Japan

研究開発センター

学生の皆様へ

研究者紹介 バックナンバー2016

第一線で活躍している研究者と研究をご紹介

“スマートな社会の通信基盤を作る” 大規模通信システム技術 安次富(あじとみ) 大介 ネットワークシステム部門 2002年入社 計算機科学専攻

研究の内容:通信プラットフォームの研究開発

私がいま取り組んでいるテーマは、東芝が扱う膨大な数の機器やセンサの情報をクラウド上で集約して扱うための大規模通信システムの研究開発です。東芝は、家電やテレビ、POS、ビル設備、スマートメータなど、多岐にわたる機器やセンサを作っています。これらの情報をクラウド経由で集約して扱う通信基盤があれば、機器やセンサの情報をどこからでも扱えることに加え、蓄えた情報で新たな価値を作り出すこともできると考えています。この時、クラウドサーバ上で同時に処理を収容できる対象機器の数を数千万台という規模で確保しつつ、いかに通信の低遅延化・低コスト化を図るか、ということが大きな課題になってきます。私が取り組んでいるのは、まさにこの課題です。例えば、一台のサーバに収容できる機器の台数には限りがありますから、多数のサーバを分散協調させる必要があります。この環境下で機器間の通信遅延をいかに低減させるか、サーバ単位の収容台数をさらに向上させることはできないか、といったことに焦点を当てて研究しています。また、通信システムの研究開発を行うときには、サーバと対となる組み込み機器側についても考慮します。家電やセンサには、現実問題として安価で処理能力の低いチップを使わざるを得ず、メモリはキロバイト単位しか使えないなど、サーバ側とはまったく異なる土俵でモノを考えなければなりません。こうした制約下で、いかにセキュリティを担保しつつリアルタイム性の高い通信を実現するかということも、研究に値するテーマです。クラウド側だけでなく機器側の制約も踏まえて、現実的に動くシステムを提案することが重要だと思っています。

安次富 大介の写真

通信プラットフォームの図

会社について:別分野への提案で応援したいテーマ第1位に

職場では、各々が個別の研究テーマに取り組むこともありますが、ひとつのテーマに共同で取り組む際には、プログラムの共有システムを構築して、皆でシェアしながら技術開発を進めることが一般的です。メンバーの仕事が可視化されますから、そこから学ぶことも多いですね。書かれたプログラムは本当に人それぞれで、個性が出るので面白いです。プログラミングは、絵を描くのと似ているのではないかと思います。
研究開発センターには、業務時間の10%までを使って自由なテーマに取り組むことができるアンダー・ザ・テーブルという仕組があります。私の所属はネットワークシステム部門ですが、ほとんど気分転換のようなノリで、風変りな文字入力システムをアンダー・ザ・テーブルで考案しました。先日、半期に1回開催される研究開発センター内のポスター発表会でその成果を発表したところ、応援したいテーマ第1位に選ばれました。専門分野外への提案でしたが、頭ごなしに否定されることはありません。ヒューマンインタフェース系の研究者を中心に皆が受け入れてくれて、非常に生産的な議論もできました。事業部門の方からは「特許をとっておいてよ」 と声をかけられました。そんな交流ができるのも面白いですね。

安次富 大介の写真

毎日の生活:常に新技術をキャッチアップ

システムを作り上げて、最初に思い通りに通信できた瞬間は、やっぱりうれしいです。あとは、設計した仕様に対して過酷な試験を施して、全てパスしたときも、同様です。今どきは、リモートからでも仕事ができる環境を簡単に構築できますが、では会社にいる必要がないかといえば、そうでもありません。実際に研究チームのメンバーと顔を合わせて相手の表情を見ながらでないと研究、開発はできないですね。やはりそれが一番効率的です。
なにぶん技術トレンドの変化の激しい業界なので、キャッチアップが必要です。普段から、家でも、新しいプログラム言語やデータベース、開発環境などを試すようにしています。もちろん子供の相手もしますけどね。そういえば、家で膝の上にPCを載せて作業していたら、子供にエンターキーをパカッと獲られてしまったことがあります。もっと遊んでくれという合図だったかもしれません。たまにはこんなこともありますが、メリハリをつけて自分のための勉強時間と家族と過ごす時間を両立しています。

安次富 大介の写真

学生の皆さんに一言

学生の皆さんに一言!『通信システムを志すなら、東芝はエキサイティングですよ。』

東芝は事業領域が非常に広く、家電やデジタル機器だけでなく、エネルギー、ストレージ、社会インフラ、POSシステムまでやっています。そこにはユースケース、すなわち題材が溢れています。扱える機器や情報のバリエーションが豊富なところが、ウェブやゲームの会社との大きな違いです。これから通信システムを志すなら、東芝は非常にエキサイティングですよ。