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[ハイライト2006]世界中へ安心、安全なノートパソコンを提供する 中国で調達先と共に有害物資を削減

CSRレポート2006に掲載

注)情報・役職等は2006年6月時点のものです

欧州の環境規制RoHS指令(注1)対応は、至上命題

主として中国で生産し、世界の各地域で販売しているノートパソコン。東芝の事業の中でグローバルに展開する主力事業の一つであり、2006年7月に施行される欧州の環境規制RoHS指令への対応は至上命題である。また、部品に有害物質を使用しないという規制のため、調達先の協力なくしては、達成することができない問題でもある。

東芝グループでは、RoHS対応などグリーン調達に加え、法令遵守、児童労働や差別の禁止、安全で清潔な作業環境の実現などCSRの要請を記載した「東芝グループ調達方針」を定め、国内外の調達取引先にその実行を要請している。

ノートパソコンの具体的事例で、調達先とともに推進するCSR活動の取り組みを紹介する。

注1)
RoHS指令:特定有害物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、特定臭素系難燃剤=PBB、PBDEの6物質)を含む電気・電子機器製品についてEU域内での使用を2006年7月から禁止する規制。同種の規制は世界的に広まりつつある。

水ももらさぬ仕組みの構築

中国・杭州経済技術開発区で2003年4月に操業を開始した東芝情報機器杭州社(以下、TIH)は、東芝の高機能ノートパソコン(注2)の生産拠点だ。主に日本・欧米向けの製品を製造し、2005年12月には累計生産台数が300万台を超えた。

「TIHは設立当初より日本と同レベルの環境設備を整えるとともに、操業開始2ヵ月目にISO14001認証を取得し、環境保全を経営の最重要課題と位置づけ事業活動に取り組んでいます。環境問題に関心が高まる中国では先進モデル的存在であり、各地から多くの方が視察に訪れます」と語るのは、2005年3月から社長を務める二木一平。

「2006年1月からは、有害物質6種の使用を禁止するRoHS指令の7月の施行に先駆けて、規制に対応したパソコンのみを生産しています。水ももらさぬ体制を構築するために、1年半以上の時間をかけました。」

2004年4月に開設した設計センターの充実も図り、データベース上のチェックだけではなく、部品を定期的に抜き取り、検査を行えるように蛍光X線による測定器を導入。有害物質の混入を調べるために、部品によっては解体・粉砕しての元素測定検査を実施している。

注2)
高機能ノートパソコン:東芝のノートパソコンのなかでも、他社との差異化やグローバル展開を意識し、新たな価値の提供を目的として開発されたQosmio、dynabookなどの先端機種。
TIHで製造している世界初HD DVDROM搭載AVノートパソコンの写真

TIHで製造している世界初HD DVDROM搭載AVノートパソコン

調達先の協力が不可欠

1台のノートパソコンには、本体のプラスチック、電子回路、ケーブルをはじめ小さなネジに至るまで、千を超える数の部品が使われている。そのすべてから規制有害物質を排除しなければならない。まずは開発・設計を行う日本の青梅工場から有害物質を含まない部品が指定され、それに従って部品を調達している。

TIHでは2005年5月に中国内外の約100社の調達先を集め、RoHS指令の概要説明と、規格遵守を条件に調達を行うという東芝の方針説明を行った。

それに対して、調達先の一つであるALPS無錫工場(無錫阿爾卑斯電子有限公司)は対応が迅速だった。90年代からグリーン調達を先行していた客先メーカーからの要請に対応し、有害物質を排除するとともに原材料のデータベース化を進め、すべての規制を網羅する独自のグリーン調達基準を構築し、随時改訂しながら製造しているからである。

しかし、すべての部品メーカーがこのように先行的だったわけではない。「TIHの購入部品は、中国産品が約4割です。日系メーカーだけでなく、中国メーカー、他国に本社を持つメーカーもあるので、規制への対応の理解にも差があります。一つひとつのメーカーに説明し、理解してもらい、確実を期すため契約書を結んでいくのは根気のいる仕事でした」と資材調達部長の行徳勝広は言う。

李俊波(左)の写真

TIHの設計センターが、現場でのRoHS指令の規制有害物質検査を担う。

部品認定技術課長 李俊波(左)

劉燕(左)、范九の写真

RoHS指令の対応に伴なって、部品管理の流れも再構築した。

資材企画管理課長 劉燕(左)

品質保証課長 范九

崔桂英の写真

部品を小分けしたパッケージにも必ずバーコードをつけて管理している。

プリント基板製造課

ラインリーダー 崔桂英


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すべての部品をバーコードで管理

今回のRoHS指令への対応の一環として、材料構成と履歴情報のデータベースも構築した。

TIHでは、青梅工場の設計部門と連携してデータベースを整備するのと並行し、2005年9月には調達先に対して2回目の説明会を開き、材料構成とロットナンバーのバーコードラベル化を要請。それらの情報を納入時に読み取ってデータベースに追加することで、万が一問題が起きたときには即時に製品出荷情報を追求し、対処できる仕組みができあがった。

その一方で、工場現場での部品の受け取りから製造ラインへの供給においても細心の注意を払っている。例えば、ネジなどは何万個というロット(単位)で納入される。包装につけられたバーコードから部品情報を読み取り、製造ラインに送る前に袋分けする。その時に小分けした袋にもバーコードラベルを新たに貼り付けることで、部品と情報を正確に整合させる流れを作ったのだ。

「パソコンは毎月モデル数で約20、対応言語で約26、トータルで約1,400種という多品種少量を生産しています。ですから部品のロットナンバー抜けなどの混乱を避けるために、部品の種類分けや受け渡しの流れを熟考し、棚や人員の配置を決めました。また、現場での教育・指導も徹底して行っています」とプリント基板製造課長の劉小軍は説明する。

誠実なものづくりの姿勢で中国社会に貢献

杭州市はもともと風光明媚な西湖の観光を基盤に発達した都市だが、昨今では活発な経済活動で世界から注目されている。

「杭州はもとより調達先やメーカーが多く集まる上海、昆山、無錫、蘇州などを含む“華東エリア”は、世界のノートパソコンの約8割を生産する地域です。今後拡大する中国市場での展開においても、東芝が杭州をワールドワイドな生産供給拠点とする意味は大きい」と二木は語る。

「今回のRoHS指令対応は、東芝が従来企業活動の基本としているQCDS(品質・価格・納期・サービス)向上の取り組みの一環であり、めざすのは、世界一のノートパソコン工場です」と二木をはじめTIHの挑戦は始まったばかりだ。

調達先での取り組み

中国にあるALPSの6工場の一つである無錫工場は1995年設立、従業員約7,500人の大規模な工場。産業機器やマルチメディア機器などの部品を製造。独自のグリーン調達基準を構築し、RoHSに対応する。品質基本方針は「ルールを守り、お客様に迷惑をかけない」。TIHにはスイッチ、コネクターなどを納入している。

曹さんの写真

「内部監査や教育に力を入れて、環境保全対応をさらに充実させていきます」

無錫阿爾卑斯電子有限公司 曹さん


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