
アオハダの葉は長枝では互生、短枝では束生し、長さ4〜7センチの卵形または広卵形で膜質である。短枝が発達している。
葉は秋に黄色に変化する。葉は日光を最大限に利用するため、緑色の色素だけでなく、副次的な色素をもつことが多い。
これらの色素はそれぞれに異なる波長の光を吸収し、そのエネルギーを葉緑素に渡す。オレンジ、黄、赤のカロチノイド、黄色のキサントフイル、紫・深紅・青のアントシアニンが代表的な色素である。
落葉樹の葉が落ちる前に、これらの色素のバランスが変化し、その結果、樹種固有の鮮やかな色が現れる。日本のイロハモミジは、育種家たちがさらに美しさを加えようとした努力の産物である。
サクラの葉は、気候の違いによって赤くなったり、黄色になったりする。また、年によって色が鮮やかな年とそうでない年があるのは、上記の理由による。
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アオハダは雌雄異株で、5〜6月、短枝の先に直径4ミリの緑白色の花が咲く。雄花は球状に多数集まってつき、雌花は数個つく。雌花には小さく退化した4〜5個の雄しべがある。このことから進化して雌雄異株になったことがわかる。
アオハダはほぼ隔年に結実する。アオハダは雌雄異株なので、結実するためには、周囲の雄木および雌木が同じ年の同じ期間に開花し、受精する必要がある。樹種によっては種子の豊凶の年間隔が決まっている。
ブナは6年から7年に一度、種子の豊作があるが、その年の春には全てのブナが一斉に開花する必要がある。このように子孫を残すためには開花の同調性が必要である。
特に雌雄異株の木では、開花の多い年と時期の同調性が必要で、雌雄異株の種子の豊凶のメカニズムはまだ明確にされていない。

果実は直径約7ミリの球形で、秋に赤く熟す。種子は落下後、2年目に発芽する。種子は乾燥に弱い。
果実食の動物は、美しい色や芳香に誘われ、美味しい果実を食べて生きている。長い年月を経て、果実食者は好ましい多肉果を選抜し、樹木は選ばれやすい多肉果をならせてきた。
樹木は子孫を残すために、果実食者に対して、目立つ色をアピールしてきた。そのため、外果皮の色は、多くの異なる色になっている。多肉果をつける樹木と果実食者とは「もちつもたれつ」という好ましい関係にある。
高木類のように、林冠に達する樹種では、種子の風散布が可能であるが、林内や林床に生育する低木類の樹種では、風散布はほとんど期待できない。風がない林床では、動物等による付着型散布のほかには、目立つ色をした多肉果をつけるほかに、種子散布をしてもらう手段がない。従って、果実をつける樹木は亜高木か低木を構成する樹種が多い。

林内や林床に生育する樹木が、色々な色の種子で鳥を待っているのを見ることができるのは、秋の山歩きの楽しみの一つである。森林で鳥の数や種類が減少することは、林床に生育している樹種にとっては、子孫をのこす上で、大きな影響がある。一方、林床植生を減少させることは、鳥にとって大きな問題となる。
高木類でもアオハダやホオノキのように果実食者を待っている樹種がある。鳥に食べてもらうため、実ができるだけ目立つように樹冠の外側や上側につける。また、アオハダの果実は葉が緑色のうちに赤く熟し、落葉後もいつまでも枝に残る。
我々が食している「くだもの」は、大変な歴史をかけて樹木が果実食者に食べてもらうよう進化させたもののなかから、さらに突然変異をしたものを人間が選抜や交配して、人間にとって美味しいものにしたのである。

鳥の視覚はヒトに似ており、脊椎動物の中でも霊長動物と鳥類だけが色覚を持っている。樹木の果実の色は赤と黒が多い。多肉果は鳥に発見されやすいことは重要で、赤や黒は緑色をバックにした場合、最も目立ち、果実の色は鳥を引き寄せるための誇示である。
目立った2つの対照的な色合いを出して果実の存在を目立たせている(2色効果)。アオハダの果実は短枝上に束生する緑葉に赤い果実をつけるため果実が目立つ。また、サクラの果実は緑色→赤色→黒色に変化させ、特に赤色の果実の中で熟した黒色は目立つ。
一般に、鳥が1つの木に留っている時間は比較的短く、何個かの果実を採食し、その後近くのとまり木に移動し、そこで10分前後比較的静かに留まっているという行動をとる。鳥の種や個体によって異なるが、1回の飛翔での移動距離は、20〜60メートル程度である。一般に、鳥は果実を食べてから種子を排出するまでに10〜25分とする報告がある。 <2005.12>
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