東芝デジタルソリューションズ株式会社

お客さまインタビュー

購買業務の中核をなす見積業務の効率化と分析精度を向上
ライオンの購買業務を支える、戦略調達ソリューション「Meister SRM™」

カンパニー:ライオン株式会社×戦略調達ソリューション「Meister SRM™」
本社ビル

見積業務を効率化し購入価格精査によるコストダウンを図ることを目的に、購買見積電子決裁システムを導入。100社以上の取引先との年間2,000〜5,000件に上る包装材料、700件ほどの外注製商品の見積業務を紙ベースからシステム化し、業務の効率化と分析精度の向上や、戦略的な購買業務を可能にする基盤づくりを実現。この取り組みを支える仕組みとして、東芝の戦略調達ソリューション「Meister SRM™」が活躍している。

見積依頼とその評価業務は購買業務の中核をなしているが、取引先とのやり取りや社内の伝達・承認を紙ベースで行っていたため、作業負荷が大きかった。また、入手する見積書は、取引先ごとに異なるフォーマットであったため、統一されたデータベースの整備ができず、見積価格を評価する際の課題になっていた。
Meister SRM™により、取引先への見積依頼・回答、社内での見積評価決裁などをシステム化。また取引先ごとに異なっていた見積明細フォーマットを7種類に統一し、取引先を横断した見積価格の比較が可能となり分析精度が向上。購買データを蓄積し、バイヤーと取引先、双方の業務効率化と省力化を実現。
導入の背景

紙ベースの見積業務を見直し、業務負荷軽減とコスト精査力向上

大坪 一洋 氏

購買本部
材料部

大坪 一洋 氏

 「今日を愛する。」を企業スローガンに据えて、健康・快適・環境を事業領域として、日々の暮らしに役立つ優良な製品・サービスの提供に努めているライオン株式会社。同社は創業120年を経て、2011年にくらしとこころの価値創造企業、環境対応先進企業、挑戦・創造・学習企業を目指す経営ビジョン「Vision2020」を策定。2012年から「国内事業の質的成長」、「海外事業の量的成長」、「新しいビジネス価値の開発」、「組織学習能力の向上」の4つの戦略を推進している。

 その中で2015年から中期経営計画「V-2計画」を展開、国内事業では主にオーラルケアや薬品分野で高付加価値・市場創造型製品を確実に成長させている。また海外事業では「システマ」や「キレイキレイ」などのグローバルブランドの浸透により、成長市場であるアジアにおける事業拡大と収益向上に取り組んでいる。さらに新しいビジネス価値の開発では、通販事業の基盤強化とともに、成長するEコマース市場での事業拡大を推進。組織学習能力の向上でも、さまざまな改革を加速させている。

 こうした中、同社では収益性を高めるための取り組みを行っている。原材料などの購入を担当する購買本部では、原料や包装材などの直接材と外注製商品の購入価格の低減が利益向上につながるため、取引先と価格交渉を行っている。「購買業務の中核は取引先とのやり取りや仕入れ単価の決定などの見積依頼と評価業務です。しかし従来は、取引先ごとに異なるフォーマットでやりとりをしていたため、大きな課題になっていました」と語るのは購買本部材料部 大坪 一洋氏だ。

 「包装資材は年に2,000件から3,000件、為替や市況の変動などで多い時には5,000件ほどの見積作業を少人数のバイヤーで行っていました。一方、外注製商品は年に700件ほどの見積作業を少人数のバイヤーが担当していました。これを両方とも紙で処理していたため、単価の統一作業や紙の情報をシステムに手入力する労力とコストの負荷も大変なものでした」と大坪氏は当時の状況を振り返る。

 このような中、同社は明細化が可能な包装材料/外注製商品の見積に関する業務の効率化と、購入価格精査によるコストダウンを図るために、購買見積電子決裁システムの導入を決定したのである。

導入の経緯

業務の効率化と適切な見積評価を目指して

小林 健一 氏

統合システム部

小林 健一 氏

 システムの選定にあたっては、まずRFP(提案依頼書)作成段階で購買本部と統合システム部が一緒になって業務フローを整理し、あるべき(To Be)フローを描いた。そして、それに近いシステムはどれか協議を重ね、選定を進めていった。「要件は2つありました。1つはパッケージであること、もう1つは、見積部分だけに対応していることでした。購買業務は大きく分けると、見積と発注があります。発注業務の仕組みは、すでに社内システムとしてありましたので、今回は見積部分だけのシステムが必要でした」と統合システム部 小林 健一氏は振り返る。

 同社は、要件の適応度、課題解決の度合に応じ、コストとスケジュールを加味して各社からの提案を吟味、今回の案件を任せる企業を絞り込んでいった。そして、最終的に東芝の戦略調達ソリューション「Meister SRM™」の導入を決めた。

 選定の過程で東芝に必要なデータを渡し、それをもとに東芝は、あるべき業務フローのシナリオにもとづいたMeister SRM™のデモを実施。Meister SRM™は、クラウドサービスでも提供しているため、実際の業務に近い動きを容易にデモすることができ、購買本部のバイヤーがシステムを理解しやすかったことも大きな要因となった。

導入のポイント

使い慣れたExcelで、システムユーザのITリテラシーにも配慮

 100社ほどある主要取引先の各社は、ITスキルもさまざま。取引先と付き合っている大坪氏は、「各企業の担当者とライオンのバイヤーのITスキルを考えた時に使い慣れたExcelを使うことがベストだと考えました。Meister SRM™の画面を見せてもらいましたが、今まで使っているExcelの見積書をそのまま使うのでバイヤーも使いやすいし、取引先も見積を出す時に負担が少なくなるため一番合っていると判断しました」と説明する。小林氏も「バイヤーと取引先のITリテラシーのレベルはさまざまなので、トレーニングを考えた時に、Excelを使うことのメリットは非常に大きいと考えました。またMeister SRM™はSaaS形態のクラウド型サービスなので、取引先の方々が簡単に使い始めることができることも重要でした」と語る。

 また、システムを導入する上で最も大変だったのが、見積明細のフォーマットを集約、統一することだった。そのために取引先に出向いて、記載しやすいフォーマットにするために話し合いを行い、1年ほどかけて7種類にまとめた。また今までは市況が変化する度に、資材ごとに明細を取引先に作ってもらっていたのをライオン側で一括して変換、提供できるようにした。「価格変更の仕組みなどの業務フローはライオン固有の部分が多く、理解するのはなかなか難しいところがあります。それを東芝のプロジェクトメンバーに深く理解してもらったことで、カスタマイズ部分も含めた導入作業をスムーズに進めることができました」と大坪氏は振り返る。

導入の効果

入力画面もシンプルで、取引先の業務も省力化
高い評価を得る。

 購買見積電子決裁システムは2017年1月から稼働を開始したばかりだが、バイヤー、取引先共に業務がシンプルになったと高い評価を得ている。「何十社かの取引先からお声をきかせていただきましたが、業務の効率化や省力化ができ、大変好評です。明細への入力作業は画面もシンプルなので、1時間も使えばすぐに慣れ容易に使えるようになります。これまで取引先は取引内容を紙で保管、もしくは別のデータベースで管理していたのですが、新しいシステムでは東芝のクラウドにすべて蓄積されていきます。そのため、取引先もこれまでの経緯を踏まえた精度の高い見積業務も可能になりました。また、もし担当が代わっても過去のデータをすぐに参照することができます」と大坪氏はこのシステムの良さを強調する。

購買見積もり電子決裁システム

購買見積もり電子決裁システム イメージ図

イメージをクリックすると拡大表示します。

 また、クラウドサービスなので稼働後のメンテナンス業務の負荷が大きく削減されることもメリットだ。「当初の計画通りメンテナンスを減らすことができています。購買本部と二人三脚で進めて来たので、業務とシステムのつなぎを理解してもらうことができました。この先、困ったことなどが起きても、ユーザー部門主導で対応することができると思います」と情報システム部門の観点で小林氏は評価する。

 パッケージの導入を行う観点での評価として、「要望に合わせ、徹底的にカスタマイズしようとするとコストにはね返ってしまいます。そこで今回は、開発の初期の段階でアドオンを極力抑えることを方針に、コストダウンに寄与する部分はカスタマイズし、それ以外には手をつけずに進めました。これが出来たことも、コストダウンにつながった効果でしたね」と小林氏は振り返る。

将来の展望

購買データを蓄積、更なるコストダウンにつなげる

大坪 一洋 氏(左)、小林 健一 氏(右)

大坪 一洋 氏(左)、小林 健一 氏(右)

 すでに、同社ではMeister SRM™で作成した見積データを蓄積し、購買データベースの構築を始めている。これによって、為替変動時のシミュレーションが可能になると共に、同じフォーマットでデータが蓄積されるメリットを生かして、取引先各社の比較が容易に行える。材料ごとに適正な価格の指標を整備することで、価格の妥当性が一目で分かるようになる。

 現在、購買本部では国内事業だけでMeister SRM™を利用しているが、海外での利用も視野に入れている。「Meister SRM™はグローバル対応なので、将来的には海外で展開している関連会社にも導入し、ライオングループとしてひとつのデータベースを使うことも検討したい」と大坪氏。また、同社はBCPの観点から、危機管理情報や取引先情報を連携し、データベースをさらに充実させていくことも検討中だ。

 同社は引き続き、購買業務の中核をなす見積依頼・評価業務の効率化と分析精度を向上させ、コストダウンを図っていく。
Meister SRM™は今後も、ライオンの購買戦略の取り組みを支えていくだろう。

【関連ニュースリリース】
当社がライオン株式会社に納入した戦略調達ソリューションMeister SRMの稼動開始について
〜 バイヤー、サプライヤ双方の業務のワークフロー化と精度の高い見積業務が可能に 〜

 

この記事の内容は2017年1月に取材した内容を元に構成しています。
記事内における主な数値データ、組織名、役職などは取材時のものです。

COMPANY PROFILE

会社名
ライオン株式会社
創業
1891年10月30日
代表者
代表取締役社長 濱 逸夫
本社所在地
東京都墨田区本所1-3-7
事業概要
ハミガキ、ハブラシ、石けん、洗剤、ヘアケア・スキンケア製品、クッキング用品、薬品、海外現地会社への輸出
URL
http://www.lion.co.jp/ 別ウィンドウで開きます
今回ご紹介した導入事例に関するお問い合わせはこちら お気軽にお問い合わせください
お問い合わせ 044-331-1100 平日10:00〜17:00
ソリューションのより詳しい情報はこちらから ソリューション紹介