
環境効率は、持続可能な社会を目指すために、豊かさと環境への配慮を両立させるために用いる指標です。
価値を分子に、環境影響を分母にもつ環境効率は、環境への影響を小さくし、価値を大きくするほど大きくなり、総合的に評価することができます。
ファクターは、その環境効率が基準に対して何倍になったかを示し、価値ファクターと環境影響低減ファクターに分けて評価することができます。


東芝グループの取り組みは、2000年度製品を基準として、以下の3つの統合化を行うことを特徴としています。
このファクター算出による環境調和型製品(ECP)の創出活動を、東芝の頭文字にちなんで「ファクターT」と名付け、ECP創出のさらなる推進を図っています。

各製品のファクターを横軸の「価値ファクター」と縦軸の「環境影響低減ファクター」の2つの軸でプロットすることで、グラフの傾きから「価値の向上」と「環境影響の低減」のどちらが 強くファクターに影響しているかを読み取ることができます。

製品の価値ファクターは、品質機能展開(QFD)という手法を用いて、製品の機能・性能から価値を算出しています。QFDは、お客様(消費者)から寄せられた生の声から真の顧客要求を求め設計仕様(品質特性)とのマトリクス表を作成し、両者の関係の強弱を付けて重要な品質特性を導き出す手法で、東芝グループの製品開発における顧客満足度を高めるための方法論として定着しています。このQFD手法を応用し、評価製品と基準となる製品の性能を比較することで、重要な品質特性に応じた無次元の数値を求め、製品価値指標(価値ファクター)として統合化しています。

製品のライフサイクルにおける環境負荷の算出には、わが国の産業間の出荷額統計である産業連関表をベースとした環境負荷データベースを搭載した「Easy-LCA」を主に用いています。これは、東芝が1996年に開発したライフサイクルアセスメント(LCA)簡易評価ツールで、ライフサイクルにおける30種類の環境負荷項目(インベントリ)を算出できます。この環境負荷をLIME手法※によって総合的に評価して、基準製品と評価製品の環境影響を求めることで、環境影響低減ファクターが算出できます。

| カテゴリ | 項目 | |
|---|---|---|
| 消費 | 燃料 | 原油(燃料)、石炭、天然ガス |
| 資源 | 原油(原料)、鉄、銅、アルミ、鉛、亜鉛、マンガン、ニッケル、 クロム、砂利、砕石、石灰石、木材 |
|
| 排出 | 大気 | CO2、SOx、NOx、PM、HFC、HFC23、PFC、SF6 |
| 水質 | BOD、COD、SS、Total-N、Total-P | |
| エネルギー(発熱量) | ||
Easy-LCAで算出したさまざまな環境負荷から統合的な環境影響を算出するのがLIMEです。LIMEは、製品によるさまざまな環境影響を被害金額という形で統合化し、単一指標を算出することができる手法です。これは、数百に及ぶインベントリ項目から4つの保護対象(人間健康、社会資産、生物多様性、一次生産量)に対する被害量を最新の科学的知見から求め、コンジョイント分析という経済価値分析手法を用いて最終的に支払い意思額という形で換算し、単一指標として求められます。このLIME手法によって、さまざまな環境影響を総合的に評価できます。
このようにして、基準製品と評価製品の環境影響を求めることで、環境影響低減ファクターが算出できます。

環境効率、ファクターの業界での取り組みについて、電機メーカー8社による標準化活動を行っています。2006年には、電機5社で家電4製品について標準化ガイドラインを制定し、2007年にはエコプロダクツ展の8社共同ブースにおいてPR活動を行いました。今後は対象製品の拡大や国際標準化活動を中心に業界協調を進めていきます。
(株)東芝、(株)日立製作所、富士通(株)、松下電器産業(株)、
三菱電機(株)(50音順)
家電4製品の「ファクターX」について「標準化ガイドライン」を制定
三洋電機(株)、シャープ(株)、日本電気(株)を加え、電機8社にて検討を開始
