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環境活動

人と、地球の、明日のために。

特集:持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて

2015年9月にニューヨークの国連本部において採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」では、国際社会が2030年までに貧困や飢餓、エネルギー、気候変動などの持続可能な開発を実現するための重要な指針として、17の目標「持続可能な開発目標(SDGs)」を定めています。SDGsは2030年における社会の骨格であり、世界共通言語として広く普及してきました。東芝グループでは、気候変動への対応や持続可能な消費の促進などSDGsの多くが環境経営と密接な関係にあり、環境経営の推進によって達成が可能であると考えています。

■ 東芝グループの対応方針
「東芝グループの対応方針」のイメージ

東芝グループは「社会インフラ」を核に、「エネルギー」、「電子デバイス」、「デジタルソリューション」の4つの事業領域に注力しており、SDGsのなかでも「目標3:福祉の促進」「目標6:水アクセス」「目標7:エネルギー」「目標8:経済成長・働きがい」「目標9:産業・技術革新」「目標11:まちづくり」「目標12:持続可能な消費と生産」「目標13:気候変動」「目標15:陸域生態系の保護」等の達成に、事業を通じて貢献します。

社会インフラ事業やエネルギー事業は、地域課題を複合的に解決することができる領域です。エネルギーや公共インフラは導入した国・地域のSDGs達成に直接的・間接的にかかわっており、当社の事業によって「持続可能なエネルギーシステム」、「持続可能な都市」、「持続可能なバリューチェーン」、「気候変動への適応」などの実現に貢献していきます。

電子デバイス事業はライフサイクルを通してさまざまなSDGsとかかわりを持ちます。例えば、上流工程の情報伝達、製造時の環境負荷低減や工場における周辺地域とのコミュニケーション、最終製品の性能向上や環境負荷低減などであり、これからのSDGsが実現する社会を支えていく基盤であると考えています。

デジタルソリューション事業は、日本政府が提唱する「Society 5.0」からもわかるように、イノベーションを通じた貢献が期待される領域です。社会インフラ事業やエネルギー事業の付加価値を向上させるとともに、SDGs達成のスピードを加速させることができると考えています。さらには新たなソリューションによって、これからの社会像を創出していくポテンシャルを持っています。

一方で、環境経営の基盤活動もSDGs達成と密接な関連があります。拠点では、環境法令への着実な対応に加えて、エネルギー消費、資源消費、取水・排水、化学物質排出などの削減努力を続けています。拠点が立地する国・地域によって遵守すべき法令が異なるだけでなく、各国のSDGs対応方針によって環境負荷の優先度も変わりますが、「目標6:水アクセス」「目標11:まちづくり」「目標12:持続可能な消費と生産」「目標13:気候変動」などの達成を見据えた活動を進めていく必要があります。また、グローバル約70拠点で進めている生物多様性保全活動は、生態系ネットワークの構築や希少種の保護などが「目標14:海洋資源の管理」および「目標15:陸域生態系の保護」の達成に沿うものです。さらに、環境教育やグローバル環境アクションを通じて従業員の環境マインドを育てることも「目標4:環境教育」の達成につながります。拠点における環境マネジメントは、これらを包括的に取り入れ、SDGs実現の基盤を形成していきます。

  • 目標3:あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
  • 目標4:すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
  • 目標6:すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
  • 目標7:すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
  • 目標8:すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
  • 目標9:強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
  • 目標11:都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
  • 目標12:持続可能な消費と生産のパターンを確保する
  • 目標13:気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
  • 目標14:海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
  • 目標15:陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
  • 目標17:持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

出典
国連開発計画(UNDP) http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals.html

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事例

エネルギー

【事例1】地熱発電システム(アフリカ)

東芝エネルギーシステムズ(株)

背景

アフリカ全体における未電化率は約65%、未電化人口は約6.3億人となっています※1。このような地域では、「エネルギーの安定供給およびエネルギーアクセスの改善」と「低炭素化」の両立が求められています。

※1
北アフリカ(エジプト・リビア・チュニジア・アルジェリア・モロッコ・西サハラ)を除く。出典:JICA

事業概要

「ケニア・オルカリア4号地熱発電所」のイメージ
ケニア・オルカリア4号地熱発電所

地熱発電は地球内部のマグマの熱によってつくられた天然の蒸気を用いてタービンを回すことで電力を発生させる、再生可能エネルギーの一種です。アフリカは当社の地熱発電事業における注力地域であり、2013年にケニア最大の地熱発電所であるオルカリア1号・4号地熱発電所に蒸気タービンと発電機を納入しています。アフリカ以外も含め、当社は現在世界各国に57台、3,687MW(2018年5月時点)の発電設備を納入しており、世界の地熱発電機器市場でトップ※2の23%のシェアを占めています。最近ではインドネシアやトルコなど他地域への拡大も進め、世界各地の課題解決に貢献しています。

※2
出典:Bloomberg News Energy Finance (Dec, 2017) 設備容量ベース、2017/12末運転ベース

SDGsへの貢献

目標7:エネルギー目標13:CO2削減

地熱発電システムは天候等に影響されず安定的に電力の供給ができ、発電コストが低く、化石燃料に依存しないためCO2の排出量も少ない再生可能エネルギーです。

目標17:パートナーシップ

これまでにエチオピア、タンザニア、ジブチ、ウガンダでの地熱発電事業の協業に関する覚書を相手国政府や関係企業などと締結し、事業開発に取り組んでいます。

目標9:経済・雇用効果目標4:教育

機器の開発・供給、運転・管理に必要なガイドラインの作成に加え、研修生の受け入れなど人材育成の支援をしています。

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スマートモビリティ

センシング・通信技術、バッテリー技術、半導体技術などにより、さまざまなモビリティインフラの交通とエネルギーの最適運用をめざします。

【事例2】モーダルシフトを支える機関車・貨物輸送システム(グローバル)

東芝インフラシステムズ(株)

背景

私たちの日常を支える物流。その物流において重要な位置を占めるのが鉄道による貨物輸送です。地球温暖化防止の観点から、トラックなどの輸送手段を鉄道などに転換して環境負荷の低減をねらう「モーダルシフト」が有効な対策の一つとして注目されていますが、この鉄道貨物においても、システム全体のさらなる省エネ化など環境対応のニーズが欧州をはじめとした世界中の国々で高まってきています。

事業概要

「ハイブリッド機関車」のイメージ
ハイブリッド機関車

鉄道貨物を牽引するのが、電気機関車やハイブリッド機関車です。当社は1923年(前身の芝浦製作所時代)に初めて電気機関車を製造して以来、国内はもとより、中国、インド、トルコ、ニュージーランド、南アフリカなど各国に電気機関車を送り出してきました。また、近年、パワーと稼働率が求められてきた海外でも、ディーゼルエンジン、発電機と蓄電池を動力源とするハイブリッド機関車への関心が高まりつつあり、国内で実績を積んだハイブリッド機関車に対する知見や、高効率の永久磁石同期電動機(PMSM)、リチウムイオン二次電池SCiB™など当社の技術を組み合わせることで、海外市場へ省エネ型のソリューションを展開しています。

SDGsへの貢献

目標11:サステナブルな都市

安全で環境に配慮した持続可能な輸送システムを実現しています。

目標13:CO2削減目標7:エネルギー

  • 高性能リチウムイオン二次電池SCiB™を主な動力源とし、回生エネルギーの有効利用による燃料消費量の削減やNOxなどの大気汚染物質の排出削減に貢献しています。
  • 消費電力を大幅に削減できる高効率な永久磁石同期電動機(PMSM)により、さらなる省エネ化を実現します。

目標12:持続可能な資源利用

  • PMSMは全閉構造なので内部清掃が不要、メンテナンスコストも大幅に軽減しています。
  • 構造面においてモジュラーコンセプトを採用し、保守作業性の向上を実現しています。

【事例3】ITS(高度道路交通システム)(ベトナム)

東芝インフラシステムズ(株)

背景

ホーチミン市を含むベトナム南部地域では、経済発展にともない移動の手段がバイクから自動車に移行しています。ホーチミン市とゾーザイ市を結ぶ区間は、2014年1月の一部開通以降、3,000万台に及ぶ車両が通行している幹線道路となっていますが、自動車の急速な普及により道路網はすでに飽和状態にありました。

事業概要

「ITS(高度道路交通システム)」のイメージ

ITS(高度道路交通システム)は、人と道路と車両を最先端の情報処理技術で一体的に処理し、渋滞や事故など道路交通が抱える課題を解決するシステムです。交通管制システムや料金システムなどさまざまなシステムから構成されますが、今回のプロジェクトでは新設された55km部分の道路に必要なITS設備を、中央装置から路側装置まで一括して納入しています。現地での機器設置工事と試験運用を完了し、2017年3月から正式運用が開始されました。

SDGsへの貢献

目標11:スマートな都市

ETCを含む料金収受システムのほか、交通状況を自動把握するための車両検知システムを設置し、監視用カメラ、気象状況を把握するためのセンサー、さらに道路管理者専用の無線通信設備なども導入しました。今後も継続して増加が見込まれる交通需要への対応が可能であり、物流の効率化および交通渋滞の解消につながります。

目標13:CO2削減

交通渋滞の軽減は、排出されるCO2のみならず大気汚染物質の削減に貢献します。

目標9:イノベーション

ITSは、開発途上国における重要な道路交通インフラとして経済発展に貢献します。

目標17:パートナーシップ

当社を含む日系コンソーシアムが、日本企業として初めて海外向けに開発したITSパッケージであり、ベトナム高速道路公社から受注した大型プロジェクトです。

【事例4】画像認識プロセッサVisconti™(日本)

東芝デバイス&ストレージ(株)

背景

全世界の交通事故による死亡者は毎年約125万人にのぼりますが、交通事故原因の90%以上が運転者のヒューマンエラーといわれています。「自動運転」は、安全な走行を行うことで交通事故による死亡者数の低減に貢献することが期待されています。加えて、交通渋滞を緩和することによる環境負荷低減、ドライバーへの運転負担軽減や高齢者の安全運転支援や地方の活性化といった社会課題の抜本的な解決策としても期待されています。これを実現するためには、衝突回避・駐車支援・自動走行などの人が運転する行為を安全面からサポートする技術がキーであり、カメラからの画像を処理する高精度な画像認識プロセッサが必要不可欠です。

WHO調べ

事業概要

当社は画像認識プロセッサ「Visconti™シリーズ」を開発しました。人間の目と運転感覚を総合的に支援する最先端の半導体テクノロジーを、未来の視野で提供していきます。

「運転支援のためのアプリケーション」のイメージ

「画像認識プロセッサVisconti™」のイメージ

SDGsへの貢献

目標11:スマートな都市目標9:イノベーション目標3:交通事故の低減

リアルタイムでの道路状況の把握や、回避行動をとるために障害物を検出することが可能です。自動車の安全運転支援や自動運転には、車両周辺の歩行者や他の車両などを正確に画像認識し、安全性を確保することが求められます。Visconti™4は、夜間の歩行者検出機能を向上させるとともに、単眼カメラで得られる時系列画像から3次元情報を取得することで、路上落下物など見た目の規則性がない障害物検出を可能にしました。これらの機能により、運転者のヒューマンエラーによる事故をより低減し、安全で快適な街づくりに貢献し、子供から高齢者までが住み続けられる街を実現します。

目標13:CO2削減

画像認識の性能向上には多くの信号処理を行う必要があり、消費電力が大きくなる傾向にあります。Visconti™4はマルチコア化、独自の画像処理回路の採用、低消費電力型メモリへの対応等、さまざまな工夫により高性能と低消費電力を両立しています。

【事例5】AI技術を活用した乗合いオンデマンド交通システム(日本)

東芝デジタルソリューションズ(株)

背景

人口減少にともなう路線バスの廃止や運転免許を自主返納する人の増加など、国内では高齢者を中心とする交通困難者が増えています。また、観光客の誘致や地域住民の交流など地域活性化が期待されるなか、安価で便利な交通手段が求められています。
順風路(株)は、東京大学と共同で乗合いオンデマンド交通システム「コンビニクル」を開発し、2009年から稼動を続けています。現在、全国42カ所で毎月65,000人が利用しています。

事業概要

乗合いオンデマンド交通(タクシー・バスなど)は、予約があったときのみ運行する公共交通です。利用者からランダムに入る乗降車場所、時間のリクエストに応じ、運行計画(ルート、スケジュール、乗降人数など)を自動で設定します。
2018年より当社と順風路(株)は、AI技術を活用した乗合いオンデマンド交通の実証実験を開始しました。実証実験では、需要予測による効率的な運行計画の設定をめざしています。順風路(株)がこれまでの運行実績で収集したデータに気象情報・交通情報等の外部環境データを統合したビッグデータをもとに、東芝アナリティクスAI「SATLYS™(サトリス)」を用いて、数週間程度先までの乗降車場所や時間・人数の需要を予測し、地図上に「見える化」することで配車数の事前調整などに活用します。さらに、需要を見込んだイベントなど街づくりの活性化の検証も行います。

「SATLYS™(サトリス)」のイメージ

SDGsへの貢献

目標8:働きがい、経済成長目標11:スマートな都市目標3:交通事故の低減

  • 交通困難者の就業機会の増加、ドライバーやオペレータの雇用創出に貢献します。
  • 交通困難者の外出機会を増やすことで、地域の活性化につながります。自治体の負担軽減、コミュニティの創出、施設・商店・カルチャー教室などの利用機会の増加、交通事故削減による安心安全な街づくりにも貢献します。

目標9:イノベーション目標13:CO2削減

  • 継続的なデータ分析により、地域の変化に最適なモビリティシステムを実現します。
  • 他の公共交通との円滑な連携等を実現し、駐車場不足への対応、路上駐車の機会削減や最適なルート提供による燃料の削減等、CO2の削減にも貢献します。

目標17:パートナーシップ

順風路(株)とともに、千葉県内の地域経済牽引事業計画をパイロットケースとし、現在稼動している全国42カ所をはじめ全国の都市部へ展開し、今後地域経済を牽引する各運送事業者等に波及させていく予定です。

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ビル・施設

【事例6】ラゾーナ川崎東芝ビル・スマートコミュニティセンター(日本)

東芝インフラシステムズ(株)

背景

日本のGHG(温室効果ガス)排出量の22%は業務その他部門(商業・サービス・事業所等)※1であり、2030年のGHG削減目標達成に向けてこの分野での大幅な排出量抑制が求められています。経済産業省は2030年までにすべての新築のZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)化、すなわち、室内環境の質を維持しながら50%以上の省エネを達成し、さらに太陽光発電等の再生可能エネルギー導入によってネットゼロのエネルギーの実現することを目標に掲げています。
ZEB実現のためには、建築上の工夫・設備機器の高効率化・エネルギーマネジメント・再生可能エネルギーなど総合的な施策を取り入れるだけでなく、継続的な省エネ推進が必要となります。

※1
環境省調べ

施策概要

「ラゾーナ川崎東芝ビル・スマートコミュニティセンター」のイメージ
ラゾーナ川崎東芝ビル・スマートコミュニティセンター

ラゾーナ川崎東芝ビル・スマートコミュニティセンターは、環境と防災に配慮した次世代オフィスビルであり、一般のオフィスビルと比較してCO2排出量を50%削減できる省エネビル基準「ZEB Ready」に相当します。建物・設備機器の高効率化により35.8%を、スマートBEMSにより14.2%をそれぞれ削減可能であり、CASBEE川崎※2Sランクを取得しているほか、省エネ大賞・省エネルギーセンター会長賞(平成28年度)なども受賞しています。

※2
川崎市建築物環境配慮制度

SDGsへの貢献

目標11:スマートな都市目標9:イノベーション

  • スマートBEMSにより、人の在/不在を検知し人数に応じた空調と照明の連携制御を実現することができ、省エネと快適性の両立が可能となります。またフロア別や1人当たりの消費電力量を「見える化」できるため、従業員の省エネ意識を高めることにもつながります。
  • 免震構造の採用、非常用自家発電装置、二次電池SCiB™を用いたエレベーター停電時継続運転システム、災害時電力需給制御システムなどの導入によりBCP※3を確保しています。1,500kVAの非常用発電機2基と大容量の上水・雑用水受水槽を備えており、最低72時間の電気と水の供給を可能にしています。
※3
災害や事故などを想定した事業継続計画

目標13:CO2削減目標7:エネルギー

  • 空調機器、LED照明、エレベーターなど、高効率機器を導入しています。
  • エコキューブと呼ばれるキューブ型建築の採用により外装面積を低減し、断熱性を確保しています。

目標17:パートナーシップ

野村不動産(株)、(株)日建設計、(株)大林組およびNREG東芝不動産(株)とともに、建築計画と設備計画、施工、運用が一体となったプロジェクト体制により、次世代省エネ型オフィスビルを実現しています。

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リテール&プリンティング

【事例7】ペーパーリユースシステムLoops(グローバル)

東芝テック(株)

背景

あらゆるワーク・プレイスで必要不可欠な存在である「紙」は、読みやすい・書き込みできるなどの便利さから、未だ広く使用されています。しかし紙は、主に「購入・保管・廃棄などに費用がかかる」といった経済的視点や、「廃棄・資源利用などの面で環境に負荷がかかる」といった環境的視点から、使用量の削減を常に求められています。そこで当社は、便利な紙を使用しながらその使用量を削減できる「紙の再利用(リユース)」に着目し、「ペーパーリユースシステムLoops」を開発しました。

事業概要

ペーパーリユースシステムLoopsは、当社独自の「消せるトナー※1」で印刷した紙をリユースすることにより、使用する紙を削減することができます。またLoops LP35/LP45/LP50は、1台のマシンで「消せる印刷」と「消せない黒トナーでの印刷(=通常の白黒印刷)」ができるハイブリッド複合機となり、省資源・省スペース、また快適・便利に「消せる印刷」を利用できます。

※1
「消せるトナー」は一定の温度を加えることで印字色が消える(消色)特性があり、印刷〜消色〜印刷を繰り返し行うことで、1枚の用紙を何回もリユースすることが可能

「自治会とのニナ(ホタルの餌)放流・確認」のイメージ

「Loops LP35/LP45/LP50」のイメージ
Loops LP35/LP45/LP50

SDGsへの貢献

目標9:資源利用効率の向上目標12:持続可能な消費と生産

紙を再利用(リユース)することで紙資源利用の効率化に寄与し、廃棄物の削減にも寄与しています。また、前機種(Loops301)は「消せる印刷」だけができる単機能複合機でしたが、Loops LP35/LP45/LP50は1台のマシンで「消せる印刷」と「消せない黒トナーでの印刷」ができるハイブリッド複合機となり、製品製造に必要な資源の有効活用を図っています。また、使用者が限りある資源を有効に利用する「つかう責任」の意識を向上させることも期待できます。

目標13:CO2削減目標15:森林資源減少の阻止

紙の再利用(リユース)によって紙の使用量が削減できるので、紙の製造に由来するCO2排出量や水使用量の削減に貢献できます。同じ用紙を5回使用した場合、ライフサイクルにおけるCO2排出量を約52%※2削減することが可能です。また、紙の使用量削減によりパルプの使用量が削減でき、原料である木材伐採が抑制され森林資源の保護につながります。

目標8:働き方改革

業務効率化だけに着目したシステム化は、ややもすればワークフローが大きく変わることで、かえって作業効率が低下するという本末転倒の結果になりかねません。そこで、紙ベースで行った方が効率的な業務はペーパーリユースシステムLoopsを活用することで、業務の流れを変更せずに紙の使用枚数を削減し、コストと環境負荷を低減することが可能となります。ペーパーリユースシステムLoopsは、ワークフローを大きく変更することなく、働き方改革にも貢献できます。

目標17:パートナーシップ

(株)パイロットコーポレーションと協働で、フリクションシリーズ※3の技術をもとに「消せるトナー」を開発しました。「発色剤」と「発色させる成分」、「変色温度調整剤」をマイクロカプセルに収め、インキの色材としています。常温では「発色剤」と「発色させる成分」が結びついて発色していますが、設定温度を超えると「変色温度調整剤」の働きにより、「発色剤」と「発色させる成分」が分離して色が消えます。

※2
当社計算方式で算出
※3
「フリクション」は(株)パイロットコーポレーションの登録商標です

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防災

【事例8】マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(日本)

東芝インフラシステムズ(株)

背景

自然災害は予測が困難であり、また、時代とともに災害の内容も変化しています。なかでも近年、気候変動による局地的大雨(いわゆるゲリラ豪雨)や竜巻による甚大な被害が大きな社会問題となっており、今後その頻度や規模が拡大していくと予測されています。国内ではこの状況を受けて2018年6月に「気候変動適応法」が成立しており、国や自治体、企業などが気候変動のリスクに備える「適応策」に積極的に対応することが強く求められています。

事業概要

「レーダアンテナ装置」のイメージ
レーダアンテナ装置
「埼玉大学に設置されたMP-PAWRレドーム」のイメージ
埼玉大学に設置されたMP-PAWRレドーム

内閣府が進める「レジリエントな防災・減災機能の強化」の施策として、当社を含む研究グループが開発した世界初の実用型「マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR)」を2017年11月21日に埼玉大学に設置しました。
MP-PAWRは、アンテナを従来の反射鏡型から最新のフェーズドアレイ型にしています。そのためアンテナを1回転させるだけで、地上から高さ15kmほどの空間の雨雲を半径60km内であれば30秒、半径80km内であれば1分で立体的に捉えることが可能です。また、高精度の降水観測機能を搭載した結果、従来型の気象レーダよりもゲリラ豪雨の兆候とその雨量を迅速に、かつ高い精度で観測できるようになりました。急速に発達する積乱雲を観測し、20〜30分先の局地的大雨や竜巻危険度を高精度に予測することが可能です。

SDGsへの貢献

目標13:気候変動への適応

気候変動の影響で発生する局地的大雨や竜巻等の自然災害に対する適応策を提供し、災害のリスクを低減します。

目標11:レジリエントな都市

本レーダを用いてゲリラ豪雨の早期予測・浸水予測、強風予測の情報提供を行うことで、自治体が浸水の危険性がある場所を事前把握することが可能となり、余裕を持って水防活動や住民への避難指示を行うことができるようになります。

目標17:パートナーシップ

(国研)情報通信研究機構(NICT)、首都大学東京、名古屋大学、および埼玉大学との研究グループで共同開発しています。

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海外現法における拠点管理

【事例9】インド現地法人における環境負荷低減施策(インド)

東芝エネルギーシステムズ(株)

背景

人口増加や急速な経済発展などの影響により、インドの水不足問題が深刻化しています。インドの人口約13億のうち6億人が水不足に直面しているといわれ、安全な水が得られないために毎年約20万人の人命が奪われています※1。川や地下水の水質汚染も大きな問題となっており、都市部を中心に排水規制の強化が進んでいます。
また、インドは地理的な特徴から世界でも自然災害の発生しやすい国の一つであり、サイクロンや洪水などによって河川が氾濫するリスクがあります。さらに経済発展にともないインドのCO2排出量が急激に増加し、世界第3位となっていることから、工場におけるCO2の発生をいかに抑制するかも重要な課題です。
このような状況から、インドの製造拠点においては水使用量の削減や排水管理をはじめとする水リスクへの対応や、自然災害対策、CO2排出量削減に向けた対応などが強く求められています。

※1
インド行政委員会調べ

施策概要

「雨水や処理水の再利用」のイメージ
雨水や処理水の再利用
「バイオマスボイラーの活用」のイメージ
バイオマスボイラーの活用

「災害に備えた設備の床上げ」のイメージ
災害に備えた設備の床上げ

東芝ジェイエスダブリュー・パワーシステム社では水リスクへの対応として、雨水や処理水のリユースによる節水を進めています。雨水を池に溜めて構内の植栽に散水したり、排水を処理して冷却水やトイレ用水として再利用するなど、敷地外への排水ゼロ化を進めています。また、自然災害により河川が氾濫し、工場が浸水するリスクを想定し、主要設備の周囲に堤を設置したり、制御盤や自家用発電機を床上げして設置するなどの対策も行っています。
東芝電力流通システム インド社では工場で発生するCO2の削減に向けて、バイオマスボイラーの活用を進めています。綿花のカスなどを利用したバイオマス燃料を年間2,236トンほど構内のボイラーで燃焼しており、発生した熱を製造工程で使用する恒温槽の熱源として使用しています。他にも、生物多様性保全活動として敷地内における動植物のモニタリングや社内への普及啓発を行ったり、約5,000人分の食堂の残飯をコンポスト化し、工場内の緑化に使用して廃棄物を削減するなど、総合的な環境管理活動を進めています。

SDGsへの貢献

目標6:水資源の有効活用

雨水や処理水の再利用を推進することで、排水ゼロ化を実現します。

目標7:エネルギー

カーボンニュートラルであるバイオマスボイラーの活用により、化石燃料の使用量を減らすことができ、CO2排出量を大幅に削減できます。

目標13:気候変動への適応

自然災害によって工場が浸水するリスクを想定し、堤の設置や設備の床上げなどの対策をしています。

目標15:生物多様性保全

敷地内における動植物のモニタリングや動物の呼び込みを行い、生態系の保護に努めています。また、モニタリングで撮影した動植物の写真を掲示するなど従業員に対する普及啓発活動も推進しています。

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