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研究者紹介 バックナンバー2015

第一線で活躍している研究者と研究をご紹介

“新しいあかり文化を作り出す” 青色LED 彦坂 年輝 / 電子デバイス部門 2008年入社 電子情報システム専攻

研究の内容:高効率、高出力のレシピを探る

LED電球に使われる白色LEDの研究を行っています。製品としては白い光を出しますが、実際には青色LEDと黄色蛍光体を使って白色を作り出す方式が一般的です。緑色や赤色蛍光体を加える場合もあります。私は、電気を光に変換する青色LEDの高効率、高出力化を研究しています。今は主に結晶成長というテーマに取り組んでいます。LEDの素子はシリコンやサファイアの基板上に窒化ガリウムの膜を付けて作るのですが、違う材料を何層も複雑な構造で積み重ねていくので、結晶のなかに欠陥が出やすいのです。その欠陥をどのようにして減らしていくか。そのための結晶成長の技術を開発しています。
どうやって成膜すると欠陥が減るか、そのメカニズムを考えて実験で確かめています。トライ&エラーを繰り返すこともあります。料理にたとえると、強火でさっと仕上げたり、弱火でじっくり時間をかけてみるとか、蒸す過程を入れてみるとか、そのようなイメージで成膜をしています。
1日のうちに何回か装置を動かします。ほとんど実験室のなかにいるかもしれません。実験室には工場でのプロセスを小規模にしたような装置があります。自動運転で成膜を行いますが、異常がないか常にチェックしながら作業を進めています。

彦坂 年輝の写真

白色LED模式図

会社について:インターンシップの経験が入社の決め手

大学では、半導体の構成材料がどのような物理特性を持っているかを調べる、基礎的な研究をしていました。そろそろ自分で調べた物性を使って実際の素子に応用したいと思っていたタイミンングで、インターンシップの機会をもらいました。現在所属している部門に、実習生として3ヶ月のあいだ所属していました。LEDの大きな特徴は「光る材料」という点です。自分で素子を作って光るところが見られるのがいいですね。また、豊富な知識を持つベテランの先輩の存在に驚きました。もし自分が入社したら自分も成長できるし、会社にも貢献できるだろう。更にその成果が社会に還元されていくだろうという思いで東芝を選びました。今も同じテーマにインターン生が毎年来ていますし、一緒に仕事している後輩もインターンシップを経験して入社しました。
学生時代と比べると、今の方がスケジュール管理は重要だと感じます。大学にいたときは、気になるところをとことん調べていましたが、今はタイムスパンが決まっています。期限内でどこまで出来るかを見極めながら計画をたてます。大学のときより、時間管理は難しいと思います。

彦坂 年輝の写真 彦坂 年輝の写真

毎日の生活:実験室で進められるチームプレイ

思ったような性能が出なかった場合は何故だめだったのか、少し良くなった時はどうして良くなったのか、常に議論をしています。実験室の中にもホワイトボードが置いてあって、実験中に疑問に思ったことや仮説などを書き込んで、毎日チームメンバとディスカッションしながら実験を行っています。結晶成長が終わったら実際に素子を作るチームに渡します。素子が作られたら、評価と設計をするチームへと渡されます。いくつかのテーマの成果を合わせてひとつの素子を作る前には、全員が集まって、どういう方向性で進めるかを議論します。
仕事中は室内にいることが多いので、できるだけ週末は外に出るようにしています。バイクに乗っていますが、グランドキャニオンに旅行したのがきっかけでハイキングもはじめました。グランドキャニオンを上から眺めて、いつかあの谷底まで降りてみたいと思ったんですね。てはじめに、奥多摩にハイキングに行きました。低い山に慣れるところからスタートして、いずれは高い山にも登りたいと思っています。それから、最近、料理をはじめました。ロールキャベツとか、ラザニアとか。「おいしくできたね」とほめられると嬉しいですね。

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学生の皆さんに一言

学生の皆さんに一言!『自分なりの考えを持って、周囲にぶつけることが重要だと思います。』

自分の考えを持って、やっていることに自分の色を付けましょう。言われたことをやって「こうなりました」と報告するだけだと成長がない。判らない時は質問からスタートしてもいいと思います。徐々に自分の考えを育てることで、いいものを作っていけるのだと思います。特にチームで取り組む時は、いろいろな人の見解がぶつかって新しい方向性が出てくることがあるので、積極的に発言したほうがいいですよ。