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ナノ材料・デバイス

人工光合成 世界最高の効率で、二酸化炭素から燃料原料生成に成功

2014年12月

概要

当社は、太陽光エネルギーを用いて二酸化炭素と水から化学原料や燃料となる炭素化合物を生成する、人工光合成技術を開発しました。太陽光の利用効率に優れた多接合半導体と、二酸化炭素と水との化学反応を促進する金ナノ触媒を用いることで、炭素化合物への変換効率(注1)において世界最高の1.5%を達成しました。本技術は、淡路夢舞台国際会議場で開催される国際会議2014 International Conference on Artificial Photosynthesis (ICARP2014)において、発表しました。

開発の背景

二酸化炭素の大気中濃度は上昇を続けており、地球温暖化の一因と推測されています(注2)。また、化石燃料の枯渇も懸念されており、再生可能エネルギーの活用が望まれています。そこで、地球温暖化と化石燃料の枯渇の両者を解決できる技術として、太陽光エネルギーを使用して、二酸化炭素と水から炭素化合物を生成する人工光合成技術への期待が高まっています。従来の人工光合成技術では、太陽光を用いて二酸化炭素から燃料へ変換するのに必要な高い反応のエネルギーを得るために、紫外光を吸収する材料が使用されています。しかしこの材料は光利用効率が低いためエネルギー変換効率が十分でなく、実用化に向けて更なる効率の向上が望まれていました。

人工光合成技術

そこで当社は、光利用効率の高い可視光を吸収する多接合半導体とナノサイズの構造制御技術を適用した金ナノ触媒を用いることで、燃料の原料となる一酸化炭素への変換を世界最高の1.5%の効率で達成しました。ナノメートルオーダーの金ナノ触媒の作製条件を検討することで、二酸化炭素を一酸化炭素に変換する活性サイトを増加させ、さらに電解液も工夫することで効率を向上させることに成功しました(注3)
本技術は、二酸化炭素排出設備(火力発電所、工場など)に付随する二酸化炭素の分離回収システムへの適合を目指しています。

今回開発した技術のメカニズム

今後の展望

今後、更に触媒活性を高めることで変換効率を向上させ、2020年代の実用化を目標に研究開発を進めていきます。

(注1)太陽光エネルギーにより二酸化炭素と水から化学原料や燃料となる炭素化合物へ変換する効率

(注2)IPCC第4次評価報告書総合報告書より(環境省)

(注3)触媒活性を高めることで反応速度を速めることができ変換効率が向上する


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