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最新技術情報

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高利得な周波数可変チューナブルアンテナ

2009年3月 ]

概要

当社は、従来のアンテナと比べてより高利得な二種類の周波数可変チューナブルアンテナを開発しました。当社では、2008年2月にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)可変容量素子を発表しましたが、今 回、このMEMS可変容量素子を用いた新しい二つのアンテナ高利得化技術を開発し、内蔵アンテナでありながら外付けのホイップアンテナと同等の高利得化を実現しました。このアンテナは、小型AV端末、PC、携帯電話、自動車、TV、無線カード等、様々な機器に搭載が可能です。

従来技術

従来、機器内の限られたスペースに内蔵したアンテナでは、一部の周波数帯域では高い利得を得られるものの、無線機とのインピーダンス整合が限られた帯域でしか得られず、広い帯域で高利得を得ることは困難でした。また、内蔵アンテナに整合回路を付加して広帯域化した場合は、整合回路の回路損失により利得が低下してしまうため、アンテナの広帯域動作と高利得化の両立が大きな課題でした。

一方、キャパシタンスの値を制御できる可変容量素子をアンテナに接続して周波数可変動作を実現したチューナブルアンテナを使用した場合、動作帯域は狭いものの、高い利得を得られる内蔵アンテナの動作周波数をチャンネルに応じて変更できるため、広帯域での有望な利得向上方法として注目されていました。しかしながら、可変容量素子を用いた場合、キャパシタンス値が大きくなると、その抵抗成分の損失が、特に低周波帯域でのアンテナの利得劣化の原因となり、目標利得を得られないという問題がありました。

二種類のアンテナ高利得化技術

今回当社は、可変容量素子の内部に抵抗成分による損失の少ないMEMS構造を用いるとともに、この損失をさらに低減出来る新しい二種類のアンテナ高利得化技術を開発しました。一つは、所望の周波数帯域を低周波側アンテナと高周波側アンテナで分担し、それぞれの周波数可変幅を半分にして必要なキャパシタンス値を抑えることで、高利得化を実現したものです。二つのアンテナの給電構造を共通にしたことで、二つの給電構造が並存する場合に比べ、約25%の小面積化を図りました。さらに、この独自の給電構造は、二つのアンテナの整合機能と周波数選択機能を同時に備えています。高周波チャンネル送受信時には低周波側アンテナには電流が流れず、低周波チャンネル送受信時には高周波側アンテナには電流が流れないため、お互いの動作に影響を及ぼすことなく、二つの独立したチャンネルの送受信が可能となりました。

もう一つは、少ないキャパシタンス変化で大きな動作周波数変更が可能になる最適化構造を開発し、キャパシタンス値の増加を抑えて高利得化を実現したものです。アンテナとMEMS可変容量素子は一組使用し、二つの同じ周波数で動作する放射素子の先端間に可変容量素子を設置した構造を開発しました。二つの素子に流れる電流の関係から可変容量素子の両端に大きな電位差が生じるため、周波数変化に与えるキャパシタンス値の影響が大きくなります。したがって、所望の周波数可変動作に必要なキャパシタンス値が小さくなり、高利得化を実現しました。

これらの技術をUHF帯のアンテナに適用したところ、縦8mm×横110mm×厚さ5mmの体積内に内蔵可能なアンテナで、他社製チューナブルアンテナと比較して約5dBの利得向上を実現し、感度が3倍に改善しました。これは、外付けホイップアンテナと同等の性能です。

今後の予定

今後は、これらの技術を組み合わせることでさらなる高利得化を目指すと共に、さらにアンテナの小型化を図ります。 なお、これら二つのチューナブルアンテナは3月17〜20日に愛媛で行われる電子情報通信学会総合大会で発表予定です。



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