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環境活動

人と、地球の、明日のために。

リスクと機会

マテリアリティ

2015年以降、東芝グループでは3つの重要課題(マテリアリティ)を設定しています。組織の社会的責任に関する国際的なガイダンス規格「ISO26000」による自己評価に加えて、ステークホルダーとの対話や第三者機関による評価レビューなども参考に、東芝グループにとっての重要度とステークホルダーにとっての重要度の両面から評価し、特定しました。その一つが「環境経営」であり、さまざまな環境課題のなかでも「気候変動の緩和および気候変動への適応」「持続可能な資源の利用」「汚染の予防」の3項目は、そのリスクと機会を相対的に重要度の高い課題として位置づけています。

■ 当社のマテリアリティにおける環境関連項目の位置づけ

「当社のマテリアリティにおける環境関連項目の位置づけ」のイメージ

東芝グループのマテリアリティの詳細については、CSRウェブサイト(http://www.toshiba.co.jp/csr/jp/csr_management/materiality/index_j.htm)をご覧ください。

「気候変動の緩和および気候変動への適応」は、その影響の大きさ・広さから、事業活動に与える影響が大きいと考えています。IPCCによれば、気候ターゲット2℃以下にするためにはCO2累積排出量を800GtC以下にする必要があり、現状の排出規模が続けば20-30年のうち許容量を超えてしまうことも指摘されています。これにともなって異常気象の増加や気象パターンの変動が大きくなることも想定されています。脱炭素社会に向けて温室効果ガス排出量を大幅に削減していくとしても、また、温度上昇・気候変動影響が一気に顕在化してくるとしても、不確実性をはらみながらも大きな社会システムの変化をともなうものであり、このような大きな変化によるリスクと機会をしっかりと認識し、これからの企業経営に組み込んでいくことが必要不可欠です。

「持続可能な資源の利用」については、エネルギー効率だけでなく資源効率に関する法規制が導入されるリスクや、資源価格の高騰、調達リスクなどがありますが、資源効率を改善させることでコスト削減につなげるとともに、リユース・リサイクルによる資源依存度の低減を図ります。

「汚染の予防」は化学物質リスクの最小化をめざし、製品含有化学物質管理を徹底します。グローバルにさまざまな関連法規制が本格化しており、サプライチェーンでの情報伝達を着実に行い、対応の遅れや不備により事業停止のリスクを回避します。また、4種フタル酸エステルの簡易スクリーニング技術の開発など、導入される法規制への対応をビジネス機会としても捉えています。

東芝グループ環境経営は、環境ビジョン2050の実現をめざし、これら重要課題への対応を中心に継続的な対応を進めていきます。

Intergovernmental Panel on Climate Change:国連気候変動に関する政府間パネル

気候変動のリスクと機会

前述のとおり、気候変動のリスクと機会は重要な経営課題の一つであり、2020年に向けた行動計画(第6次環境アクションプラン)のなかで気候変動対応として複数のKPI(重要業績評価指標)を盛り込んでいます。温室効果ガスの管理は、炭素税などの政策や省エネ規則への対応というだけでなく、企業の気候変動への取り組み姿勢が企業の環境ブランドさらには製品・サービスの選択に影響を及ぼすようになっていく可能性があることを踏まえ、事業プロセスと製品・サービスの両面からKPIを設定しました。

事業プロセスの温室効果ガス管理は、今後の規制強化に対する移行リスク低減(例えば、将来の炭素税の導入・強化など)として有効です。加えて、生産性向上によって移行リスクを抑えつつ競争力を高めること、さらに業界レベルを超える削減活動の推進によってレピュテーションを向上させることを機会と捉えています。

製品・サービスは省エネ規則の強化が移行リスクとなりますが、グローバルでの環境法規制動向を業界団体や社外サービスを活用してモニタリング・評価しており、この分野に特化した人材育成も進めています。併せて、各地域での省エネ市場拡大やエネルギー需要拡大の機会を最大化するよう、需要側と供給側の両面からCO2排出抑制量を数値目標として定めており、再生エネルギー事業の拡大やエネルギー効率の高い製品・サービスの拡大を進めていきます。

さらに第6次環境アクションプランでは、レピュテーションにかかわるリスクと機会を鑑みて「情報開示の充実」を盛り込んでいます。これらのKPIは、半年に1度のコーポレート地球環境会議において進捗を管理しており、社外動向を踏まえて継続して取り組みを進めていきます。なお、昨年度から事業構造改革の途上にあり、新しい事業ポートフォリオに合わせて、上記KPIの2019年度以降の目標値は順次見直していくことになります。

また東芝グループでは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が示した推奨事項に沿って、中長期にわたってのリスクと機会を網羅的に評価しています。当社は社会インフラを核として、エネルギー、電子デバイス、デジタルソリューションの4つの事業領域を持ち、各事業によってリスクドライバーは異なることから、グループ各社がそれぞれのビジネスの状況に照らし合わせてリスクと機会を特定しています。TCFDが定めるリスク項目に沿って、炭素税の導入・強化(政策・規制リスク)、技術の代替化(技術リスク)、気候変動訴訟の発生(法律)、省エネ性能をさらに重視(市場リスク)、環境ブランド低下(評判リスク)、洪水などによる事業停止や光熱費の増大(物理リスク)を対象に、各リスク項目の発生確率を10段階で評価し、さらにその影響度を5段階で評価、併せてリスク対応策をリストアップしています。機会については、脱炭素社会への移行にともなってドライブがかかる領域と新たなマーケットの拡大の観点で自社ビジネスを評価しており、最新の社外動向を反映しながら逐次アップデートしていきます。

最も大きな財務影響をともなうリスクは事業停止であり、石炭火力発電への逆風に代表されるように、一事業体としての経営判断を超えて、国あるいは地域全体での政策動向に左右される面が大きいことも事実です。このようなリスクに対しては、エネルギーミックス全体をカバーする事業構成を持ち、また、脱炭素社会への移行プロセスにおける顧客要求に合わせて最適なエネルギーソリューションを提供する体制を整えています。併せて、高効率化により環境負荷低減を図る700℃級 超々臨界圧発電システム(Advanced-USC)、発電とCO2の分離・回収を同時に実現できる超臨界CO2サイクル発電システム、CO2を排出するプラントからCO2を分離回収する技術によるCO2排出削減への取り組みを引き続き行っていきます。

一方で、社会インフラを中核とする当社は、低炭素型・脱炭素型システムをいち早く社会に実装し、脱炭素社会に向けた移行を加速させることが使命であり、ここに大きな機会が存在すると考えています。モビリティ分野やビル・施設の低炭素化、分散型エネルギーシステム、高効率モノづくりなどは、当社の強みを生かし、機会を増やすことができる領域です。

物理リスクは顕在化しているものはありませんが、当社グループの生産・販売拠点において洪水や台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、原材料部品の調達停止、物流販売機能の麻痺等により、生産拠点の操業停止等が生じる可能性があります。このようなリスクに対しては、拠点別にBCP(Business Continuity Plan)策定やサプライヤーのマルチ化などを進めています。

一方で、気候変動への適応ニーズはさらに拡大していくことが予想され、都市型洪水に備える気象レーダや雨水排水システムなどを含めた防災ソリューションの拡大、熱中症対策としてのエアコンのグローバル展開などは事業拡大につながると考えています。

環境負荷全容

材料調達から製造、物流、お客様使用時、回収・リサイクルまで、製品・サービスのライフサイクルの各段階における環境負荷を定量化しています。データ集計範囲は東芝および東芝グループ389社(2017年度実績)です。投入された資源・エネルギーと排出された温室効果ガス、化学物質など環境負荷が及ぼす環境影響について、日本版被害算定型影響評価手法(LIME)を用いた統合評価も行い、経済的な価値として表現します。これにより、売上高との対比、環境効率の改善状況、さらには環境リスクの大きさとして認識しやすくなります。

「環境負荷全容」のイメージ

材料調達段階は、製品・サービスの省資源化、再生材および資源循環の拡大、グリーン調達の推進などにより、環境影響の低減を進めていきます。第6次環境アクションプランでは「省資源化量の拡大」と「循環資源(再生プラスチック)使用量の拡大」「製品に含まれる特定化学物質の削減」をKPIとしました。

製造段階では、法令遵守だけにとどまらず、全体の環境影響を抑え込むよう継続的なプロセス改善が求められます。第6次環境アクションプランでは「温室効果ガス総排出量の抑制」「エネルギー起源CO2排出量原単位の改善」「廃棄物量の抑制」「廃棄物総発生量原単位の改善」「水受入量原単位の改善」「化学物質総排出量原単位の改善」をKPIとし、総合的な環境影響の低減をめざしています。

再生可能エネルギーによる発電(利用)電力は2017年度実績54TJとなりました。これは、2,887トンのCO2排出削減に相当する量です。製造段階の脱炭素化に向けて、今後も再生可能エネルギーの比率拡大に努めます。

物流・輸送段階では、積荷集積率の向上、モーダルシフトの拡大、物流拠点再編による輸送距離削減など、エネルギー・CO2削減施策のほか、梱包・包装の3Rも継続して取り組んでいます。

ライフサイクルのなかでは製品・サービスの使用にともなう環境影響が最も大きいことがわかります。第6次環境アクションプランでは「製品・サービスによるCO2排出抑制量の拡大」をKPIに設定し、社会全体の環境負荷低減につながる製品・サービスの拡大を進めています。当社はエネルギー供給側とエネルギー消費側の両面から低炭素化への貢献が可能であり、KPIも供給側と消費側の2つを設定しました。

回収・リサイクル段階では、業務用エアコンやMFP・POSなど、グローバルで使用済み製品の回収と再資源化に取り組んでいます。

環境負荷全容の把握は目標・施策立案に必要不可欠です。また、第6次環境アクションプランでは「情報開示の充実」を活動推進項目とし、レポーティングの充実を掲げています。今後もデータ収集項目の拡充やデータ精度の向上を進めていきます。

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