
太陽光や風力は環境負荷の低い電力エネルギー供給源(電源)として世界で注目され、日本においても、政府は2020年までに太陽光発電を2005年の約20倍に増やすという目標を掲げて普及を促進しています。これら自然エネルギーを有効利用するための鍵を握るのが、次世代電力網「スマートグリッド」です。
東芝グループは、電力系統への連携技術やシステムエンジニアリング技術を活かして、スマートグリッドの実現に貢献していきます。
スマートグリッドは、太陽光発電や風力発電など複数の分散型電源と、家庭・工場・ビルなど電力を使用する場所(需要端)とを電力と通信のネットワークで結び、電力の需要と供給のバランスを制御するエネルギー管理システムです。通信技術を利用して、各所での電力需要と発電・蓄電の状況の双方を把握・予測しながら、需要に応じて最適な電源から電力を供給することで、自然エネルギーを有効利用できます。また電力の安定供給やCO2排出抑制にも効果が期待されています。
今後の電力系統では、火力発電所や原子力発電所など従来の基幹系電源に加えて、大量に分散配置される太陽光発電や風力発電など自然エネルギー発電を組み合わせて利用されます。
天候などに左右される自然エネルギーが大量に導入されても、地域内で電力を安定運用する必要があるため、その地域の発電・供給の状況を監視・制御することが重要になります。この監視・制御を司るのが、東芝が開発を進めている「μEMS(マイクロ・エネルギー・マネジメント・システム)」です。
μEMSは、スマートグリッドの頭脳にあたるコア技術であり、電力会社と協調してグリッド内の需給調整機能を果たします。各電源からの供給状況と同時に、グリッド内での電力消費の状況や供給不足に陥っている箇所がないかを監視し、需要に応じ最適な運用を実現するという仕組みです。
東芝は、この仕組みにおいて電力消費の状況を計測・監視するシステムも開発しています。それが「スマートメータ」と「メータデータ管理システム:MDMS(メータ・データ・マネジメント・システム)」です。スマートメータは、家庭やオフィス、工場など個々の需要端に設置され、それぞれの電力消費量を計測。計測データは通信ネットワークを介して一定間隔でMDMSに集約されます。
また、スマートメータの計測データは「ホームディスプレイ」を使って需要端でも見ることができます。電力消費量のほか、屋根などに設置した太陽光発電パネルの発電量や買電量、CO2排出量などが表示されることから、家庭などで省エネ意識を高めるためにも有効です。
東芝は、マイクログリッドおよびスマートグリッド技術で制御する電力量としては、国内最大規模である宮古島系統実証試験設備を2010年1月に沖縄電力(株)様から一括受注しました。
今後、太陽光発電システムや二次電池「SCiB™」、ビルエネルギー管理システム、LED照明システムなど、省エネ製品・システムと組み合わせて環境に配慮した総合エネルギーシステムを提供していきます。

- スマートメータは、個々の住宅やオフィスに設置され、電力使用量を自動測定します。測定データはホームディスプレイに表示されるとともに、一定間隔でMDMSに送信されます。

- MDMSは、住宅やオフィスから送られてくる検針データを基に、現在の電力使用状況を管理します。

- μEMSは、地域の電力の供給状況と、各家庭・オフィス・工場などの各需要家の電力使用状況とを監視・制御し、電力供給の品質を維持します。
太陽光発電システムの構成例

太陽光発電や風力発電など、自然エネルギーを利用した発電は、天候などの状況によって発電量が大きく変動します。
太陽光パネルでつくられる直流の電気を交流の電気に変換する機器がパワーコンディショナです。東芝グループのパワーコンディショナは、業界トップ水準の高い変換効率で、エネルギーロスを低く抑えることができます。
また天候の変化による太陽光発電の出力変動を抑制したり、太陽光で発電した電気を蓄電しておき、受電電力のピークを抑える役割を果たすのが二次電池です。
東芝は安全性に優れ、長寿命、急速充電という特長を持つ二次電池「SCiB™」を開発、製品化しています。拡大する需要に対応するため、2011年春の量産をめざし、2010年3月に新潟県柏崎市で新工場の建設を開始しました。
東芝グループは、これら製品群と、電力系統への連系技術やシステムエンジニアリング技術を活かして、太陽光発電の普及とスマートグリッドの安定稼働に貢献していきます。
東芝グループは、スマートグリッドをさらに発展させ、水・ガス・通信・交通までトータルに環境に配慮した「スマートコミュニティ」の創出をめざしています。その実現に向けて、スマートグリッドや、スマートファシリティを構成するシステムや機器、そしてそれらを統合するソリューションを提供していきます。

- ※1 Power Conditioning System(パワー コンディショニング システム)
- ※2 Building Energy Management System(ビル エネルギー マネージメントシステム)
- ※3 Factory Energy Management System(ファクトリー エネルギー マネージメントシステム)
- ※4 Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネージメントシステム)
発電時にCO2を排出しないクリーンな再生可能エネルギーとして、世界各地で太陽光発電が拡大しています。東芝は2009年度に中部電力(株)様から発電出力7.5メガワット、東京電力(株)様から約7メガワットのメガソーラープラントを受注。沖縄電力(株)様からも宮古島系統実証試験設備の太陽光発電部分を一括受注しました。
2010年度からは住宅用太陽光発電システムにも事業参入し、発電システムの販売を開始しました。原子力発電の推進や火力発電の高効率化に加えて、自然エネルギーの活用という面からも地球温暖化防止に貢献していきます。

中部電力(株)様「メガソーラーたけとよ」完成イメージ(2009年8月受注)

東京電力(株)様「(仮称)浮島太陽光発電所」完成イメージ(2009年11月受注)

















