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東芝グループは、「生物多様性交流フェア」に出展しました (2010年10月)
世界的な生物多様性の損失を食い止めるため、東芝グループの取り組み体制を構築し、事業活動が生態系に与える影響の「見える化」を推進していきます。
東芝グループの事業活動は、多様な生物に支えられた生態系サービスの恩恵を受けると同時にさまざまな影響を与えています。例えば、木材由来の資源や水の「供給サービス」を受けると同時に、鉱物や燃料資源の採掘において、生態系に影響を与えています。また、製造拠点からの大気、水域への排出物の最終的な処理は、生態系による分解・浄化といった「調節サービス」に依存しています。このため、生態系サービスの基盤となる生物多様性の保全は環境経営の重要な課題です。
東芝グループでは、2009年9月に制定した生物多様性ガイドライン※1に基づき、事業所の立地や事業活動による資源調達、環境負荷の排出などによる影響の低減を図ると同時に、生物多様性の保全に寄与する事業を推進しています。また、「150万本の森づくり」などの自治体やNPOと協力した社会貢献活動によって生物多様性の保全に貢献します。

東芝グループでは、2009年9月に生物多様性ガイドラインを 制定しました。事業活動と、生物多様性を含む多様な環境問題 を包括的かつ定量的に把握することにより、取り組みの「見える 化」を図り、影響の低減、持続可能な利用につなげていきます。
東芝グループは、生物多様性の保全および生物多様性の構成要素の持続可能な利用のため、次の取り組みを行う。
東芝グループでは、(独)産業技術総合研究所が開発した日本版被害算定型影響評価手法(LIME)を活用して、生物多様性への影響を評価しています。LIMEは、事業活動のために消費された資源や排出された化学物質などが、人類社会と生態系に対してどのような影響を与えるかを係数化しています。生物多様性への影響は、「生態毒性」「土地利用」「資源消費」「廃棄物」の影響領域におけるダメージを定量化し、絶滅危惧種(レッドリスト)の絶滅リスクがどれだけ増加するのかを表す絶滅種増分期待値(EINES)を算出します。事業活動にともなう物質の入出力を、絶滅危惧種への影響という直接的な指標として定量的に把握することができます。


東芝グループは、製品の生物多様性への影響について、1)人間の健康、2)生物多様性、3)社会資産、4)一次生産の4つの視点で総合的に評価する日本版被害算定型影響評価手法(LIME)を用いて評価しています。また、生物多様性保全に貢献する製品の開発も進めています。



145kV GIS
変電所は、緑豊かな山間部に設置する場合もあります。そこで、旧型気中絶縁(AIS)変電所と、145kVガス絶縁(GIS)変電所の据付面積の削減による環境影響低減効果をLIMEを用いて評価しました。据付面積がAISの30分の1になるGISは、土地利用(森林の改変)や、廃棄段階の基礎コンクリート廃棄などの影響が大きく減るため、LIME統合評価指標を5分の1まで低減することができます。特に生物多様性への影響は、10分の1にまで低減できることがわかりました。

東芝グループでは、工場・事業所における生物多様性保全活動の目標として「事業所を基点とした地域連携による生態系ネットワークの構築」を掲げています。
東芝グループの事業所では、これまでの敷地内の緑化活動やビオトープ(生物の生息空間)の造成などによって、多様な動植物や地域の希少種の生息が確認されています。しかしながら、これらの生態系が事業所内で完結しているとは限りません。特に、事業所に飛来する鳥や昆虫などの生物を保全するためには外部とのネットワーク構築が重要となります。そこで、東芝グループでは事業所が立地する市町村や地域の住民の皆様、NPOなどと連携した地域生態系ネットワークの構築をめざしています。

東芝グループでは、2015年のあるべき姿として「生物多様性への悪影響を最小化し、改善に向けた転換が図られている」ことをめざしています。これは地域のステークホルダーと合意した保護対象の減少を2015年までに食い止め、そこからプラスにすることを意図しています。まずは、各事業所における保護対象の選定に取り組みます。


東芝グループでは、社外の専門家と連携し、事業所の立地環境における生物多様性ポテンシャル簡易評価を実施しました。これは、各事業所が土地利用を通じて地域の生態系ネットワーク構築にいかに貢献できるかについて、事業所を中心とする半径2km圏内の緑地や水系を評価するものです。
2010年度は日本国内14ヵ所とフィリピン1ヵ所で実施しました。各事業所の特徴を把握し、周辺地域の生態系ネットワーク構築へいかに貢献できるか(生物多様性ポテンシャル)を定量的に評価しました。今後は簡易評価の結果から特徴的な事業所を選んで、周辺地域の在来種・希少種など保護対象となる生物種の選定を行います。将来的には、地域のステークホルダーと連携した生態系ネットワークの構築をめざします。

| 分類 | サイト名 | 住所 | 緑地評価 | 水系評価 |
|---|---|---|---|---|
| 工業地帯 | 東芝 青梅事業所 | 東京都青梅市 | 4 | 4 |
| 東芝 深谷事業所 | 埼玉県深谷市 | 2 | 1 | |
| 東芝 京浜事業所 | 神奈川県横浜市 | 0 | 3 | |
| 東芝 横浜事業所 | 神奈川県横浜市 | 3 | 0 | |
| 東芝キヤリア 富士事業所 | 静岡県富士市 | 1 | 3 | |
| 東芝エレベータ 姫路事業所 | 兵庫県姫路市 | 3 | 4 | |
| 東芝情報機器フィリピン社 | フィリピン共和国 | 2 | 4 | |
| 住宅密集地 | 東芝 府中事業所 | 東京都府中市 | 3 | 4 |
| 東芝ソリューション 府中エンジニアリングセンター | 東京都府中市 | 3 | 4 | |
| 東芝 小向地区 | 神奈川県川崎市 | 0 | 2 | |
| 農地 | 東芝モバイルディスプレイ 石川工場 | 石川県能美郡 | 4 | 3 |
| 東芝メディカルシステムズ | 栃木県大田原市 | 3 | 3 | |
| 東芝テック 大仁事業所 | 静岡県伊豆の国市 | 4 | 4 | |
| 樹林地 | 東芝 四日市工場 | 三重県四日市市 | 3 | 6 |
| 中心市街地 | 東芝 本社ビル | 東京都港区 | 3 | 5 |

ラグーンに生息するカワセミなど希少種の保護

事業所内に自生するカントウタンポポの保護
東芝グループでは、事業所の排水の環境負荷を調べる新たな手法として、生物指標を用いた評価法(WET手法)を試みています。この手法は、排水中の化学物質の環境負荷について総体的に生物への影響の大きさとして確認するもので、欧米ではすでに導入されている方法です。試験は、発光バクテリア、藻類、甲殻類(ミジンコ)、魚類(ゼブラフィッシュ)の4種類の生物を用いて、米国ガイドラインを参考に国立環境研究所の協力を得て、短期慢性毒性試験を行いました。
2010年度は東芝横浜事業所を筆頭に、東芝グループのさまざまな業種から選定した5事業所で試験を行いました。どの事業所においても大きく生態環境への影響は見られませんでした。今後も定期的に状態を観察していく予定です。

評価で使うミジンコ(左)、ゼブラフィッシュ(右)(国立環境研究所提供)

排水のサンプリング
東芝横浜事業所ラグーンレポート(TOSHIBA公式Facebookページ 「Lagoon Reports」)
(別ウィンドウで開きます)
生物多様性保全への取り組みを進めるうえでは、環境に配慮した原材料の調達が重要な要素となります。東芝グループでは「生物多様性対応取引先からの調達体制構築」をめざしており、今後サプライヤーの皆様と協力しながらサプライチェーンでの取り組みを進めていきます。
東芝グループでは、「東芝グループ150万本の森づくり」を展開。自治体、NPOとも連携し、植林に加え、間伐、枝打ちなどの作業で森林を適正に整備することで、さまざまな生物の生育に適した生態系の実現に寄与しています。また、従業員参加型の森づくりイベントや自然観察会、自然観察指導員の育成を通じ、自然を愛する人づくりを進めています。




2011年7月、マニラに東芝アジア・パシフィック社およびフィリピン東芝グループが集い、200名以上が参加して、計2000本の植林を行いました

2010年11月、兵庫県宍粟市で52名の従業員が参加し、間伐・枝打ち・土留め・下刈の作業を行いました

2010年6月、東芝 横浜事業所内のビオトープで「森の科学探検隊」を開催し、従業員と家族43人が参加しました
東芝グループは、2009年5月に青森県と締結した森林の整備活動に協力する包括協定に基づき、七戸町、三沢市にある合計約10.5ヘクタールの山林・森林を青森県と協働で整備するとともに、従業員の環境教育の場としても活用しています。また東芝グループは「環境NPOオフィス町内会」が推進する「森の町内会」のシステム※を活用し、三沢市での間伐で産出された産材を製紙会社で紙に加工した後、パンフレットなどの印刷物やコピー用紙として利用しています。2010年3月には約63トンの間伐材が産出され、環境レポートなど自社印刷物への利用を推進しています。間伐の実施だけではなく間伐材を利用することで、循環型社会に貢献していきます。
