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化学物質排出量の削減

「削減対象物質」については、環境に直接及ぼす影響が大きい排出量の削減に努めています。事業別の排出量は、半導体・家庭電器・社会インフラ分野で9割以上を占め、地域別では7割が日本からのものです。2010年度は、排出量で上位の洗浄溶剤に含まれる物質への対策に重点的に取り組み、洗浄工程での使用物質の代替化や回収再生装置の導入、プロセスの改善などを進めました。しかし、景気悪化の影響で2009年度に大きな設備投資が実施できなかったことにより、2000年度比で排出量29%削減となり当該年度目標を達成することはできませんでした。2011年度以降は入口での対策として物質の代替化、プロセス変更を行い、出口での対策として除害装置の導入を順次進めていく計画です。

一方、取扱量を見ると、半導体と社会インフラ分野で8割以上を占め、化学反応や排水処理に使用される物質が上位となっています。PRTR対象物質のマテリアルバランスは、中和・吸着などにより除去される量が26%、製品にともなって消費される量が65%と大半を占め、大気・水域へは全体の約2%のみが排出されています。今後も、使用の状況を把握・管理していきます。

削減対象物質の排出量(推移)

削減対象物質の排出量推移のグラフ

削減対象物質の取扱量(推移)

削減対象物質の取扱量推移のグラフ

削減対象物質の排出量(内訳)(2010年度)

削減対象物質の排出量(内訳)(2010年度)のグラフ

削減対象物質の取扱量(内訳)(2010年度)

削減対象物質の取扱量(内訳)(2010年度)のグラフ

削減対象物質の排出量(上位5種)(2010年度)

削減対象物質の排出量(上位5種)(2010年度)のグラフ

削減対象物質の取扱量(上位5種)(2010年度)

削減対象物質の取扱量(上位5種)(2010年度)のグラフ

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PRTRマテリアルバランス

東芝グループにおけるPRTR法に基づいたマテリアル総計のバランスを示します。

PRTRマテリアルバランスの図

  • 消費量:「PRTR対象物質」が反応により他物質に変化したり、製品に含有もしくは同伴されて場外に持ち出される量をいいます。
  • 除去処理量:「PRTR対象物質」が場内で焼却、中和、分解、反応処理などにより他物質に変化した量をいいます。
  • 事業所内への埋め立て(安定型、管理型、遮断型)は排出量になります。公共用下水道への排出は、移動量に区分されます。
  • 移動量とリサイクル量の差は、有価か無価で決まります。したがって、リサイクル目的であってもお金を払って処理をお願いしている場合は廃棄物としての移動量になります。

排出物質の詳細

拠点別の排出状況

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事例:プロセス改善によるメタノール排出量の削減/東芝家電製造タイ社

冷蔵庫の製造工程では、清掃などでメタノールを使用しています。しかし、多くの量が大気へ排出されていたため、削減対策を継続して行ってきました。2009年度には中性洗剤への代替化を行い、6t/年の削減を行うことができました。しかし、冷蔵庫の断熱材の注入工程での断熱材の漏れの清掃については、清掃性の問題で代替化ができませんでした。2010年度はこの箇所について、根本原因である“漏れ”をなくすために、設計・製造部門と連携し、漏れ箇所の分析を行いました。これにより、金型の改善、シール留めなどを図り、メタノールの使用量を格段に減らし、排出量を削減できました。(16.0t/年→3.7t/年)

メタノール排出量削減の改善前後の写真(上)と洗浄に使用していたメタノールの排出量推移のグラフ(下)

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2009年度の事例

事例:蛍光ランプ製造工程でのVOC排出量の削減/東芝ライテック(株)

蛍光ランプ製造工程では蛍光体を塗布する際に溶剤として酢酸ブチルを使用しています。酢酸ブチルはVOCであり削減対象物質ですが、蛍光体を塗布して乾燥させる際に大気へ排出されていました。今回、排出口へ除害装置を設置することにより、大気排出量を大幅に減らすことができました。この装置は蓄熱触媒燃焼方式であり、酢酸ブチルを触媒を利用して燃焼させ分解させます。また、燃焼熱を蓄熱することにより、初期の熱源だけで燃焼をすることが可能であり、効率のよい処理をすることができました。
さらに、燃料をほとんど使用しないため、燃料から出るCO2、NOXの排出を少なくでき、二次的な環境汚染にも配慮しています。

VOC排出量のグラフ蛍光ランプ製造工程の写真蓄熱触媒燃焼方式の図

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2008年度の事例

事例:半導体ウェハ洗浄工程でのIPAの排出量削減/(株)東芝 セミコンダクター社(現 (株)東芝 セミコンダクター&ストレージ社)

半導体を製造する際に使用するイソプロピルアルコール(IPA)を簡便な水シャワーで吸着除去させ、大気排出を大幅に減らすことができました。IPAを使用する設備内部に本装置を設置し、IPA濃度が高い発生源近くでの処理を行うことで効率のよい除去が可能になります。また、既存の設備についても設備直後に設置することで低コストでの対策が可能です。排気中IPA濃度が75%削減され、従来よりも除去効率が大幅に向上します。なお、水シャワーに吸着されたIPAは排水の生物処理過程で活性汚泥の栄養源として利用されます。

洗浄装置の設置図

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2007年度の事例

事例1:半導体工場における化学物質管理とコミュニケーション 2007PRTR優秀賞・審査員特別賞受賞/(株)東芝 四日市工場

四日市工場ではSDカード用などのフラッシュメモリーを製造しており、生産量増加による排出量増加の抑制が大きな課題でした。排出量削減の具体的対策として「工程および製品での使用削減」「排水回収装置導入による排出量削減」などを着実に行い、2007年度は取扱量36%、排出量は24%に削減(生産量原単位換算、2001年度比)。さらに、周辺環境への影響調査や、操業当初から地域住民との定期的な連絡会をもち、環境活動データの公開などを積極的に行っています。

半導体工場における化学物質管理とコミュニケーションのグラフ

事例2:中国製造拠点での洗浄剤の使用削減/大連東芝テレビジョン社

テレビ製造工程で部品を洗浄するためにイソプロピルアルコールを年間2.4トン使用していましたが、洗浄プロセスの改善、洗浄剤の代替化により、年間1.2トンの使用に削減できました。これにより排出量も2.2トンから0.6トンとなり、1.6トン削減することができました。

中国製造拠点での洗浄剤の使用削減のグラフ改善前(浸漬洗浄、払拭)と改善後(洗浄剤変更、超音波洗浄)

事例3:薬品を再利用できるレジスト除去技術/東芝生産技術センター

業界初「電解硫酸方式」により、使用薬品を再利用可能に

半導体の製造工程では不要となったレジストは除去されます。従来は、レジスト除去剤となる活性な物質を生成させるため、硫酸に過酸化水素水を混ぜていました。しかし、この方法では硫酸が過酸化水素水によって希釈されるため硫酸のリサイクルが困難でした。新技術では、硫酸を電気分解することによって活性な物質を生成できるため、希釈されることがなくリサイクルが可能になりました。

新技術を採用すれば、適用工程での硫酸使用量を約70%削減でき、また過酸化水素水については全廃することができるので、環境負荷の低減および工場排水処理の効率化に寄与します。さらに、新技術では、活性な物質を効率的に作ることができるため、約2割短い時間でレジストを除去でき、生産性改善にも貢献します。

開発の概要

レジスト除去を行う工程において、従来のSPM(Sulfuric acid Hydrogen Peroxide Mixture:硫酸、過酸化水素水の混合液)に替えて電解硫酸で処理するプロセスを開発。

1.従来方式との比較

【従来】硫酸に過酸化水素を混ぜて活性化させ、レジストとの反応を促進させる。

H2SO4(硫酸)+H2O2(過酸化水素)→H2SOs(ベルオキソー硫酸)+H2O(水)

ベルオキソー硫酸は酸化性が強く、レジストを除去しやすい活性化した硫酸です。

【新技術】硫酸を電気分解して活性化させ、SPMと同様の活性反応を得られる。

H2SO4(硫酸) + H2O(水) → H2SOs(ベルオキソー硫酸) + 2H+(水素イオン) + 2e-(電子)

従来方式と同じにベルキオソー硫酸を生成でき、従来同等の除去処理が可能です。

2.効果(試算値)

レジスト除去工程(パターン修正工程)での効果:硫酸使用量は約70%削減、過酸化水素水の使用は全廃

プレスリリース

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