環境会計

環境経営のツールとして

東芝グループでは、環境経営の推進にあたり、自らの環境保全に関する投資額やその費用を正確に把握して集計・分析を行い、投資効果や費用対効果を経営の意思決定に反映させる「環境会計」に取り組んでいます。

東芝グループの「環境会計」の概要を図に示します。東芝グループでは、製品の消費電力量削減に伴うお客様のもとでの効果、大気汚染物質などの削減に伴う経済的みなし効果、将来起こる可能性のあるリスクを未然に回避した効果、廃棄物処理量やエネルギー使用量の削減に伴う経済的実質効果の4つの効果について、潜在的な環境リスクの回避とビジネスチャンスにおけるそれぞれの内部・外部効果という4象限で考え、総合化を進めてきました。今後も環境経営の指標として活用を進めていきます。

環境経営ツールとしての環境会計

環境経営ツールとしての環境会計の図

環境保全費用と効果の推移

2008年度の環境会計は、連結対象会社538社、626拠点を対象にしています。環境保全費用の分類、算出基準は、環境省の「環境会計ガイドライン(2005年版)」に準拠しています。また効果の算出については、環境負荷低減効果を物量表示するとともに、金額ベースでも算出しています。

環境保全費用については、総額が2007年度より18%増の607億円となりました。内訳としては地球温暖化防止対策や環境調和型製品の研究開発の割合が相対的に大きくなっています。当該期間の全研究開発費に占める環境関連研究開発費の割合は4.1%(2007年度は2.8%)でした。また、投資額については総額が2007年度より33%減の134億円となり、全投資額に占める環境関連投資の割合は3.1%(2007年度は3.3%)でした。

環境保全効果の総額は前年度から27%増加し425億円と大幅に伸びています。これはエコプロダクツの販売拡大に伴う環境負荷の低減(消費電力削減など)により顧客効果が増加したことが大きな要因です。

環境保全効果については、2008年度から626拠点に加え、発電事業を行っている(株)シグマパワー有明、(株)シグマパワー土浦も集計対象とし、表中下段に併記しています。シグマパワー有明は2007年12月から本格的な操業を開始しました。環境保全効果の実質効果とみなし効果は、前年に対する環境負荷の削減量から算出しますが、2007年度の操業期間は4カ月間のみであるため、2008年度の12カ月間の環境負荷と比較すると、大幅なマイナス(負の効果)として計上され、環境保全効果総額では−1,012億円となります。発電所のデータが通年で比較できる来年度以降は、効果額もプラスとなることが予想されます。

環境保全費用・効果の過去5年間の推移をみると、環境保全費用は、グループ会社の対象範囲拡大や、地球温暖化対策費、環境調和型製品の開発費などが増えていることもあり、増加傾向にあります。効果についても増加傾向にあり、特に「顧客効果」(製品の使用段階における環境負荷低減効果)の増加が目立っています。

また、事業別の環境保全費用では半導体部門が最も大きく、費用総額に対し41%を占めており、次いで社会インフラ部門が25%となっています。

環境保全費用・効果の推移(2004年度〜2008年度)

環境保全費用・効果の推移(2004年度〜2008年度)のグラフ

環境保全費用の内訳(事業別2008年度)

環境保全費用の内訳(事業別2008年度)のグラフ

顧客効果の事業別内訳

右図に顧客効果の過去3年間の推移を示します。顧客効果は製品の使用段階における環境負荷低減効果を金額換算しており、東芝グループの事業セグメントにおいては、主にデジタルプロダクツ、家庭電器、社会インフラが対象となります。2008年度は家庭電器部門で大きく増加しています。これは、環境負荷低減効果が大きい電球形蛍光ランプの販売数量が拡大したことが大きな要因です。

一方、デジタルプロダクツ部門では顧客効果が昨年よりも減少してしまいました。顧客効果は旧機種と新機種の年間消費電力量の差分から算出しますが、一部の製品群では、機能向上により旧機種に対し消費電力が上がったために負の顧客効果を計上したことが影響しています。今後は機能向上に伴う消費電力の増加を抑制することが課題となります。

顧客効果の事業別内訳推移

顧客効果の事業別内訳推移のグラフ

環境保全コスト

単位:百万円

分類 内容 投資額 費用額
事業場内コスト 環境負荷の低減 11,807 (△6,308) 31,260 (4,701)
上・下流コスト グリーン調達、リサイクルなど 822 (638) 2,326 (755)
管理活動コスト 環境教育、EMS維持、工場緑化など 302 (△99) 9,456 (△1,079)
研究開発コスト 環境調和型製品開発など 441 (△939) 15,650 (4,562)
社会活動コスト 地域環境支援、寄付など 17 (14) 117 (44)
環境損傷対応コスト 土壌汚染修復など 1 (△48) 1,912 (480)
合計 13,389 (△6,743) 60,721 (9,463)
  当該期間の投資額の総額 4,252億円
当該期間の研究開発費の総額 3,783億円

( )内は前年度比増減

環境保全効果

単位:百万円

分類 内容 効果額 算出方法
(1)実質効果 ※ 電気料金や水道料金などの削減で直接金額表示できるもの 7,128 (2,226)
△2,321 (△7,223)
電気料金や廃棄物処理費用などの前年度に対して節減できた金額と有価値物売却益の合計。
(2)みなし効果 ※ 環境負荷の削減量を金額換算したもの 9,740 (△176)
△124,576 (△134,492)
環境基準とACGIH-TLV(米国産業衛生専門家会議で定めた物質ごとの許容濃度)をもとに、カドミウム換算した物質毎の重み付けを行い、カドミウム公害の賠償費用を乗じて金額を算出。大気・水域・土壌等への環境負荷の削減量を前年度比で示すとともに金額換算して表示することで、異なる環境負荷を同一の基準で比較することを可能にしている。
(3)顧客効果 使用段階での環境負荷低減効果を金額換算したもの 24,447 (6,993) 製品のライフサイクルを通じての環境負荷低減効果を物量単位と貨幣単位(金額)で評価。ライフサイクルとは、(1)原料調達、(2)製造、(3)輸送、(4)使用、(5)収集運搬、(6)リサイクル、(7)適正処理等の各段階をいい、使用段階での環境負荷低減効果に焦点を当てた。省エネルギー効果に関しては次式を用いて効果を計算。
効果(円)=Σ〔(旧機種の年間消費電力量−新機種の年間消費電力量)×年間販売台数×電力量目安単価〕
(4)リスク回避効果 投資前の環境リスク減少額を算出したもの 1,222 (△671) 土壌・地下水等の汚染防止を目的とした防液堤など環境構造物投資に対する効果を、将来起きる可能性のあるリスクを回避する効果として評価。リスク回避効果は、設備投資案件ごとに次式により算出。浄化修復基準金額と発生係数は当社独自に算出した値を用い、化学物質の漏洩等が起きた場合のリスクを評価。
リスク回避効果=化学物質等保管・貯蔵量×浄化修復基準金額×発生件数
合計 ※   42,537 (8,372)
△101,228 (△135,393)
 

( )内は前年度比増減

(1)実質効果

項目 環境負荷低減量 金額効果(百万円)
エネルギー 2,311,712GJ マイナス1,342
655,488GJ マイナス10,399
廃棄物 3,875t 8,286
482t 7,983
用水 2,346千m3 168
625千m3 マイナス626
合計   7,128
△2,321

(2)みなし効果

項目 環境負荷低減量 金額効果(百万円)
化学物質など排出削減効果 78t 3,272
△2,150t △124,576

(3)顧客効果

項目 環境負荷低減量 金額効果(百万円)
使用段階での環境負荷低減効果 377,841t-CO2 24,447
  • 環境負荷低減量は、2008年度と2007年度の差分を取っています。
  • 金額効果がマイナスの場合は、生産増などにより削減効果以上の環境負荷の増大があったことを示します。
  • 四捨五入しているため、内訳と合計は一致しないことがあります。
実質効果、みなし効果は、上段に昨年度と同じ集計範囲のデータを、下段にシグマパワー有明、シグマパワー土浦を含むデータを掲載しています。
  • 環境 マネジメント
  • 温暖化防止に貢献する エネルギー
  • 環境調和型製品 エコプロダクツ
  • 事業活動の負荷低減 エコプロセス
  • コミュニケーション エコプログラム