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情報通信プラットフォーム

世界最小の消費電力を達成したBluetooth Low Energy向け無線受信アーキテクチャの開発

2016年2月

概要

当社は、Bluetooth® Low Energy(BLE)(注1)に対応する新しい無線受信アーキテクチャを開発しました。開発したアーキテクチャは、無線受信機を構成する回路の部品点数を削減することで、世界最小の消費電力での受信に成功しました。本開発技術をウェアラブルデバイス等へ適用することにより、無線装置の長時間駆動を可能とします。本関連技術は、米国サンフランシスコで開催されるIEEE国際学会「ISSCC2016」で2月3日(現地時間)に発表します。

開発の背景

IoT(Internet of Things)の普及および健康意識の高まりから、手軽に個人の生活、健康状態を計測し、生体情報をはじめとする計測データを統合的に処理し、有意の情報をユーザにフィードバックできるウェアラブルデバイスが注目されています。
計測データの送受信において、ウェアラブルデバイスで取得したデータをBLEでスマートフォンなどの外部機器へ転送する方法が主流となっています。ウェアラブルデバイスでは小型軽量で長時間稼動のニーズが高く、その実現のため無線通信部の低消費電力化が要求されていました。

本技術の特徴

新たに開発した受信アーキテクチャの特徴は、2点あります。1点目は、従来2つの信号系統(同相成分と直交成分)のアナログ信号処理回路を用いたデータ復調処理を1系統(同相成分)のみで実現したことです。これは、受信機の回路部品のひとつである周波数シンセサイザー(注2)の設定周波数を工夫することにより実現できました。
もう1点は、既存製品の復調処理で必要なA/D変換器(注3)が不要となったことです。これは、デジタル型周波数シンセサイザーを用いて受信機を構成したことで実現しました。周波数シンセサイザーとしての外乱(雑音)除去機能を活かすことで、デジタル型周波数シンセサイザーのみで受信信号をA/D変換する独自の復調処理構成を開発することができました。
上述した復調に要する回路ブロック数の削減とA/D変換器を不要とする新しい受信アーキテクチャを採用することにより、当社の試算では、従来のBLEに対応する受信装置のアナログ回路と比べて約10%の消費電力の削減ができます。

今回開発した受信回路図 (a)	従来方式(Sliding-IF受信アーキテクチャ) (b) 提案方式

今回開発したチップ

今後の展望

ウェアラブルデバイスやインフラ監視用センサネットワークなどでは、更なる低消費電力化が望まれており、本技術の応用を早期に目指していきます。

(注1)Bluetooth®ワードマークは、Bluetooth SIG, Inc.が所有する商標です。

(注2)無線周波数を変換するための局部発振回路。

(注3)アナログ信号をデジタル信号に変換する回路部品。


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