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環境会計

環境経営のツールとして

東芝グループでは、環境経営の推進にあたり、自らの環境保全に関する投資額やその費用を正確に把握して集計・分析を行い、投資効果や費用対効果を経営の意思決定に反映させる「環境会計」に取り組んでいます。

東芝グループの「環境会計」の概要を図に示します。東芝グループでは、製品の消費電力量削減にともなうお客様のもとでの効果、大気汚染物質などの削減にともなう経済的みなし効果、将来起こる可能性のあるリスクを未然に回避した効果、廃棄物処理量やエネルギー使用量の削減にともなう経済的実質効果の4つの効果について、潜在的な環境リスクの回避とビジネスチャンスにおけるそれぞれの内部・外部効果という4象限で考え、総合化を進めてきました。今後も環境経営の指標として活用を進めていきます。

環境経営ツールとしての環境会計

環境経営ツールとしての環境会計の図

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環境保全コストと効果の推移

2010年度の環境会計は、東芝および子会社498社を対象にしています。環境保全費用の分類、算出基準は、環境省の「環境会計ガイドライン(2005年版)」に準拠しています。また効果の算出については、環境負荷低減効果を物量表示するとともに、金額ベースで算出しています。

環境保全費用については、総額が2009年度より1.7%増の552億円となりました。地球温暖化防止費用など全般的に減少しましたが、環境損傷対応コストが大幅に増加しました。これは当社姫路工場およびグループ会社などの土壌汚染修復費用を計上したものです。当該期間の全研究開発費に占める環境関連研究開発費の割合は5.4%(2009年度は5.8%)でした。また、事業別の環境保全費用では半導体・液晶事業を行う電子デバイス部門が最も大きく費用総額に対し42%を占めており、次いで社会インフラ部門が27%となっています。

投資額については総額が2009年度より27%増の102億円となり、全投資額に占める環境関連投資の割合は4.4%(2009年度は3.8%)でした。

環境保全効果の総額は前年度から163%減の−581億円と大幅に減少しました。最大の要因は、(株)シグマパワー有明の火力発電事業の拡大にともなって環境負荷排出量が増加し、みなし効果がマイナスに転じたことによります。火力発電は他の事業セグメントに比べ環境負荷の排出量が非常に大きいため、発電事業の影響を除いたみなし効果も表中下段に併記します。下段のみなし効果は前年度から10%減の311億円でした。また、実質効果も前年度比38%減の95億円でした。これらは生産拡大による環境負荷排出量の増加によって、2010年度の対前年削減効果が2009年度よりも減少したことに起因しています。一方、顧客効果は37%増の545億円となりました。エアコンをはじめとする省エネ家電およびLED照明など、消費電力の削減効果が大きい製品の販売拡大が寄与しています。

今後も環境保全にかかわるコストを適切に把握し、環境保全効果のさらなる拡大につながるよう環境経営施策を展開していきます。

環境保全費用・効果の推移(2006年度〜2010年度)

環境保全費用・効果の推移(2006年度〜2010年度)のグラフ

環境保全費用の事業別内訳(2010年度)

環境保全費用の事業別内訳(2010年度)のグラフ

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環境経営施策ごとの費用対効果

下図に、地球温暖化対策と廃棄物対策に関する費用対効果の過去3年間の推移を示します。これは地球温暖化対策と廃棄物対策にかけた費用に対して、エネルギー支払額および廃棄物支払額の対前年削減額と当該年度の有価物売却額の合計を比較したものです。それぞれ、費用は上表の事業場内コストに、効果は実質効果の中に含まれています。

2008年度はエネルギー支払額が対前年比で13億円増加した影響もあり費用対効果はマイナスとなりました。一方、2009年度、2010年度はかけた費用に対してコスト削減効果および有価売却益が上回っていることがわかります。

今後は、事業拡大にともなう環境負荷の排出量増加とコスト削減という二律背反を克服することが大きな課題となります。また、環境経営施策における費用対効果や財務分析についてもさらなる精緻化を進めていきます。

地球温暖化対策、廃棄物対策の費用対効果推移

地球温暖化対策、廃棄物対策の費用対効果推移グラフ

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環境保全コスト

単位:百万円

分類 内容 投資額 費用額
事業場内コスト 環境負荷の低減 6,868 (494) 23,296 (△1,475)
上・下流コスト グリーン調達、リサイクルなど 1,736 (1,103) 2,909 (404)
管理活動コスト 環境教育、EMS維持、工場緑化など 436 (135) 5,590 (△1,894)
研究開発コスト 環境調和型製品開発など 333 (△322) 17,286 (△1,349)
社会活動コスト 地域環境支援、寄付など 18 (△1) 112 (△77)
環境損傷対応コスト 土壌汚染修復など 763 (763) 6,043 (5,309)
合計 10,154 (2,172) 55,236 (918)
  投資額の総額 2,310億円 研究開発費の総額 3,197億円

( )内は前年度比増減

環境保全効果

単位:百万円

分類 内容 効果額 算出方法
(A)実質効果 電気料金や水道料金などの削減で直接金額表示できるもの 9,534 (△5,914) 電気料金や廃棄物処理費用などの前年度に対して節減できた金額と有価値物売却益の合計。
(B)みなし効果 環境負荷の削減量を金額換算したもの △122,854 (△157,304)
31,069 (△3,381)
環境基準とACGIH-TLV(米国産業衛生専門家会議で定めた物質ごとの許容濃度)を基に、カドミウム換算した物質ごとの重みづけを行い、カドミウム公害の賠償費用を乗じて金額を算出。大気・水域・土壌などへの環境負荷の削減量を前年度比で示すとともに金額換算して表示することで、異なる環境負荷を同一の基準で比較することを可能にしている。
(C)顧客効果 使用段階での環境負荷低減効果を金額換算したもの 54,519 (14,632) 製品のライフサイクルを通じての環境負荷低減効果を物量単位と貨幣単位(金額)で評価。ライフサイクルとは、(1)原料調達、(2)製造、(3)輸送、(4)使用、(5)収集運搬、(6)リサイクル、(7)適正処理などの各段階をいい、使用段階での環境負荷低減効果に焦点を当てた。省エネルギー効果に関しては次式を用いて効果を計算。
効果(円)=Σ〔(旧機種の年間消費電力量−新機種の年間消費電力量)×年間販売台数×電力量目安単価〕
(D)リスク回避効果 投資前の環境リスク減少額を算出したもの 891 (△1,134) 土壌・地下水などの汚染防止を目的とした防液堤など環境構造物投資に対する効果を、将来起きる可能性のあるリスクを回避する効果として評価。リスク回避効果は、設備投資案件ごとに次式により算出。浄化修復基準金額と発生係数は当社独自に算出した値を用い、化学物質の漏洩などが起きた場合のリスクを評価。
リスク回避効果=化学物質等保管・貯蔵量×浄化修復基準金額×発生係数
合計   △58,090 (△149,900)
96,013 (4,203)
 

( )内は前年度比増減

(A)実質効果

項目 環境負荷低減量 金額効果
(百万円)
エネルギー 297,660(GJ) 2,979
廃棄物 △19,576(t) 6,349
用水 446(千m3 205
合計   9,534

(B)みなし効果

項目 環境負荷低減量 金額効果
(百万円)
化学物質など排出削減効果 △1,853(t)
556(t)
△122,854
31,069

(C)顧客効果

項目 環境負荷低減量 金額効果
(百万円)
使用段階での環境負荷低減効果 7,258,716(t-CO2 54,519

環境負荷低減量は、2010年度と2009年度の差分を取っています。

みなし効果は、上段に東芝グループ全体のデータを、下段にシグマパワー有明、シグマパワー土浦を除いたデータを掲載しています。
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