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ナノ材料

改正RoHS指令規制対象物質の低コストな簡易検査法を開発−フタル酸エステルを高精度にスクリーニング−

2018年05月22日

概要

当社は、欧州RoHS指令の規制物質に追加されるフタル酸エステルの低コストで分離能の高い簡易検査法を開発しました。本技術は、簡易な器具を用い、操作も簡便であるため、検査コストを抑えられます。また、規制物質とそれ以外の物質との識別ができるため、精度の高い検査が可能です。本技術の詳細は、沖縄で開催される環境化学討論会にて、5月22日に発表します。

開発の背景

欧州の化学物質規制であるRoHS指令において、2019年7月から規制物質に4種のフタル酸エステルが追加されます。そのため、多くの企業で、フタル酸エステルの管理体制の構築が急務となっています。調達した材料などのフタル酸エステルの含有有無が確認できない場合、企業は自社で検査する必要があります。しかし、従来の検査法は高額な分析装置を必要とするため、導入、運用、メンテナンス等、多くのコストがかかることから、より低コストで簡便な検査法が望まれています。また、従来の簡易分析法においては、規制対象のフタル酸エステルと、主な代替可塑剤の一つである異性体の分離ができないことが課題となっていました。

本技術の特徴

そこで当社は、低コスト、且つ、簡便に、製品中のRoHS指令閾値(0.1wt%)以上の規制対象フタル酸エステルを検出できる検査法を開発しました。本技術は、有機溶剤による抽出後に薄層クロマトグラフィ法(注1)によりフタル酸エステルを分離、検出する方法を採用しています。抽出操作において、0.5 ml以下と少量の有機溶剤で、母材を溶かさずに対象フタル酸エステルを抽出可能な条件を見出したことで、従来行われていた抽出液から母材を分離する操作や、抽出液の濃縮といった操作を省略することができ、より簡便な検査が可能になります。薄層クロマトグラフィ法においては、規制対象のフタル酸エステルとその他のフタル酸エステルや代替可塑剤を10試料同時に10分で分離可能な条件を開発しました。使用する薄層クロマトグラフィのプレート数を増やすことで、同時に評価可能な試料数を増やすことも容易です。また、本技術は、フタル酸エステルの含有リスクが高い塩化ビニル、ゴム類に適用できます。コストに関しては、機器分析の導入コストが1000万円以上であるのに対し、本技術の導入コストは約20万円と安価であり、検査コストを大幅に削減することができます。

今後の展望

当社は、今回開発したフタル酸エステル検査法を幅広くグループ内で活用していきます。

(注1)ガラスの上にシリカゲル、アルミナ、ポリアミド樹脂などを薄く張ったもので、複数の物質が混ざった溶液をスポットし、適切な溶媒に浸すことで混合物質を分離する方法。


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