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研究者紹介 バックナンバー2015

第一線で活躍している研究者と研究をご紹介

“タブレットにすらすらと図形を入力できる” 手書き図形認識技術 高橋 梓帆美 インタラクティブメディア部門 2010年入社 デザイン工学専攻

研究の内容:ラフな手書き図形をオブジェクトに変換

タブレット端末のペン入力に関して、製品開発に近い部分に取り組んでいます。具体的には、レグザタブレットの中に入っている手書き認識技術の開発を手がけました。手書きの図形が○(まる)や□(しかく)であると認識する技術です。かなりの短期間に大人数のグループで立ち上げから製品化まで集中して行うプロジェクトでした。現在は、それをさらに使いやすくするペン入力のインターフェイスも含めた研究をしています。
一筆書きで書いたものだけを認識する手書き認識は、よくあります。さらに一歩進んで、何も考えずに誰かが書いたものでも、「じゃあこれをデータにしよう」と思ったら一発で読める機能があったら便利だし、欲しい。プレゼンテーション用資料を手書きで下書きする人も多いので、その下書きがダイレクトに作図に繋がったらいいよね。そんなニーズが開発のスタートでした。
機械がどのように認識しているか、その仕組を知っていると、書き手は認識しやすい図形や文字を書きがちです。手書き認識技術を製品に載せる際には、まず、さまざまな手書きで書かれた図形のデータを集め、そのデータに対してどの程度の崩れ方までならどれ位読み取れるべきか、という基準を設けて、製品搭載の可否を判断しました。

高橋 梓帆美の写真

手書きで図形をまとめて入力の図

会社について:何を実現するのかを、意識して進める

大学ではデザイン工学を専攻し、主に心理学的なアプローチでデザインを評価する研究をしていました。当時は、画像認識という分野があることは知っている、というレベルでした。ですから入社後は、周囲にこんな例はないのではないかと思うほど丁寧に面倒を見てもらいました。指導者の方を中心に、「そもそも画像とはRGBで構成されていて」という初歩の初歩から指導を受けました。会社に入るなり勉強?と違和感を感じる間もなく、がむしゃらに勉強の毎日でした。いまでも仕事を進めながら必要を感じたことを勉強しています。たぶん研究している限りずっと続くと思っています。
手書き認識技術に関して、学会発表もしました。画像認識系の学会発表は初めてでしたが、学生時代の心理学系の学会に比べると企業の方の参加が多いですね。画像認識を含め、工学では「何を実現するか」という所に焦点が当たっているのが大きな特徴です。先日、展示会で手書き認識の機能の紹介と説明をしたのですが、実際に見に来た方から「いいね、それは便利だね」と言っていただいたときはうれしかったです。

高橋 梓帆美の写真

毎日の生活:休日も、目一杯で勉強中

認識結果のグラフを見て間違った箇所を探すこともありますし、顕著な事例のデータを集めて分析をすることもあります。居室でパソコンの前に座っていることが多いですね。煮詰まってくると、周囲の人に相談をします。今期は直近の製品化よりも製品化時期が少し先のものがテーマなので、会議室でのディスカッションやブレーンストーミングをする機会も多いです。アイデア出しでは、皆で思いついたアイデアを付箋に書いて貼ったりしています。
現在、情報系の基礎から応用までを1年間で網羅的に学ぶ会社の教育を受講しています。金曜日と土曜日に講義があり、日曜日には宿題をやっていることが多いです。今まではOJTで仕事をやりながら教えてもらっていましたので、どこかに「使えればいいや」と甘えていた部分がありましたが、教育を受講して体系的に学ぶと、「だからこう言われたんだ」とか、「あのアドバイスはこういうことか!」と繋がっていくのです。とても良い機会をいただいたと思っています。目一杯勉強ですね。ただ、最初のうちはがむしゃらでしたが、最近はリフレッシュもしなきゃ、と思っています。

高橋 梓帆美の写真

学生の皆さんに一言

学生の皆さんに一言!『学生時代は自分の好きなことを深掘りしましょう。そのための時間は、たっぷりあります。』

会社に入ってから、「この人がいてよかった」と研究者として信頼される“自分の色”を出すには、自分が好きなことに対して誰にも負けないくらいの知識を持っていることが強みになります。そして、何にも縛られずに自分の好きなことに没頭できるのが学生時代です。私自身は、もっと幅広く勉強しておけばよかったと後悔している部分もあります。勉強は、やればやるだけいいことがあると思いますので、皆さん頑張ってください。