー導入の後半に、プロジェクトに参加、他社企業利用向けのASPサービス構築プロジェクトで全行程対応することが出来ました。特にASP化に向けてはDBベンダとの技術的な調整などインフラ部分で苦労したことが多くあります。ASPサービスを提供しているDBベンダが少ないのも事実です。既存の仕組みと同じものではなく、機能面からも少しでも良くするという観点で要件定義を進めました。

坂口氏 先を見据えたプラットフォーム選定や構築について意識しましたね。当初はWindows 2008での実装でしたが、ASP化に向けては将来を見据えてWindows Server 2012で実装し、プラスアルファの機能を提供していけるよう提案させていただきました。また、複数のお客さまに同時にご利用いただくための仕組みをどう実装し、どのように適用させていくのか、という点は一番時間を割いて検討した部分です。

今後について

坂口 裕

株式会社東芝
インダストリアルICTソリューション社
流通・金融ソリューション事業部
流通サービスソリューション技術部
流通システム技術担当

参事

坂口 裕

黒川氏 我々が提供するシステムを通じた電子マネーが、安心・安全な決済手段としてお客さまに御利用いただけ、しっかりと普及していくこと、それを一番に願っています。店頭販売という本業から生まれた企業だからこそ、目に見えないサービスを目に見える形で、安心安全にご利用いただける環境を提供する、そういう企業でありたいと思っています。東芝さんについては、業界のトップリーダーとして新たなことに取り組んでいただき、その知見を我々にご提供いただきたいですね。

元広氏 フジの店舗の中に入っているテナントやその周辺エリアでも「エフカ」が使える店舗を増やしていきたいですね。地域全体でカードそのものの魅力を高めていくことで、いままでご利用いただけなかった方にも使っていただけるきっかけにすることができるはずです。道の駅や周辺のガソリンスタンドなど、業態の異なるところにも電子マネーが使える環境を広げていきたいです。すでに専門チームも立ち上げておりますので、電子マネーをこれまで以上に広めていく計画です。

坂口氏 私は2008年から一緒にお仕事をさせていただき、今回のASPサービスまで含めると3つめのシステムになります。フジグループ様はじめ、多くの企業様に色々な勉強をさせていただき、ノウハウが少しずつ蓄積できてきたところだと思っています。今後もフジさまに私たちのノウハウや経験をフィードバックし、事業を大きくしていくお手伝いをさせていただければと考えています。どうもありがとうございました。



COMPANY PROFILE

会社名
株式会社フジ・カードサービス
設立
2012年6月15日
代表者
代表取締役社長 煬諮ュ司
本社所在地
愛媛県松山市宮西1-2-1
事業概要
クレジット事業及び付随する事業、電子マネー事業、保険代理店事業及び付随する事業
URL
https://www.fujifca.co.jp/ 別ウィンドウで開きます
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お問い合わせ 044-331-1100 平日10:00〜17:00
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