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2050年のあるべき姿を実現するファクター値とは?

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[2009年10月]

2050年のあるべき姿を実現した場合のファクター値について考えてみたいと思います。

東京大学の茅陽一名誉教授(地球環境産業技術研究機構副理事長兼研究所長)は、以下の図のように、人類の活動とCO2の排出量との関係を表した、いわゆる「茅恒等式」を提唱されています※。この式は1990年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)に二酸化炭素排出量抑制のGDP成長に与える影響として報告され、IPCCの第4次報告書でも参照されています。

本式において、「人類の活動にともなうCO2排出量」は、「エネルギー消費当たりのCO2排出量」、「経済活動のエネルギー効率」(エネルギー消費量とGDPの比)、「人口1人当たりの経済水準」、および「人口」の積で示されています。

環境効率は「価値/環境影響」で示されますが、これを単純化して、「価値」を経済的な豊かさの尺度である「GDP」で、「環境影響」については「CO2排出量」で、それぞれ象徴させることとします。すなわち「環境効率=GDP/CO2排出量」とみなすこととすると、環境効率は、茅恒等式より「1人当たりのGDP(G/P)」、「人口(P)」と「CO2排出量の逆数(1/CO2)」の積で示すことができます。

ここで、2050年の予測・目標に基づいて、世界の環境効率の改善度(ファクター)について考えてみましょう。

  1. まず、OECD(経済協力開発機構)によると、「1人当たりのGDP(G/P)」、すなわち「価値」は各国間で大きくばらつきがあるものの、世界全体における平均としては、3.4倍に成長すると予想されています。
  2. 次に、1.5倍に増加すると予想される世界の人口増加にともなう環境負荷の増大を抑制するために、環境効率は1.5倍に高めることが必要です。
  3. そして、2009年7月の主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)では、先進国については2050年に温室効果ガスの排出を80%削減することが合意されましたが、12月のCOP15(コペンハーゲン)では、世界全体としてCO2を半減するとの共通目標が議論されます。このためには、環境効率を少なくとも2倍に高めることが必須です。

以上を総合すると、世界全体の平均的な環境効率の改善度は、3.4×1.5×2=10倍、すなわちファクターを10とすることが求められているといえます。因みにCO2削減の中期計画として、2020年における具体的削減目標値が先進国を中心に議論されていますが、上記と同様に2020年までの人口およびGDPの増加率を考慮すると、例えばCO2を15%削減する場合のファクター値は2.6、30%削減の場合は3.2となります。

Kaya Y. : Impact of carbon dioxide emission control on GNP growth : Interpretation of proposed scenarios, Paper preseted to the IPCC Energy and Industry Subgroup, Response Strategies Working Group, Paris, (mimeo), (1990).
IPCC 2000 : Special report on emissions scenarios, Cambridge University Press, (2000).

■ 2050年のファクター値は?
「2050年のファクター値は?」のイメージ

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