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研究開発センター

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研究者紹介 バックナンバー2015

第一線で活躍している研究者と研究をご紹介

“スマートグリッドのキーデバイスを評価する” 蓄電池システム評価技術 江澤 徹 / システム技術部門 2008年入社 知能情報工学専攻

研究の内容:蓄電池の複雑なふるまいを知る

当社が掲げているトータル・エネルギー・イノベーションの活動の一環として研究を行っています。電力不足が懸念される状況が続くなか、電力を効率的に使って大規模停電などが起こらないようにしなければなりません。今後、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの利用が増えると、さらに電力を安定供給する仕組みが必要になります。電池は、電力の安定供給を実現するためのキーデバイスです。私は、ますます応用が拡がっていく電池の、評価技術を研究しています。
私が評価しようとしているのは、数百から数千個単位の電池(セル)で構成される大規模な蓄電池システムです。莫大な数の電池の中に、劣化した電池がひとつでも混ざると全体のパフォーマンスが落ちてしまいます。いかにしてひとつひとつの電池の劣化を抑えるか、そして、いかにはやく電池の劣化を知るかが非常に重要です。電池の中身は電気化学的な材料で構成されていて、複雑なふるまいをしています。でも、稼働中の電池を壊さずに測れるデータは、電流と電圧と温度しかありません。シミュレーション技術を駆使して、蓄電池システムが現在どのような状態なのか、今後、使用環境に応じてどのように劣化していくのかを評価しています。

江澤 徹の写真

シミュレータの構成図

会社について:教科書のない分野に切り込む

会社では、居室でシミュレーションやデータ分析などをしている時間が大半ですが、一方で実験もしています。主に電池の充放電実験です。電池の挙動に基づいて充放電をシミュレーションする数式を考え、シミュレーションプログラムを開発しています。教科書はありません。自分たちで、こういうモデルだろうと推定して式をたててプログラムを作り、本当に正しいシミュレーションができるかどうかを、シミュレーション結果と実験して得られたデータとを照らし合わせて検証します。地道な作業です。いろいろな式を立てて、新たな法則性を見つけ出そうとしています。
研究開発センターの使命は、新しい製品を開発するだけでなく、いかにして技術で社会に貢献し、企業として利益を得るかを、広い視点で考えることです。私は、入社四年目に工場から研究開発センターに異動してきたのですが、最初、その役割を知ったときは本当にびっくりしました。「そこまで考えてよいのか」と意外に思ったほど、何をするかを自分自身で決めることができます。常に、5年後10年後の将来の自分の姿を想像してみて、今、何をしなければならないのかを考えています。最先端の論文を読む社内の勉強会にも参加しています。とても難しいのですが、畑違いの分野の知識を得ると、今までとは違う発想ができると感じています。

江澤 徹の写真 江澤 徹の写真

毎日の生活:自分を律し、磨くことに集中する

スケジュール管理は個人の裁量で決められます。だから、働いている自分のとなりには「自由という悪魔的な存在」がいる状況ですね。自由であるからこそ自分を磨くことに集中しないと、どんどん落ちていく。そこを肝に命じて仕事を進めていく必要があると思います。
繰り返しになりますが、どのような研究テーマであっても、自分で価値を作らなければいけないのが研究開発センターに求められているところです。誰かによって定められた価値に対して受け身になってしまうことなく、積極的に新しい価値を作り出し、新しいテーマを立ち上げられるような技術者になりたいですね。私たちは、何を作っていくべきかを考えて欲しいと思われているだろうし、答えは誰も教えてくれないので自分で考えます。ありがたいことに、考えるための自由な時間は沢山あります。
とはいえ、お休みの日は仕事をしないのがモットーです。外に出て気持ちを切り替えます。映画に行ったり、同僚と山に登ったり。第一子が生まれたので、ドライブを兼ねて公園に連れて行ったりします。

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学生の皆さんに一言

学生の皆さんに一言!『自分で考える。とにかく「考え抜く」ことが大切だと思います。』

仕事というのは課題の集まりです。仕事は課題を解決していくことで成り立っています。ひとつひとつの解決方法にまで上司の指示を求めるのではなく、まずは、ある程度の時間をかけて自分で考えるべきです。もちろん、相談することもとても大事ですが、バランスの問題です。自ら積極的に考え提案する人と、一緒に仕事がしたいですね。何をして良いかわからないときは、何がわからないのかを考えることで、たとえば、その背景を勉強するというような具体的なアクションに繋がるはずです。
自分のライフプランとともに、どの会社に入るべきか、徹底的に考え抜いてみてください。