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CSRレポート

CSRレポート2011に対する第三者による所見

神戸大学大学院 経営学研究科教授 國部 克彦

神戸大学大学院
経営学研究科教授
國部 克彦

東日本大震災への対応

今年度の報告書の最も重大な事項は東日本大震災への対応です。発生から、報告書発行まで期間がないにもかかわらず、4頁にもわたって、詳細な説明を行っていることは、適時性の高い開示として評価できます。そのなかでも「低炭素発電技術で持続可能な社会を構築」(10頁)を震災対応の一環として説明している点は、今回の震災にあたって東芝グループの姿勢を示す記述として注目されます。今後は、これらの課題を東芝グループのCSRとしても明確に位置づけ、継続的な活動と体系的な情報開示を希望します。

ISO26000に準拠した編集

東芝グループでは昨年度からISO26000を基準にした編集方針を採用しており、今年もそれを継続しさらに発展させています。これはグローバルな基準でCSR活動を推し進めようという方針の現われであり、国際的な点からみても大変高く評価できるものです。今後は7つの中核主題の各課題について東芝グループとしてのマテリアリティ(重要性)を分析して、戦略的に取り組むことによって、世界的なCSR活動のモデルを示して頂きたいと思います。

充実したKPI

東芝グループのCSRレポートのもうひとつの重要な特徴は大変充実した主要指標(KPI)です。KPI中心のCSR情報開示は世界的な潮流ですが、東芝のKPIは日本企業としては最も優れたもののひとつといえます。今後は、定性的評価の項目についても、重要性の高いものについては、絶対数の指標や満足度のような評価指数を導入して定量化を促進していくことができれば、より一層充実したものになると考えます。近い将来には、重要指標については、アニュアルレポートでの統合的な報告も重要になってくると予想されます。

優れた環境への取り組み

東芝グループの環境対応は、これまでも国内外で非常に高く評価されてきました。今年の報告書からも、多くの環境効率指標を設定し、体系的な管理と進展を確認することができます。大震災以降の新しい社会づくりにおいて、東芝グループの環境戦略の重要性はますます高まっています。特に、エネルギー・環境技術をどのように展開していくのかについては世界が注目していますので、中長期的な視点からの戦略とそのためのオペレーションを今後も詳しく開示することを継続していただきたいと思います。

ステイクホルダー・ダイアローグの展開

東芝グループでは、さまざまなチャネルでステイクホルダーとのダイアローグを行い、その結果はCSRレポートの様々な場所で紹介されています。今後は、このような活動をさらに推し進め、CSR活動全体の方針や戦略などの大きなテーマに関しても、幅広く社会の声を聞いて、活動に生かしていくことが大切になると思います。

神戸大学大学院経営学研究科教授
國部 克彦

[略歴]
大阪市立大学大学院経営学研究科修了。博士(経営学)。2001年より現職。
2003年研究成果活用企業「環境管理会計研究所」創設。経済産業省「マテリアルフローコスト会計開発普及事業委員会」委員長、環境省「環境報告書ガイドライン検討委員会」委員等を歴任。著書に『環境経営・会計』(有斐閣)などがある。

第三者による所見を受けて

東芝グループは、震災発生直後から未曾有の被害状況に対し、原子力発電所の安定化や社会インフラなどの早期復旧のために、全力を挙げて取り組んできました。さらに、エネルギーシステムの供給メーカーとしての責任の重要性を改めて認識し、次世代に向けて再生可能エネルギーを利用した発電システムの強化を図っていきます。今後とも、グループ挙げて復興の取り組みとともに、電力の安定供給と地球温暖化防止に貢献していきます。また、それら取り組みの状況を情報開示していきます。

一方で、グローバルでのCSR経営の強化にも取り組みます。2010年度に開始した、ISO26000に基づく中長期的なKPI策定を引き続き進めるとともに、ステークホルダーの皆様との対話を深めていきます。

(株)東芝 CSR推進室


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