東芝トップページ > 企業情報 > CSR > CSR活動ハイライト報告 > これまでのハイライト > CSRキーパーソンインタビューI > (株)東芝 SCiB開発製造部
安全で急速充電ができ、長寿命という2次電池(注1)SCiB™。環境に配慮した電気自動車や電動自転車、電動フォークリフトなどの用途だけでなく、太陽光発電システムや風力発電システムと組み合わせることで、地球温暖化防止に貢献できる電池として、注目を浴びています。
第7回目となるCSRキーパーソンは、SCiB™の開発に取組むエンジニアを紹介します。
(注1)充電して繰り返し使用できるのが2次電池。再利用できるため、廃棄物が少なくなる。これに対して充電できない電池を1次電池と呼ぶ

就職活動中に東芝科学館を訪問したとき、研究所の方から「電池を開発する技術者を採用したい。泥臭いけれど、面白いからやってみないか」と誘われました。電池の世界は、未知の部分が多く、無限の可能性があると思い、東芝の研究開発センターで働くことを決めました。
当初は、次世代のリチウムイオン電池や1次電池の開発に当たりましたが、結果的にうまくいかず電池事業撤退のつらい日々も経験しました。しかし、「商品として完成させ、多くの人々に使っていただく電池をつくりたい。そのためには、とんがった製品=画期的な特徴を持つ製品でなければならない」とあきらめませんでした。
2004年ごろ電池を使ったハイブリッド車が売れているのを見て、開発を検討していた急速充電電池は、これなら事業化できると思いました。開発者にとって、自分がやろうとしている技術や製品が素晴らしいものであり、世の中の役に立つと確信できることが重要です。そうでなければ、多くの待ち受ける困難を乗り越えることができませんから。

新型電池の素晴らしさを多くの方に知っていただくために、2005年3月にマスコミ向けに発表会を行いました。試作段階の手作りの電池を持ち込み説明しました。1〜2時間かかっていた充電を数分で完了すると多くの方が驚き、予想以上に反響は大きかったです。「報道発表はまだ早い」という声もありましたが、思い切って行ったことで開発を加速させる大きな契機になりました。
SCiB™の開発に当たり注力したポイントまず第1に安全性です。従来のリチウム電池などと異なり、発火の可能性が極めて小さい特性を持ちます。第2の特徴は長寿命です。6,000回以上充放電でき、毎日1回充放電したとすると15年以上使用できます。発電設備や自動車など長期間使用する製品では大きな魅力となります。第3は急速充電です。5分間という短時間で充電できるため、時間が節約でき大変便利です。さらにマイナス30度の寒冷地でも使用できます。
従来は、大容量化のため、電圧を高めることを目指していました。しかし、「1個で使うのでなく、たくさん組み合わせて使用すればよい」と考え、大容量化にこだわらない発想に変えたことで、このようなさまざまなメリットを生みだせました。

私は、2007年から遠くに浅間山が美しく見える長野県の佐久工場で開発に当たっています。現在は、電動自転車向けの製品が主流ですが、さまざまな業種のお客様からの問い合わせも多く、大きな可能性を感じています。さらに、今年の3月から、容量を4.2アンペアから20アンペアに高めた製品を量産化するため、新潟県の柏崎市で工場の建設が始まりました。今後は、電気自動車などにも用途が拡大していくことを期待しています。
また、太陽光発電システムや風力発電システムは、発電が天候に左右されるので、発電量の変動を吸収して安定的な電源とするためには、2次電池との組み合わせが重要です。ここでも今後の採用拡大が広がっていくと思います。
さらに、夜間に発電した電気を蓄電して、昼間の電力ピーク時へ対応など可能性は大きいと考えています。
私の長男は今5歳ですが、SCiB™も私の子供のようなもので、年齢は7歳ぐらいと思っています。今後、どんどん成長し、さまざまな分野で活躍できることを期待しています。そのためにも多くの方々のご支援とご指導が必要ですので、よろしくお願いします。
最後に、私の誓いを宣言します。


CSRキーパーソンシリーズは、2009年9月から毎月1回、お客様の安心、安全や地球温暖化など社会的な課題に誠実に取組む東芝グループ従業員の姿を紹介してきました。皆様のご愛読ありがとうございました。今回で本シリーズは、一旦終了させていただきますが、今後とも東芝グループのCSRに関する情報発信を充実していきますので、よろしくお願いします。
株式会社東芝 CSR推進室