ドイツ・ユニバーサルデザイン賞2013で「ユニバーサルデザイン賞」を受賞

2013年03月04日

 当社グループは、このたび、ドイツ・ハノーバー市を本拠地とするユニバーサルデザイン協会とユニバーサルデザイン有限責任会社が主催する国際的な賞である「ドイツ・ユニバーサルデザイン賞2013」において、「マシンルームレスエレベーター」と「出し入れしやすい扇風機のパッケージ」で「ユニバーサルデザイン賞」を受賞しました。

  授賞式は、2月23日に世界有数のデザインイベント「ミュンヘン・クリエイティブ・ビジネス・ウィーク」内で開催されました。

 「ドイツ・ユニバーサルデザイン賞」は、専門家審査によるユニバーサルデザイン賞と、一般消費者100人が選ぶコンシューマーフェイバリット賞で構成されており、今年で6回目を迎え、ユニバーサルデザインにおける最も権威ある賞の一つとされています。
 今回の受賞で、当社は2008年の「マンモグラフィ装置Pe・ru・ru(ペルル)」、2011年の「サイクロンクリーナーVC-CG510X」および昨年の「LEDライトKFL-102/202/302」「コードレスアイロンTA-FVX900/800」での同賞の受賞に続き、3年連続、6回目のユニバーサルデザイン賞の受賞となります。

 

 

  

 受賞の主なポイント 

1.マシンルームレスエレベーター SPACEL-GR

 当社グループは安心・安全・快適の実現および持続性社会の構築に向け、エレベーターを開発しています。ユーザーを拡大し、より多くの人々が使いやすくなることを目指し、課題にきちんと向き合っています。東芝独自の開発プロセスとして、共感/着想/創造/プロトタイピング/製品化の一連の仕組みからユーザーの潜在ニーズに応える物作りを進めています。

(1)見て分かりやすい
・液晶インジケータ画面デザインは国内業界初のカラーユニバーサルデザイン認証を取得。多言語で日常と非常時それぞれの情報を分かりやすく表示。
・表示灯色は白内障や色弱者でも見やすく、加齢による色の見え方に影響の少ないオレンジ色を採用。

(2)触って分かりやすい
・凸文字操作ボタンは文字形状と大きさについてプロトタイピングを繰り返し、視覚障害者団体の評価にもとづき最適化を実現。

(3)聴いて分かりやすい
・発話が困難な方や混雑したかごの奥にいても、ボタン操作で降りる人に代わり「降りる方がいます。お出口をあけてください。」と音声でガイド。

(4)気づかないところで支える
・出入り口に組み込まれたセンサーによるドアセーフティーシステムは急な乗り込みや荷物を持ったり、ベビーカーを押したりした際のドアはさまりを未然に防止。

 

 

 

 

2.出し入れしやすい扇風機のパッケージ

 通常日本では家電購入後に箱を破棄しますが、暑い季節に使用する扇風機の場合、寒い季節は箱を収納に再利用する点に着目し、出し入れの作業性を改善したパッケージを開発しました。より多くの方にとって「楽な作業姿勢で」「わかりやすい手順で」「安心して作業できる」ことをポイントに、試作と検証を繰り返し、細かい工夫を重ねて実現しました。

(1) 身体的負担を軽減する
・小柄な方や腕力の無い方でも、安定した楽な姿勢で作業できるよう箱の形を改善。

(2) 使いやすさが伝わる
・開ける場所を示すマーキング。
・広い開口部で、全体を見ながら作業できるので、各パーツの把握が容易。

(3) 多くの利用者に配慮する
・どなたにもわかりやすいノンバーバルな収納説明図。

(4) 使い方がわかりやすい
・各パーツの収納位置をアフォードする緩衝材。
・各緩衝材に、エンボス文字で収納位置を示して、わかりやすく。

(5) 安全性配慮/心理負担を軽減する
・断面の細かなギザギザでケガを防止。
・大きな角アールを使用したデザインで心理的負担を軽減。

(6) 試作・検証する
・アイカメラによる作業の検証を行い、注視する場所や混乱する手順を把握して改善。
・「収納のしかた」など説明図は、試作のたびに作業を観察し、課題を把握してわかりやすく改善。