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CSR 企業の社会的責任
人と、地球の、明日のために。

アメリカとカナダの子どもたちを
対象とした科学技術コンテスト

アメリカとカナダの幼稚園から12年生(高校3年)までの生徒を対象とした科学技術コンテスト「エクスプロラビジョン・アウォード(EVA)」を、1992年より全米科学教師協会(NSTA)との協働で実施しています。

受賞した子どもたちの写真受賞した子どもたち

EVAは、現在の科学技術をもとに20年後に実現可能な技術を予測する、夢のある科学技術コンテストです。北米における日本企業の科学教育支援活動として非常に長い歴史を持ち、今年で25回(25周年)を迎え、これまでに約38万8千人もの子どもたちが参加しています。2017年は4,939チーム、15,243人の子どもたちがコンテストに応募しました。

「人間の体内エネルギーを利用することで動き続ける夢の心臓ペースメーカー」、「急増する電子部品のごみ問題を解決する魔法の錠剤」など、大人の発想を超える豊かな感性溢れる数多くのアイデアが毎年生まれています。

エクスプロラビジョン・アウォード(EVA) 紹介ビデオ<英語のみ>

※vimeoのサイトへ移動します

エクスプロラビジョン・アウォード(EVA)(英語ページ)

※ExploraVisionのサイトへ移動します

スケジュール

子どもたちは教師とチームをつくり、9月からエントリー開始。テーマ毎に現在の科学技術を検証して、それをベースに20年後に実現したい技術を提案します。
その後の審査を経て、3月に地域優勝24チームが選ばれます。地域優勝チームはウェブサイトを作成し、自分たちのプロジェクトがその中でうまく説明できているかの審査を経て、4月に全国優勝4チームと準優勝4チームが選ばれ、6月にワシントンDCにて開催される表彰イベント(EVA Weekend)に教師、家族と共に招待されます。

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表彰イベント

表彰式の前日に、各チームは地元選出の上下院議員を議員事務所に訪問し、受賞の報告を行ないます。

表彰イベントの写真
バラク・オバマ議員(2006年当時)

表彰イベントの写真
アーノルド・シュワルツネッガー知事
(2007年当時)

表彰イベントの写真
ヒラリー・クリントン議員(2003年当時)

表彰式の朝に、各チーム地元のテレビ局からの取材を受け、生放送で朝のニュース番組に出演します。
VIPやメディアに自分たちのプロジェクトを説明します。
アメリカとカナダの政治家や著名人から、お祝いのお手紙やビデオをいただきます。
表彰記念パーティで、参加VIPから祝福されます。

ニューヨーク州のチームの写真
過去のEVA受賞者で元宇宙飛行士のメルヴィン氏と一緒に地元のテレビ番組(Satellite Media Tour)に出演したニューヨーク州のチーム

小4〜小6の部で準優勝したフロリダ州のチームの写真
自分たちのプロジェクトを説明する小4〜小6の部で準優勝したフロリダ州のチーム

表彰式で表彰される中1〜3年の部で優勝したイリノイ州のチームの写真
表彰式で表彰される中1〜3年の部で優勝したイリノイ州のチーム

トピックス

2017年は表彰式の開催日(6月9日)にワシントンDC市長から感謝状をいただきました。

トピックスの写真
ワシントンDC市長からの感謝状

過去のEVA受賞者たちの写真
過去のEVA受賞者たち

25周年を記念して、過去にEVAを受賞した825人の中から、現在、各分野で活躍する社会人や大学院生など各年を代表する25人をご招待して朝食会を開催しました。25人の参加者からは、EVAがその後の人生に与えた影響や各々が達成した業績についてお話を伺うとともに、2017年のEVA受賞者との交流を深めていただきました。

朝食会に参加した過去のEVA受賞者のコメント

マリーエレン・スンさんの写真

マリーエレン・スンさん (女医、1993年受賞者)
「ExploraVisionは様々な材料や研究室などを持たない学生達でも参加でき、アイデアが重要視されるため、科学を基本とした大きな夢やアイデアで競うことができるすばらしいコンテストです。私の小学2年生の娘も応募していて、次のExploraVision世代が始まっています。」

ステイトン・ピアシーさんの写真

ステイトン・ピアシーさん (起業家、1995年受賞者)
「私はExploraVisionで学んだことを活かしてプロダクト・ブランディングに関するコンサルティング会社を起業しました。EVAを受賞した時、様々な人に自分のチームのアイデアを伝える重要さを痛感したので、アイデアやプロダクトをどのように理解してもらうかなどを意識してコミュニケーションしています。」

アイザック・エライアスさんの写真

アイザック・エライアスさん (医師、1996-1998年受賞者)
「ExploraVisionを通じてチームワークの重要さを学びました。アイデア発案者、そのアイデアを文章や絵にする作文家・デザイナー、そのアイデアを様々な人に伝えるコミュニケーター、そして、ビデオやウェブサイトでマーケティングを行う担当者が必要とされます。これらは、東芝のようなものづくりの企業で必要とされるプロセス・スキルです。」

アナンド・サルワテさんの写真

アナンド・サルワテさん (ルトガー大学コンピューター科学教授、1998年受賞者)
「ExploraVisionを通じて、チームワーク・コミュニケーションの重要性を学びました。現在、教授として様々なスキルを持ったチームを動かす際、学会や学生達にアイデアを伝える際などの場面で、ExploraVisionで学んだスキルを活用しています。」

マリーナ・アダムスさんの写真

マリーナ・アダムスさん (マーケティング担当者、2006年受賞者)
「女子4人のExploraVisionチームで、全国優勝を果たした際、当時ニューヨーク州の上院議員であったヒラリー・クリントン議員から、「将来、女性のSTEM*進出が非常に必要とされているから益々頑張ってほしい。」と言われ、理系女子の重要さを再認識するとともに、感銘を受けたのを覚えています。」
*Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の教育分野の総称

ジェイムス・サヴォルデリさんの写真

ジェイムス・サヴォルデリさん (スタンフォード大学エンジニアリング専攻、2011年受賞者)
「2011年に全国優勝を果たしてから4年かかりましたが、受賞時のアイデアで特許を取得することができました。今年の夏は、当時の受賞チームでその特許をどのように活かすか討議する予定です。ExploraVisionは、僕の中でまだ続いているプロジェクトです。」

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2017年の受賞校

1st Place Winner(優勝)

GRADES K1-3(幼稚園〜小学校3年生)の部

Bayville Intermediate - Bayville, NY (ニューヨーク州)の写真

・テーマ:Float Tees (浮揚Tシャツ)
・学校名:Bayville Intermediate - Bayville, NY (ニューヨーク州)
5歳以下の子どもが事故で死亡する主な原因の溺死は、プールで多発します。溺死の防止には、水泳のレッスンを受ける、プールをフェンスで囲う、浮き輪や救命胴衣を着用するなどがありますが、救命胴衣は分厚く着心地が悪いため子どもたちは着たがりませんし、旅行や海水浴に持っていくには大きくて荷物になるものが多くあります。Float Tees(浮揚Tシャツ)は、水に浮く浮力のある糸を着心地の良いTシャツに織り込めるようにしました。浮力のある糸はスマートテキスタイル技術を導入してプランクトンを組み込み、プランクトンが光合成を行うために水面に浮いてくる習性を利用しています。

GRADES K4-6(小学校4〜6年生)の部

Bayville Intermediate - Bayville, NY (ニューヨーク州)の写真

・テーマ:RCBs: Robotic Cleaning Bivalves(清掃貝ロボット)
・学校名:Bayville Intermediate - Bayville, NY (ニューヨーク州)
発がん性の薬物を含むPCB(ポリ塩化ビフェニル)は川岸や海底に溜まるため、海底の蓄積物を汲み上げ清掃しています。実際の海底蓄積物の汲み上げ作業では、PCBから出る汚染物質が含まれた水の10%が川や海に戻され水質汚染が進んでいます。そこで、貝類が清掃に使われている例から、生物模倣(バイオミメティックス)を活用してPCBなどの蓄積物を取り除く清掃貝ロボットを考えました。蛤やムール貝、牡蠣をモデルにした貝ロボットRCBsは、川底に沈められ、PCBを含む蓄積物を取り除いた後、水面に浮上します。清掃貝ロボットによる自然にやさしい処理方法は、ハドソン川などPCB汚染がある川や海で活用できます。

GRADES K7-9 (中学校1〜3年生)の部

Next Generation School - Champaign, IL(イリノイ州)の写真

・テーマ:BioKT: The Wearable Kinetic and Thermoelectric Energy Harvester(BioKT: 動力と体熱から環境発電するウェアラブルデバイス)
・学校名:Next Generation School - Champaign, IL(イリノイ州)
BioKT(動力と体熱から環境発電するウェアラブルデバイス)は、人間の動力(キネティクス)と体熱から発電して携帯電話などを充電するウェアラブルデバイスです。現代では携帯電話は手放すことのできない生活必需品となり充電機会が増えていますが、環境に優しい方法で充電することが大切です。BioKTでは、人が動くことで発生する動力を磁歪現象(magnetostrictive)でエネルギーに変換するとともに、体熱を超格子構造を持つ半導体で構成されるシステムでエネルギーに変換し、耐久性・柔軟性・携帯性のあるカーボンナノチューブとアルミニウム電池に充電します。BioKTは数ミリの薄さなので、時計のストラップ部分などに搭載でき、日常の活動と体熱で「いつでも・どこでも」充電できます。

GRADES K10-12 (高校1〜3年生)の部

West Salem High School - Salem, OR(オレゴン州)の写真

・テーマ:qSafe: Power Cell of the Future(qSafe: 安全性の高い将来の充電器)
・学校名:West Salem High School - Salem, OR(オレゴン州)
qSafeは安全性が高く充電効率の良い将来の充電器です。近年、リチウム電池が爆発するなどの事故が多発して安全性が問われています。リチウム電池の爆発は電池内のリチウム結晶が大きくなり回路がショートして発生しますが、qSafeは表面弾性波のシステムを導入して危険なリチウムの結晶成長を防ぎ、ショートや爆発を防止します。また、qSafeは黄鉄鉱量子ナノ粒子を基にした材料を使うことで、効率の良い充電を可能にします。リチウム電池に使われているコバルトは発掘労働者の安全性など倫理的な問題があると考えられますが、qSafeは量子ナノ材料などを使っているため問題がありません。qSafeは安全で高効率なバッテリー技術への飛躍的進歩を可能にします。

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2nd Place Winner(準優勝)

GRADES K1-3 (幼稚園1〜小学校3年生)の部

Nathanael Greene Elementary School - Stanardsville, VA(バージニア州)の写真

・テーマ:The Aller Watch(アレルギー・チェッカー)
・学校名:Nathanael Greene Elementary School - Stanardsville, VA(バージニア州)
現在、約1,500万人(13人に1人)のアメリカ人が食物アレルギーを持っているといわれていますが、どの食物にアレルギー反応を起こすか知らない人が多く、また薬品や診療、食物アレルギーを防ぐ技術の開発に年間約2,500万ドルもの費用が費やされています。The Aller Watch(アレルギー・チェッカー)は腕に着用するだけで簡単にアレルギーテストができて、アレルギー反応を起こす可能性がある食物の場合はアラームが鳴って警告します。The Aller Watch(アレルギー・チェッカー)はアレルギーチェックの機能だけでなく、時間や日付を表示したり、ゲームの機能を搭載しているので、普段から身に着けやすくなっています。

GRADES K4-6 (小学校4〜6年生)の部

Pine View Elementary - Land O'Lakes, FL(フロリダ州)の写真

・テーマ:The Coral Reef MGS: The Coral Reef Monitored Growth Sanctuary(珊瑚礁保護サンクチュアリー)
・学校名:Pine View Elementary - Land O'Lakes, FL(フロリダ州)
海洋生物の約25%が生息場所としている珊瑚礁は海底面積の2%以下しかありませんが、水温上昇と海水の酸性化により減少が続いています。The Coral Reef MGS: The Coral Reef Monitored Growth Sanctuary(珊瑚礁保護サンクチュアリー)は、海洋学者に珊瑚礁の漂白度、海水温度、酸性度などの情報を常時提供して、珊瑚礁の成長を助けます。電化されたグラフェンを搭載した成長基盤、太陽光・水力発電機、海水観察ステーションの3つで構成されていて、成長基盤のグラフェンは微弱電流を生み炭酸カルシウムを析出させることで珊瑚礁の早期成長と強化を促します。この動作に使う電力は太陽光と水力といった環境に優しい方法で供給されています。海水観察ステーションは水温・酸性度・珊瑚礁の成長度をモニターできるので、海洋学者は珊瑚礁漂白の発生に即座に対応でき、世界の珊瑚礁を救うことができます。

GRADES K7-9 (中学校1〜3年生)の部

Commack High School - Commack, NY(ニューヨーク州)の写真

・テーマ:Scat Scan: The Future of Microbiome Analysis
(スキャットスキャン: 未来のマイクロバイオーム(腸管内微生物・菌)分析)
・学校名:Commack High School - Commack, NY(ニューヨーク州)
腸内の微生物や菌は人々の恒常性を保つ能力を持ち健康に影響を与えます。現在、微生物や菌の分析は容易ではなく便のサンプルを研究所で分析しなければなりませんが、Scat Scanは家庭などで簡単なマイクロバイオーム(腸管内微生物・菌)分析を可能にします。便器の中に取り付けられたスキャナーで便のサンプルを簡単に収集、DNAシーケンシング技術を使って微生物や菌を分析し、結果を携帯のアプリで届けます。Scat Scanは腸管内微生物・菌の健康診断を簡単にできるので、将来のマイクロバイオーム技術となります。

GRADES K10-12 (高校1〜3年生)の部

Stuyvesant High School - New York, NY(ニューヨーク州)の写真

・テーマ:Using carbon nanospheres to reduce decoherence in quantum computing systems(カーボンナノスフェアの導入で量子コンピュータのデコーヒレンス(量子情報喪失)を削減)
・学校名:Stuyvesant High School - New York, NY(ニューヨーク州)
コンピュータの開発は科学研究のあり方を画期的に変えましたが、情報を0と1のみ(1ビット単位)で表すため可能性のある回答の推測や確認などは難しいといわれています。量子コンピュータは量子ビットによる「量子力学的重ね合わせ現象」を利用することで0または1の情報を複数保持したまま並列に扱うことが可能となるため、コンピュータの処理速度が飛躍的に向上すると考えられています。ところが量子コンピュータは外的要因による量子情報の破壊と喪失によるエラー「デコーヒレンス現象」が起きやすいため、強固なカーボンナノスフェアを使ってコンピュータを保護し、エラーを防止することが考えられます。カーボンナノスフェアの実用性は実証できていませんが、研究が進み実証ができれば外的要因から量子情報の破壊を防ぐ、安定した量子コンピュータを実現することができます。

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