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研究開発センター

学生の皆様へ

研究者紹介

第一線で活躍している研究者と研究をご紹介

“トリリオンセンサーの時代を切り開く” 超低消費電力MEMS技術 丸藤(がんどう) 竜之介 
バックエンドデバイス技術部門 2013年入社 物理学・宇宙物理学専攻

多軸的な性能価値で勝負する

電子回路と微小な機械をあわせたMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)の研究をしています。半導体の微細加工技術と大量生産の技術を掛け合わせて、世の中に安価かつ高品質な半導体製品を提供することが目的です。特に今関わっているのは、センサーです。トリリオンセンサーという言葉がありますね。10の12乗(1兆)個のセンサーが世の中に出回り、社会に膨大なセンサーネットワークが張り巡らされ、そこから様々な情報が回収され、ビッグデータとなり、サービスに利用されるようになる、という大きな話です。我々は、そのような世の中になる近い将来、端末に入るチップに実装するセンサーを開発しています。センサーは、動き、光、圧力など幅広い物理情報を電気情報に変換します。サイズはより小さく、感度はより高く、さらにモバイル系のアプリケーションでは消費電力もより小さいものが求められています。我々は今までの延長線上でものづくりをしようとは考えていません。一軸の性能で他社と勝負するのではなく、多軸、つまり様々な要素を考慮して総合的に設計し、その価値を提供していくことを大切にしたいと考えています。

丸藤 竜之介の写真

超低消費電力MEMS技術の図

手を動かして現物を見る

1mm角を切るような小さなチップにセンサーを実装し、機械アナログ部分から回路デジタル部分まできちんと動くものを設計と評価し、センサーの解説とデモンストレーションまで仕上げるのが私の仕事です。幅広い知識と能力が求められます。私は自分のことを実験屋と呼んでいますが、実験室で顕微鏡を覗き、プローブで測定して初めて、今何が起きているのか、半導体のことがわかります。資料や論文を読んでいるだけではだめですね。研究者は手を動かして現物を見ることに多くの時間を割かなければいけません。また、論文書きは非常にデリケートな作業で、自分にとっては絵を描く感覚に近いものがあります。図表も含めてすべてが首尾一貫していなければなりませんから、自分一人で集中できるまとまった時間を作ります。研究に没頭しないと100%の結果は出せませんから、プロフェッショナルな仕事には集中が必要です。集中しているときに声をかけられると、私は飛び上がるほどびっくりするんですよ。

丸藤 竜之介の写真

研究者として第3のフェーズを目指す

学生時代はブラックホールの研究をしていました。本当はメーカーと無縁の物理学者を目指していたのです。しかし、「あなたの研究は世の中の何の役に立つのか。」という問いに上手く答えられなくて、もっとわかりやすく認められる研究がしたくなりました。研究者のキャリアには、最初、人に教えてもらいながら研究のやり方を覚えるという第1のフェーズがあります。第2のフェーズは、自分で調べて自律して研究する段階。今の私はこのフェーズだと思います。将来は、次の第3のフェーズ、仲間の研究内容を理解した上でどのように仕事を分担するか、プロジェクトとしてより大きな成果を出すための方策を考えられるようになりたいと思っています。例えば職人が集まったとき、1+1は2ではなくて、普通は2より小さい。それを3にすることができたら、いい研究室ができると思います。

丸藤 竜之介の写真

学生の皆さんに一言

学生の皆さんに一言!『STAY HUNGRY, STAY FOOLISH』

最後にジョブスの名言で締めたいと思います。我々の究極のミッションは、基礎研究からビジネスの成功までをやり遂げることです。たくさんの困難が待っている長く大変な道のりですが、他にない達成感を味わうことができます。その成功への鍵は、「ハングリー精神」に基づく行動力と、「非常識」に基づく想像力だと思います。「世界を変えた○○は俺が作ったよ!」と言える仕事を一緒にしませんか。