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東芝グループは、“かけがえのない地球環境”を、健全な状態で次世代に引き継いでいくことは、現存する人間の基本的責務」との認識に立って、東芝グループ環境ビジョンのもと、豊かな価値の創造と地球との共生を図ります。低炭素社会、循環型社会、自然共生社会を目指した環境活動により、持続可能な社会の実現に貢献します。
環境への取り組みを、経営の最重要課題の一つとして位置付け、経済と調和させた環境活動を推進します。
事業活動、製品・サービスに関わる環境側面について、生物多様性を含む環境への影響を評価し、環境負荷の低減、汚染の防止などに関する環境目的および目標を設定して、環境活動を推進します。
監査の実施や活動のレビューにより環境経営の継続的な改善を図ります。環境に関する法令、当社が同意した業界などの指針および自主基準などを遵守します。
従業員の環境意識をより高め、全員で取り組みます。グローバル企業として、東芝グループ一体となった環境活動を推進します。
地球資源の有限性を認識し、製品、事業プロセスの両面から有効な利用、活用を促進する、積極的な環境施策を展開します。
ライフサイクルを通して環境負荷の低減に寄与する環境調和型製品・サービスを提供します。
地球温暖化の防止、資源の有効活用、化学物質の管理など、設計、製造、流通、販売、廃棄などすべての事業プロセスで環境負荷低減に取り組みます。
優れた環境技術や製品の開発と提供、および地域・社会との協調連帯により、環境活動を通じて社会に貢献します。
相互理解の促進のために、積極的な情報開示とコミュニケーションを行います。
2010年6月1日改定
東芝グループは、「エコ・リーディングカンパニー」として地球と調和した人類の豊かな生活を実現していくために「環境ビジョン2050」を設定しています。地球との共生と豊かな価値の創造を「総合環境効率」として指標化し、2000年を基準として2050年までに10倍に高めることをめざしています。
その目標を達成するために「Green of Process」「Green of Product」「Green by Technology」の3つのGreenと、それを支える「Green Management」をコンセプトに、地球温暖化の防止、資源の有効活用、化学物質の管理の観点からすべての製品と事業活動において環境負荷低減に注力しています。
3つのGreenとこれらを支えるマネジメント
東芝グループでは、グループ全体で環境経営を推進しています。グローバルでは、欧州、米州、中国、アジア・オセアニアの4地域に地域総括環境部門を設置し、各地域における環境施策を推進しています。また、東芝独自の「東芝総合環境監査システム」を構築し、海外のサイト環境監査を行うローカル監査員の育成などを通じて、東芝グループにおける環境経営をグローバルに推進しています。
環境マネジメント体制図

東芝グループの事業活動は、生態系の恩恵を受けると同時にさまざまな影響を与えていることから、生態系の基盤となる生物多様性の保全を、環境経営の重要な課題と考えて「製品」「工場」「社会への貢献」を軸に取り組んでいます。2010年度から、サプライチェーンの対応についても開始しました。
東芝グループは、製品の生物多様性への影響について、1)人間の健康、2)生物多様性、3)社会資産、4)一次生産の4つの視点で総合的に評価する日本版被害算定型影響評価手法(LIME)を用いて評価しています。
UV(紫外線)を発光しないことから虫を寄せ付けにくく、生態系への撹乱を抑えることが可能です。
主機用エンジンに代えてモーターとインバータを採用することで振動を低減し、海洋生物への影響を減らしました。
東芝グループでは、社外の専門家と連携し、工場の立地環境における生物多様性ポテンシャル簡易評価を実施しました。これは、各工場が土地利用を通じて地域の生態系ネットワーク構築へいかに貢献できるかについて、事業所を中心とする半径2km圏内の緑地や水系を評価するものです。
2010年度は日本国内14ヵ所とフィリピン1ヵ所で実施し、緑地を5段階レベルで評価、生物多様性の特徴を4種類に類型化しました。2011年度は、簡易評価の結果から特徴的な3事業所を選んで、周辺地域の在来種・希少種など保護対象となる生物種の選定を行います。将来的には、地域のステークホルダーと連携した生態系ネットワークの構築をめざします。
| 景観タイプ | 台地の住宅密集地 |
|---|---|
| 特徴 | 緑地・水系ともに豊富な地域 |
| 実施事項 | 事業所内に自生するカントウタンポポの保護 |
| 景観タイプ | 埋立地の工業地帯 |
|---|---|
| 特徴 | 緑地が豊富な地域 |
| 実施事項 | ラグーンに生息するリスアカネなど希少種の保護 |
| 景観タイプ | 丘陵地の樹林地 |
|---|---|
| 特徴 | 緑地・水系ともに豊富な地域 |
| 実施事項 | オオタカなど周辺地域に生息する希少種の調査 |
ステークホルダーと連携した地域生態系ネットワーク

従業員が参加して「東芝グループ150万本の森づくり」活動を続けています。
東芝グループでは、分母を環境負荷、分子を提供する価値とする環境効率の改善度を「ファクター」と表現し、環境経営の改善指標としています。製品と事業プロセスそれぞれにかかわる環境効率を環境負荷の割合で統合し、「総合環境効率」を算出しています。
2010年度の環境効率は、製品ではデジタルプロダクツやデバイス分野を中心に価値と環境負荷の改善が進展したことで2000年度比2.44倍(目標2.2倍)に、事業プロセスでは再資源化量や景況の改善にともなう売上高の向上によって同1.55倍(目標1.2倍)と、いずれも目標を上回りました。これらを合わせた総合環境効率は、同2.26倍(目標2倍)となり、目標を達成することができました。
総合環境効率の推移

「第4次環境アクションプラン」において、製品の環境効率向上では「環境調和型製品の提供」、事業プロセスの革新では「地球温暖化の防止」「資源の有効活用」「化学物質の管理」という3つの観点から指標を設定しています。
2010年度は、製品では4項目中3項目、事業プロセスでは9項目中7項目が目標を達成。特に「エクセレントECP」は16製品を認定しました。一方、社会インフラを中心にリーマンショック以降の売上の回復が遅れており、CO2排出抑制効果が未達でした。事業プロセスでは、リサイクル関連の制度やインフラが未整備の海外拠点で廃棄物ゼロミッションの進捗が遅れていますが、前年度からは改善しています。
2011年度は「エクセレントECP」の売上拡大や海外におけるリサイクル事業者の開拓などの対策を進め、2012年度の最終目標の達成をめざします。
※ 2011年度に「環境ボランタリープラン」から名称を変更
| 製品の環境効率向上 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 指標 | 2010年度計画 | 2010年度実績 | 評価※4 | 2011年度計画 | 2012年度計画 | |
| 環境調和型製品の提供 | 環境調和型製品の売上高比率 | 60% | 70% | ![]() |
70% | 80% |
| 「エクセレントECP」の創出件数 | 15製品 | 16製品 | ![]() |
20製品 | 25製品 | |
| 製品に含まれる特定15物質※1全廃率 | 全廃 | 全廃 | ![]() |
全廃 | 全廃 | |
| 「エコプロダクツ」によるCO2抑制効果 | 630万t | 400万t | ![]() |
680万t | 730万t | |
| 事業プロセスの革新 | ||||||
| 地球温暖化の防止 | エネルギー起源CO2排出量原単位削減(対1990年)※2 | 45%削減 | 48%削減 | ![]() |
44%削減 | 47%削減 |
| 国内生産拠点 | 45%削減 | 51%削減 | ![]() |
44%削減 | 47%削減 | |
| CO2以外の温室効果ガス総排出量削減 | 36%削減 | 68%削減 | ![]() |
37%削減 | 38%削減 | |
| 国内製品物流に伴うCO2排出量原単位削減 | 40%削減 | 47%削減 | ![]() |
42%削減 | 44%削減 | |
| 化学物質管理 | 大気・水域への化学物質排出量削減 | 50%削減 | 28%削減 | ![]() |
52%削減 | 54%削減 |
| 資源の有効活用 | 廃棄物総発生量原単位削減 | 20%削減 | 32%削減 | ![]() |
22%削減 | 24%削減 |
| 廃棄物ゼロエミッション※3達成拠点 | 100% | 71% | ![]() |
100% | 100% | |
| 使用済製品再資源化量拡大(対2001年) | 160%拡大 | 283%拡大 | ![]() |
170%拡大 | 180%拡大 | |
| 水受入量生産高原単位削減 | 9%削減 | 29%削減 | ![]() |
9.5%削減 | 10%削減 | |
製品: エクセレントECP/ECPの創出目標と実績の推移

事業プロセス: エネルギー起源CO2排出量と原単位の推移

事業プロセス: 廃棄物総発生量の推移

事業プロセス: 削減対象化学物質の排出量の推移

需要の高まりに応じて生産量を増やせば、エネルギーや資源の消費量も増大します。これをいかに抑制するかが、メーカーの大きなテーマです。
国内外の工場でさまざまな製品を生産している東芝グループは「地球温暖化の防止」「資源の有効活用」「化学物質の管理」という3つの視点で環境負荷の低減に注力。生産量が増えても環境負荷の増大を最小限に抑える努力を続けています。特に地球温暖化の防止については、グループの温室効果ガス総排出量の約半分を占める半導体工場を中心に取り組み、「2020年に温室効果ガスの総排出量を1990年比で25%削減する」という日本の目標に貢献していきます。
資源の有効活用については、廃棄物の発生抑制と再資源化によってゼロエミッション工場100%をめざしています。
化学物質の管理については、削減対象物質の排出量を削減するために使用物質の代替化や廃止を進めています。
Green of Processの3つの視点

東芝グループの温室効果ガス排出量は、ガス絶縁変圧器のSF6(六フッ化硫黄)を削減し、半導体工場でCO2以外の温室効果ガスの除去装置を順次設置した結果、2000年度に1990年度比でほぼ半減しました。2001年度以降は、半導体工場の新棟建設や増産によって排出量は増加し、生産高が最高水準だった2007年度がピークとなっています。今後の排出量は、生産量の回復とともに再び増加傾向になる見込みですが、省エネ策を徹底して増加を最小限に抑える計画です。一方、東日本大震災の影響で電力CO2排出係数の悪化が予想されます。そこで、震災影響の動向や政府のエネルギー政策などを見極めながら、中長期的な排出量削減計画を精査していく予定です。
ポーランドにある東芝テレビ中欧社は、欧州向け液晶テレビの一大生産拠点です。ポーランド政府は再生可能エネルギーへの転換を進めており、その割合を2020年度に15%、2030年度に20%にすることを目標にしています。
これを受けて同社は2011年1月に、年間約300万kWhの購入電力をすべて水力発電所から供給される再生可能エネルギーに切り替えました。


再生可能エネルギーを大切に使うよう省エネ活動を進めています。また、冷暖房などで使うガスも使用状況を分析しながらCO2の発生を抑えていきます。これら活動を社内外で積極的に紹介し、地域に根ざした工場をめざしています。
東芝テレビ中欧社 総務部 環境担当 Karolina Konczynska さん
新興国や途上国では今後、社会インフラ需要の高まりや家電製品などの普及にともなって電力や資源の消費増大が予測されます。便利で快適な暮らしと環境負荷低減を両立させていくために、東芝グループは開発するすべての製品で「環境性能No.1」をめざしています。
環境調和型製品(ECP)の開発は、次のような手順で進めています。2010年度は環境性能No.1製品が拡充し、「エクセレントECP」を16製品提供することができました。

2010年は、東芝が世界に初めてノートパソコンを世の中に送り出してから25年の節目にあたります。この長年の技術蓄積をベースに、新たな発想を取り込み、最先端の機能を普及価格で実現した環境配慮型ノートパソコン「dynabookR730」を商品化しました。
「R730」は前モデルの「RX2」に比べて、より大きな液晶と高速CPUを搭載した高性能ノートパソコンです。13.3型ワイド液晶と光学ドライブを搭載するノートパソコンとしては世界最軽量の約1.27kg※1を実現しました。また、LEDバックライト液晶の採用や、細やかな電力制御によって優れた省エネ設計となっています。
米国モデルである「Portégé®R830」は米国環境保護局の製品環境評価プログラムEPEAT※2で最高評価の“GOLD”を取得しました。

※1 R730/39A。光学ドライブ搭載の13.3型ワイド液晶搭載機で一般に市販されているコンシューマー向けノートPCとして。バッテリーパック61AA装着時(2010年10月、当社調べ)
※2 Electronic Product Environmental Assessment Tool

Portégé®R830(日本モデル: dynabook R730)は、軽量でバッテリー寿命が長いという環境性能が米国でも特に評価されています。信頼を得るためには、お客様の意見を適切に反映するお客視点でのモノづくりが大切です。「Portégé®R830」はその成果の一つです。
東芝アメリカ情報システム社 チャネルマーケティングディレクター/環境担当 Mona Pal さん
発電・電力流通を含めたエネルギー分野全体で、地球温暖化防止への動きが活発化しています。東芝グループは、これまで蓄積した技術力を活かして、エネルギーのベストミックスによる電力の安定供給と地球温暖化防止に貢献していきます。特に次世代の電力網として注目されるスマートグリッドについては、その実現に向けた研究棟を開設して実証実験を推進。上下水道や交通システムをも含めた「スマートコミュニティ」の実現をめざしていきます。
スマートグリッドは、太陽光発電や風力発電など複数の分散電源と蓄電池、住宅・工場・ビルなど電力を使用する場所(需要端)とを電力と通信のネットワークで結ぶエネルギー供給システムです。通信技術を利用して、各所での電力需要と発電の双方を把握・予測しながら、需要に応じて最適な電源から電力を供給します。
このスマートグリッドの実現によって、自然エネルギーの有効利用と電力の安定供給が可能になります。また需要側でも、電力消費の状況を「見える化」することで、省エネルギー、さらにはCO2削減につながる効率的なエネルギー利用が期待できます。

電力会社と機器メーカーの双方でスマートグリッド関連の技術・製品開発が進められるなか、東芝は2010年11月、スマートグリッドの実証実験を行う研究棟を府中事業所に開設しました。
研究棟の大きな特長は、電力の供給側と需要側、両方の実験設備があることです。複数の電源と配電網、300戸相当の住宅街、さらに個別のビルや家庭の内部をそれぞれ模した設備をつないでの実証実験が可能。自然エネルギー電源の発電量や、家庭・ビルなどでの電力消費量を変動させ、さまざまな条件下で、スマートグリッドの鍵となる制御装置「エネルギー・マネジメント・システム(EMS)」を働かせてみることができます。
東芝では国内外の電力会社やハウスメーカーなどとともに、複数の実証プロジェクトを進めています。
実験の状況はリアルタイムに棟内のモニターに表示。配電網と複数の地区を結んだ実験では、地区ごとの電力使用量に応じた供給量制御の様子を確認できます
家庭内で実際に使用される家電機器を稼働させての評価が可能。機器ごとの電力消費や太陽光発電の状況をリアルタイムで確認し、電力の効率的な利用法を実証できます

電力の最適な需給バランスを図るスマートグリッド技術。東芝はEMS関連製品や蓄電池の提供をはじめ、供給と利用の両方をカバーする総合的なエネルギーソリューションをめざします。
(株)東芝 電力・社会システム技術開発センター 電力ソリューション・配電システム開発部 部長 栗山 透さん
開かれた環境経営をめざして、東芝グループでは情報発信を基本に、ステークホルダーの皆様と積極的なコミュニケーションを図り、理解や連携を深めています。
世界各地で開催される展示会に積極的に出展しています。
2010年度は日本をはじめアジア・欧州・米州で出展し、東芝グループの環境への取り組みを広く訴求しました。また、20回目を迎えた「東芝グループ環境展」には約4,500人の方々にご来場いただきました。
第7回エコプロダクツ国際展(インド)
第20回東芝グループ環境展
| 開催時期 | 展示会名 |
|---|---|
| 2011年 2月 | 第7回エコプロダクツ国際展(インド) |
| 2011年 1月 | 第20回東芝グループ環境展(東京都・東芝本社ビル) |
| 2011年 1月 | 2011インターナショナルCES(アメリカ) |
| 2010年12月 | エコプロダクツ2010(東京都) |
| 2010年10月 | 生物多様性交流フェア(愛知県) |
| 2010年 9月 | IFA/ベルリン国際コンシューマエレクトロニクス展(ドイツ) |
工場やオフィス近隣のコミュニティ、学校、お客様、企業、学生など、幅広いステークホルダーの皆様に東芝グループの活動を知っていただき、ともに環境問題を考えていくためのコミュニケーション活動を推進しています。
米州: アースデイにニューヨークで東芝ブースを展示
中国: 河南省で環境先進企業として表彰
欧州: 欧州で初めてソーラーパネルを利用した看板をパリに設置
アジア: インドでのソーラーランタン提供プロジェクトに参加
日本: 東芝地球未来会議2010を開催
東芝グループは、環境情報を開示する年次報告書を1998年度から毎年発行しています。「環境レポート2010」は、第14回環境コミュニケーション大賞などで受賞しました。
また、環境活動ホームページや「ecoスタイルサイト」などで、タイムリーに情報を発信しています。