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第一線で活躍している研究者と研究をご紹介

“小型化と低消費電力化を両立させる新デバイス” GaNパワーデバイス技術 新留(しんどめ) 彩 
電子デバイス部門 2014年入社 電子物理工学専攻

新材料のパワーデバイスを作る

窒化ガリウム(GaN)を材料としたトランジスタの信頼性の研究をしています。トランジスタはON/OFFのスイッチング素子ですが、閾値電圧(スイッチング電圧の基準値)が使っているうちに変化してしまうことが大きな課題です。デバイスの作製プロセスを改良することで、動作中にも閾値電圧が安定な、信頼性の高いデバイスの実現を目指しています。GaNを材料としたトランジスタは、長年使われてきたシリコンよりも絶縁耐圧が高く、導通抵抗が低いという特長を持っています。さらに、高速なスイッチング動作が可能で、ON/OFFの切替時に発生する電力損失も抑えられるため、機器の小型化と低消費電力化に役立ちます。GaNは、データセンターのサーバ電源などの情報通信機器をはじめとして、様々な電源への適用が期待されています。

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GaNパワーデバイス技術の図

自らデバイスを作製し、評価する

研究室の建物の中にあるクリーンルームで、ウエハーの上に金属や絶縁膜を積層します。チームのメンバーと協力しつつ、新しいデバイスを作る作業を自らの手で行っています。簡易評価用のデバイスは1週間ほど、もう少し規模の大きなデバイスの場合は2、3週間クリーンルームに入浸り、作業しています。体力も必要ですが、時には居室でお菓子を片手にメンバーと雑談したりして、リフレッシュしています。評価用の実験室はクリーンルームとは別にあり、トランジスタの電流応答を調べたり信頼性試験をするなど、デバイスを作った後の評価も自分で行います。自分で考えた改善のバリエーションがいくつかある中で、自分で作ったデバイスを評価測定した結果、「こうなるんだ!」とわかったときに一番充実感があります。いずれ、私が研究開発に関わったデバイスが市場に出回ることになったら、その達成感は素晴らしいと思います。

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アイデアをかたちにし、経験値を溜める

私が子どもの頃に携帯電話が普及し、その後、徐々にスマートフォンに置き換わっていきました。電子分野のテクノロジーが進歩していく様子を、一人のユーザとして手にとるように味わってきたのです。そして、研究対象としてその最先端のところを手掛けたいと思いました。大学で専攻を選ぶ際に電気系と情報系で迷いましたが、実際に手を動かして物を作り、それを評価したかったので、半導体、電子材料系に進みました。就職については、研究室の一年上の先輩に東芝の研究開発センターに配属された方がいらっしゃいましたし、研究開発センターで長年働いた経験のある方の生の声を聞く機会にも恵まれました。お話を細かく聞くうちに、研究開発センターは自分で新しいデバイスを作り、自分で評価して、何かを生み出す仕事ができる場所だ、という実感を得ることができました。入社後、自分で研究計画を立て、実験を行い、結果のフィードバックが返ってくる、その一連の流れを数多く積み重ね、自分の経験値が確実に溜まっていく実感があります。

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学生の皆さんに一言

学生の皆さんに一言!『広くアンテナを伸ばすことは重要です。』

もちろん自分の専門性は高めつつ、専門分野以外にもアンテナを伸ばしておくことは非常に重要なことだと思います。私は学部生のときは半導体を研究していましたが、広く回路やパワーエレクトロニクス、情報系や通信系の講義もできるだけ履修を心がけていました。そのときに学んだことは、例えばデータ処理の効率を上げるプログラムを作成するなど、入社してからも非常に役に立っています。