Japan

東芝トップページ > 企業情報 > 環境活動 > Management > 生物多様性:生物多様性の保全 

環境活動

人と、地球の、明日のために。

生物多様性の保全

自然共生社会の実現をめざして

東芝グループでは、「持続可能な社会」の3つの条件である「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けて総合的に取り組みを進めています。

低炭素社会ならびに循環型社会については、モノづくりにおける温室効果ガスや廃棄物を削減するとともに、省エネ製品の提供や製品の省資源化など製品ライフサイクル全体での環境負荷削減、さらには地球温暖化の防止に貢献する低炭素発電技術や再生可能エネルギーの開発などに取り組んでいます。

自然共生社会の実現に向けては、生物多様性が適切に保たれ、地球上で自然と人間が調和のもと暮らし、生態系からの恵みを享受し続けられることが求められています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の生物多様性版と言われるIPBES(生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)は「地球上の全地域で生物多様性の減少が続いており人類の福利に寄与する自然の能力が著しく低下している」とのコメントを発表しました(2018年3月11日メディアリリース)。東芝グループにおいては事業活動における地球温暖化の防止や資源の有効活用、化学物質の管理などに加え、生物多様性の保全をめざした活動を通して生態系の回復・維持に貢献していきたいと考えています。

生物多様性と生態系サービスの分野を対象とする政府間プラットフォーム。「科学的評価」「能力要請」「知見生成」「政策立案支援」の4つの機能を活動の柱としており、多様な学問領域の専門化と共に、人と自然の関わりを評価し、新たな知見をつくり、能力を要請し、政策に展開する。

このページのトップへ

第6次環境アクションプラン

2010年に名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)において「生物多様性戦略計画2011-2020」が採択されました。「人と自然が共生する社会」を2050年までに構築することを長期目標とし、「回復力があり、また必要なサービスを引き続き提供できる生態系を確保するため、生物多様性の損失を止めるための効果的かつ緊急の行動」を2020年までに実施することを短期目標としています。愛知目標は同計画の中核をなす世界目標で、2020年までに国際社会が達成すべき20の個別目標を定めています。

東芝グループにおいては生物多様性保全活動を環境経営の重要な項目の一つと考え、それら20の個別目標のうち、事業活動との関連が強い10項目(愛知目標1,2,4,5,8,9,11,12,14,19)への貢献を2020年までの中期目標として設定しました。現在これらの目標への貢献をめざし、グローバル69拠点(国内45、海外24)で活動を推進しています。

■ 愛知目標と第6次環境アクションプラン

愛知目標の分類 愛知目標 東芝の活動目標
テーマ 内容
戦略目標A 生物多様性を「主流化」することにより、生物多様性の損失の根本原因に対処 目標1 普及啓発 従業員教育、情報発信、外部との連携
目標2 戦略・計画への組み込み 環境方針、環境アクションプラン、ISO14001目的・目標への取り込み
目標4 持続可能な生産 地球温暖化防止、資源有効活用
戦略目標B 直接的な圧力を減少させ、持続可能な利用を促進 目標5 生息地破壊の抑止 自然生息地と事業所を結ぶ生態系ネットワークの構築、植林活動
目標8 化学汚染の抑制 化学物質管理
目標9 外来種の防除 事業所における外来種の防除
戦略目標C 生態系、種及び遺伝子の多様性を守ることにより生物多様性の状況を改善 目標11 保護地域の保全 事業所外保護地域の保全に資する活動
目標12 種の保全 希少な動植物の保護、生息域外保全
戦略目標D 生物多様性及び生態系サービスから得られるすべての人のための恩恵を強化 目標14 生態系サービス維持・管理 文化的サービスの維持・向上
戦略目標E 参加型計画立案、知識管理と能力開発を通じて実施を強化 目標19 知識・技術の向上と普及 生態系調査データの蓄積・開示(生き物マップ含む)、保全技術の創出

このページのトップへ

グローバル69拠点で愛知目標の達成に向けた生物多様性保全活動を展開

第6次環境アクションプランの初年度となる2017年度の実績としては、目標1,2,4,5,8,12は取り組み度合いが高く、目標9,11,14,19は低い結果となりました。目標別に見ると、目標2(戦略・計画への組み込み)は「ISO14001:2015版」に対応することで100%の実施率となりました。また、目標4(持続可能な生産)と目標8(化学汚染の抑制)についても、「モノづくり」における温室効果ガスの排出削減や、省エネ製品・サービスの提供、資源の有効活用や化学物質の管理など、従来からの事業活動の継続的な推進を通して100%の実施率となりました。目標1(普及啓発)は従業員向け教育や自然観察会・ワークショップ、ステークホルダー向け情報発信などの推進により、71%の実施率となりました。目標5(生息地破壊の抑止)と目標12(種の保全)については、生態系ネットワークの構築や希少な動植物の保護など、2012年から2016年にかけて展開した第5次環境アクションプランの活動内容を引き継いで実施した拠点が多く、67%(目標5)、71%(目標12)の実施率となりました。

実施率の低かった目標9(外来種の防除),目標11(保護地域の保全),目標14(生態系サービス維持・管理),目標19(知識・技術の向上と普及)については他社事例の研究を含めたフィージビリティスタディを進めていきます。

環境保全活動の対象範囲として「持続可能な資源の利用」、「気候変動の緩和、気候変動への適応」とともに「生物多様性及び生態系の保護」が追記された

■ 2017年度目標別取り組み実績(全69拠点対象)

「目標別実施率(全69拠点対象)」のイメージ

※ 各目標を達成した拠点の合計数÷全対象拠点数(69)×100

■ 東芝グループ生物多様性保全活動データベース

拠点による活動をデータベース化し、ウェブサイトで公開しています。対応する愛知目標も表示しています。

「東芝グループ生物多様性保全活動データベース」のイメージ

このページのトップへ

【事例 愛知目標4北鼻川に「ホタルを呼び戻そう」活動

(株)ジャパンセミコンダクター 大分事業所

北鼻川上流に生息するホタルの幼虫の餌になるニナ(巻貝)を構内の排水処理水を使って繁殖させ、北鼻川下流に放流するとともに、従業員881名が事業所周辺や北鼻川周辺のゴミ拾いを実施。今年5月末にホタルの生息が確認でき、従業員と地域住民でホタルの鑑賞会をしました。

「北鼻川に「ホタルを呼び戻そう」活動」のイメージ

【事例 愛知目標5】鳥類の保護と生態系ネットワークの構築

東芝テックヨーロッパ画像情報システム社

フランスに拠点を置く同社では鳥類保護と生態系ネットワーク構築のために、現地NPO法人と連携し、事業所敷地内における緑地管理と、草刈時期の変更や飛来数の調査を実施しています。

「鳥類の保護と生態系ネットワークの構築」のイメージ

【事例 愛知目標11】柏崎夢の森公園 森づくり活動

東芝インフラシステムズ 柏崎工場

大切な里山の環境を守り、次世代へ引き継ぐため、市民グループ「里山環境づくりネットワーク」が行っている里山保全活動を支援しています。林内の手入れ、水辺の手入れなど、季節ごとにさまざまな活動を行っており、4月から11月にかけ、9回にわたり、ボランティアとして従業員が参加しています。

「柏崎夢の森公園 森づくり活動」のイメージ

【事例 愛知目標12】希少種「ホトケドジョウ」の保護活動

東芝エネルギーシステムズ 京浜事業所

事業所内で環境省レッドリストに掲載されているホトケドジョウの生息域外保全に取り組んでいます。地域個体群の保全に貢献するため、専門家とともにビオトープの定期調査を行うなど、きめ細やかな飼育を行っています。

「希少種「ホトケドジョウ」の保護活動」のイメージ

事例ごとに表示している目標は各活動が対応する代表的な愛知目標であり、表記以外の目標に対応している場合があります。

東北大学大学院 環境科学研究科 教授 香坂 玲 氏

「東北大学大学院 環境科学研究科 教授 香坂 玲 氏」のイメージ世界では確実に生物多様性に関する潮流が起きている。現在多くの国々が、2010年に日本で合意した愛知目標の枠組みを生物多様性にかかわる目標としており、2020年東京オリンピックの年に一つの節目を迎え、日本を含めて評価を受ける。

またISOの環境マネジメントのなかでもその重要性が増している。以前は附属書での言及にとどまっていた生物多様性だが、2015年に改定されたISO14001では、資源、気候変動と同等の位置づけで要求事項として登場している。また持続可能な開発目標(SDGs)は陸域と海域、持続可能な生産や消費などのテーマで生物多様性にかかわる項目が並ぶ。

東芝の取り組みは本社だけではなく、各拠点・工場に自主性を持たせ、どのような動植物を保護していくのか、どのような取り組みを実施していくのか、自ら考えるボトムアップのアプローチの試みとして評価される。多くの工場で希少種、ビオトープ、化学物資の排出抑制などについて積極的に取り組んでいるといった傾向が読み取れる。一方で侵略的外来種への取り組みが不十分であり、全体を見渡して足りない点は本社や各拠点が定期的に見直す必要があろう。定期的に発行される本報告書が振り返りのよいタイミングでもある。その際に翌年、5年後といった期限を定めて目標を設定することも検討いただきたい。愛知目標の枠組みのなかで世界中の工場の活動数を把握し公表しているので、愛知目標のベンチマークとしての特性である「いつまでに何をどれだけ達成するのか」についても検討いただきたい。また普及啓発も実施しているかいないかだけではなく、経験の共有や内容面での深化を期待したい。

このページのトップへ

業界団体や他社との連携を推進

東芝グループでは、電機・電子業界団体や他社との連携を通して、生物多様性保護の普及啓発や情報発信を強化しています。

電気・電子4団体生物多様性ワーキンググループに参加

メンバー各社とともに電機・電子業界としての生物多様性認知向上に向けた施策や、国際動向のリサーチを行っています。2017年度から2018年度にかけ、活動ガイドライン「企業が取り組むはじめての生物多様性 Let's Try Biodiversity」の発行・普及や「電機・電子業界における生物多様性の保全にかかわる行動指針」(2015年度発行)の改定を行いました。

国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」との関連性を追記

「Let's Try Biodiversity」のイメージ
Let's Try Biodiversity

「電機・電子業界における生物多様性の保全にかかわる行動指針」のイメージ
電機・電子業界における生物多様性の保全にかかわる行動指針

このページのトップへ

大日本印刷グループと連携

東芝グループと大日本印刷グループは全国6地域15事業所でお互いの事業所敷地を活用した生物多様性保全活動を進めています。両社の事業所を結ぶ生態系ネットワークの構築や、希少生物の保護、合同生物調査、合同自然観察会、合同清掃ボランティア活動などを行い、両社従業員の環境意識の向上をめざしています。

連携①岩手県北上地区
(株)ジャパンセミコンダクタ− 本社・岩手事業所/ディー・ティー・ファインエレクトロニクス(株) 北上工場
連携②神奈川県川崎地区
(株)東芝 小向事業所/ディー・ティー・ファインエレクトロニクス(株) 川崎工場
連携③岡山県津山地区
東芝キヤリア(株)津山工場/(株)DNPイメージングコム、(株)DNP生活空間、(株)DNPファインオプトロニクス、(株)DNPロジスティクス
連携④福岡県北九州地区
西日本家電リサイクル(株)/(株)DNPファインオプトロニクス黒崎工場
連携⑤愛知地区
東芝ライフスタイル(株)愛知事業所/大日本印刷(株)名古屋事業所※1
連携⑥神奈川県横浜・横須賀地区
東芝ライテック(株)横須賀事業所/(株)DNPテクノパック横浜工場※2

※1
東芝ライフスタイル(株)は2016年7月より中国美的集団となりましたが、今後も大日本印刷(株)名古屋事業所との連携は継続します
※2
2015年度より共同で実施しているハマカンゾウの保護活動は2017年度で終了しました

「大師河原干潟の生物調査(連携②)」のイメージ
大師河原干潟の生物調査(連携②)

「清掃ボランティア活動(連携③)」のイメージ
清掃ボランティア活動(連携③)

このページのトップへ

東芝グループの生物多様性ガイドライン

東芝グループでは、2009年9月に生物多様性ガイドラインを制定しました。事業活動と、生物多様性を含む多様な環境問題を包括的かつ定量的に把握することにより、取り組みの「見える化」を図り、影響の低減、持続可能な利用につなげていきます。

東芝グループ生物多様性ガイドライン

基本方針

東芝グループは、生物多様性の保全および生物多様性の構成要素の持続可能な利用のため、次の取り組みを行う。

  • 事業活動が生物多様性に及ぼすかかわりを把握する。
  • 生物多様性に配慮した事業活動などにより、生物多様性に及ぼす影響の低減を図り、持続可能な利用を行う。
  • 取り組みの推進体制を整備する。

具体的な取り組み

  1. 工場の立地や再配置において、生態系の保護などに配慮する。
  2. 地方公共団体や民間団体などとのコミュニケーションを図り、連携した活動を行う。
  3. 持続可能な社会の一員として、継続的な社会貢献活動を行う。
  4. 環境対策による生物多様性を含む種々の環境側面への影響・効果を評価する。
  5. 資源採掘までを視野においたサプライチェーンにおける生物多様性保全への取り組みを推進する。
  6. 事業活動に由来する資源の消費や環境負荷物質の排出による影響を評価する。
  7. 自然の成り立ちや仕組みに学び、事業の特性に応じて、技術による貢献をめざす。

このページのトップへ