Japan

研究開発センター

学生の皆様へ

研究者紹介 バックナンバー2015

第一線で活躍している研究者と研究をご紹介

“次世代二次電池の研究と開発” 急速充電電池SCIiB™ 笹川 哲也 / 機能材料部門 2008年入社 量子物質科学専攻

研究の内容:基礎研究から製品改良まで幅広く

SCiB™は長寿命、高入出力と高い安全性などを備えた二次電池で、車載用や定置用電池として製品化されています。研究開発センターでは、SCiB™をより魅力的な電池にするために、材料技術開発と、それを組み合わせたセル化技術の開発を行っています。電極の材料そのものの合成から取り組んでいて、その材料で大きな容量が得られるならそのメカニズムを解明するといった基礎的なところから、合成した電極材料を使って電池にするプロセス・設計技術を担当しています。
基礎的なところから製品化に近い段階まで、いろいろなフェーズの研究にかかわっています。2年後に発売されるようなものであれば製品化に向けての改良、もうすこし先の5年後であれば基礎解析をします。たとえば容量は高いけれど劣化が激しいのであれば、どのような劣化メカニズムなのかを調査するために、外部の実験施設に行って解析を行ったりもします。10年先となると、どんな材料を合成してみるか、材料探索から行います。
私の主な研究テーマは正極材料です。私が開発した正極と、他の人が開発した負極、電解質やセパレータなどを組み合わせて、ひとつの電池をつくりあげていきます。

笹川 哲也の写真

次世代SCiB™電池材料開発の図

会社について:専門性の幅と高さをもつ研究集団

私は大学卒業後に他社に入社して小型の燃料電池の研究をしていました。その会社で燃料電池の研究がつづけられなくなった。その会社で別のテーマを見つけるという選択もあったのですが、あまり魅力的に感じられず、違う会社に行こうと決断して東芝に来ました。二次電池のなかでも、東芝は負極にチタン酸リチウムを使って独自路線を行っているのが魅力のひとつでした。
入社しても東芝に対する基本的な印象は変わらないですが、入ってみてあらためて優秀な人たちがいるのを感じます。様々な専門性を持った人がいて、いつでも相談できるのがいいですね。たとえば、ある分析をしてみたいと思ったら、同じチームの仲間だけでなく、分析を専門とする他のチームの研究者に相談に行けます。それぞれの専門性も高いですし幅も広く、頼りがいのある人が多いと感じます。

笹川 哲也の写真 笹川 哲也の写真

毎日の生活:活発な議論で、研究開発を活性化

職場では議論から雑談までしますね。それぞれの専門性を組み合わせることで開発が進むので、いろいろな人と議論します。先輩後輩は関係ないですね。議論の中で研究の方向性が見えてくることもあります。とにかく人との距離をつめて話をするのが好きで、営業分野の人と交流会もします。
実験は、兵庫県の大型放射光施設SPring-8や、中性子線を使いに東海村にも行きます。限られたビームタイムの中で有益なデータを得るために、泊りがけで測定にあたることもあります。解析したデータは、公開テーマとして発表したりします。大学との共同研究もしているので、大学にも通います。先日は、ECS(米国電気化学会)の学会発表でハワイに行ってきました。電気化学分野の人が集まり、発表件数だけで3000件近いという大きな国際学会です。学会に参加すると自分の成果をアピールできるだけでなく、セッションが終わった後まで議論して、これまで見落としていた課題に気付いたり、新しくやってみたいことを見つけたり、研究の幅を広げる良い機会になります。

笹川 哲也の写真

学生の皆さんに一言

学生の皆さんに一言!『大学での研究生活は貴重です。今の環境を大切にしてください。』

社会人になって、大学でしかできない経験は貴重だと感じました。特に、大学の研究環境は卒業すると使えなくなってしまいます。いろいろなことに興味を持つのも大切ですが、今やっている研究をとにかく一所懸命やって欲しいと思います。今の環境で研究できるのは今しかないと考えて、没頭して欲しい。そこで得た経験を持って入社してもらって、新しい視点から新しい風を吹かせて欲しいと思います。