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CSR 企業の社会的責任
人と、地球の、明日のために。

福島第一原子力発電所の安全確保に向けて

福島第一原子力発電所の安全確保に向けた協力支援

東芝グループは、被災地および被災された皆様の1日も早い復旧・復興を願って、義援活動を実施してきました。

また、福島原子力発電所の安定化維持と廃炉の推進に向けた協力支援を続けています。

東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故発生直後から、東芝グループは原子力事業に携わる企業として重く受け止め、政府および東京電力株式会社(現:東京電力ホールディングス株式会社。以降、東京電力ホールディングス設立前の状況については、「東京電力(株)」と記載。)の要請を受けて事故収束と安全確保に向けた支援活動に全力を挙げて従事し、グループの総力を挙げて対応を続けています。

1 原子炉冷温停止状態に至るまでの取り組み(地震発生〜2011年12月)

2011年4月、政府と東京電力(株)から、福島第一原子力発電所の事故収束に向けた道筋が示されました。

その第一段階である、放射線量を着実に減少傾向とする「ステップ1」において、東芝グループは、放射性物質を含んだ汚染水の海への流出を防ぐため、サイト内の汚染水処理を主に担当。高い放射線と停電という厳しい作業環境下で、汚染水を浄化して原子炉炉心の冷却へ再利用する「循環冷却システム」、また、合わせて「放射性物質除去システム」や「格納容器ガス管理システム」などを2ヵ月という短期間で完成させ、稼働させました。その結果、汚染水量の増加を抑制し、発電所敷地外への汚染水の流出を防ぐことができました。

第二段階である「ステップ2」では、放射性物質の放出管理と放射線量の大幅抑制が目標とされました。東芝グループは、大量の汚染水を処理するためにさらなる処理能力の向上と安定稼働が必要と判断。東京電力(株)に提案して、新たなシステムの開発を米国や日本のパートナー企業と協力して2011年5月に開始し、8月から稼働させました。「SARRY™※1」(サリー)と名付けた新システムは、その安定的な運転実績と高い除染性能が評価され除染作業の主力装置として稼働。「SARRY™」の安定的な稼働によって、「循環冷却システム」による確実な原子炉の冷却にも貢献し、同年12月の福島第一原子力発電所1号機から3号機の冷温停止に貢献しました。また、このステップ2で、東芝グループは原子炉冷却状態の確認においても、「原子炉圧力容器代替温度計」および「監視制御装置」の設置、所内電源系復旧などによって貢献しました。

  • ※1 SARRY™:Simplified Active Water Retrieve and Recovery System

2 中長期ロードマップに基づいた取り組み(2011年12月〜)

2011年12月、政府と東京電力(株)が、福島第一原子力発電所1〜4号機の廃止措置などに向けた中長期ロードマップを公表。その後、2017年9月までに4回の改訂で見直しが図られていますが、その中で「汚染水対策」「使用済燃料プールからの燃料取り出し」「燃料デブリ※2取り出し」「廃棄物対策」について取り組み内容と目標工程が示されてきました。

  • ※2 燃料デブリ:原子炉の事故によって溶け落ちた核燃料が原子炉のコンクリートや金属と混ざり合い、冷えて固まったもの

汚染水対策

汚染水対策については、安定稼働している「SARRY™」が処理水中のセシウム除去装置として機能しています。新たにセシウム以外の、ストロンチウムを含む62の放射性核種についても環境に影響のない濃度以下に低減するために、「多核種除去設備(MRRS™※3)」および「増設多核種除去設備(増設MRRS™)」を開発・納入し、2018年8月までに計85万トンの滞留水を処理しました。今後も安定運転継続のために両設備を点検していくとともに、年内の「増設SARRY™」の運転開始を目指し、2020年度の処理完了に貢献していきます。(2018年9月21日時点)

また、処理水の貯留に必要なタンクについては、信頼性の高い溶接型タンクをこれまでに124基設置しました。今後も、サイト内に設置済みのタンク内部の点検や増設において引き続き貢献していきます。

  • ※3 MRRS™:Multiple Radio-nuclides Removal System

使用済燃料プールからの燃料取り出し

原子炉建屋が激しく損傷した3号機の使用済燃料プールからの燃料取り出しに向けては、原子炉建屋オペレーションフロアから大型瓦礫を撤去することが重要課題でした。これに対し、東芝グループは3D CADを活用した緻密な撤去作業シミュレーションを重ねて監視システムを構築し、2015年11月に遠隔操作での大型瓦礫撤去作業を完了しました。また、それ以外の瓦礫撤去や除染・遮へい設置を2016年12月に完了し、有人作業が可能なまでに空間線量率を低減し、2017年11月に燃料取扱装置を設置しました。今後、燃料取り出し開始に向けて、燃料取扱装置の試験・試運転などの準備工事を進めていきます。

燃料デブリ取り出し

燃料デブリ取り出しに向けては、まずは原子炉周辺の状況調査が必要なことから、東芝は2号機を対象とした原子炉建屋内の高線量環境下における調査方法の検討および装置の開発を行い、2012年1月に原子炉格納容器内の映像・温度・線量データを取得、2013年3月に4足歩行ロボットによる原子炉格納容器下部ベント管の調査を実施して、漏えいのないことを確認しました。燃料デブリ取り出し工法立案のためには、原子炉格納容器内の高線量・高湿度・暗闇という過酷な環境での詳細な調査を継続する必要があることから、2号機原子炉格納容器内の調査向けにロボットなどを国家プロジェクトで開発。2017年2月に現場へ投入し、原子炉格納容器内の温度や線量率を測定し、初めて原子炉圧力容器の真下の状況を撮影しました。2017年7月には水中を遊泳する小型ROV(Remotely Operated Vehicle)で3号機原子炉格納容器内を調査、2018年1月には2号機原子炉格納容器内ペデスタル底部まで到達できる調査装置にて初めて燃料デブリの可能性の高い堆積物の撮影に成功し、2019年度の燃料デブリ取り出し工法の策定に資するデータを取得しました。今後は、これまでに取得した格納容器内の映像データなどを基に、デブリ取り出し工法の策定に向けたさらなる詳細調査やプラント全体の安全システム構築に向けて検討を進めていきます。

増設MRRS™(増設多核種除去設備)増設MRRS™(増設多核種除去設備)

3号機燃料取扱設備(画像提供:東京電力ホールディングス株式会社)
3号機燃料取扱設備(画像提供:東京電力ホールディングス株式会社)

2号機原子炉格納容器内調査装置2号機原子炉格納容器内調査装置

3号機原子炉格納容器内調査用 水中ROV3号機原子炉格納容器内調査用 水中ROV

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