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研究開発センター

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研究者紹介

第一線で活躍している研究者と研究をご紹介

“CO₂から付加価値の高い生成物を生み出す” ソーラーフューエル技術 菅野 義経 
トランスデューサ技術部門 2013年入社 化学工学専攻

特殊な電極でCO₂を変換

再生可能エネルギーを用いてCO2から付加価値の高い物質を生み出す技術に取り組んでいます。中でも、現在は太陽電池を電源とするシステムと特殊な電極を用いてCO2からCOなどの化学原料を作るソーラーフューエル技術に注力しています。生成したCOは、水素と混ぜると燃料として利用できるメタノールを作ることができます。さらに、最近ではペットボトルの原料になるエチレングリコールをCO2から直接作ることができるようになりました。CO2を化学的に変化させるとき、重要なのは電極で起こる反応です。どのような電極にすれば、燃料や化学原料など、CO2からより付加価値の高い生成物を生みだせるのか、研究しています。将来、大規模な火力発電所など大量のCO2が発生するプラントにこの技術を導入してCO2排出量を削減し、地球の温暖化と化石資源の消費抑制、この二つの環境課題を解決することを目指しています。

菅野 義経の写真

ソーラーフューエル技術の図

新しい電極材料を日々探求する

新しい電極材料の手掛かりを求めて論文を読み、議論し、そこに書かれている現象を踏まえて、新たに狙いを定めた電極材料を開発します。およそ1日で電極を作り、翌日に電極の基礎的な特性を測定し、評価します。この段階で特性の良し悪しを見極め、今後の実験計画を調整します。実験は、およそ2日単位のこのサイクルの繰り返しです。研究で大事なポイントは、CO2から生成物への変換効率と耐久性を考慮することです。また、企業の研究所ですから、事業化を見据えて収益性を確認しながら研究を進める必要もあります。まずは優位な特性を持つ電極材料を探り出し、事業化をふまえて採算性を意識した開発を進めていきます。学生時代の専攻は化学工学でしたが、電気化学に片足を突っ込み光触媒を扱っていましたので、大学で身に付けたスキルも日々の実験の役に立っています。

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明るいイメージに惹かれて就職

人々の役に立つと実感できる仕事に就きたくて、企業への就職を決めました。化学工学を専攻していると化学系の企業に進む場合が多いのですが、これまでとは少し違った新しい分野で活躍してみたいという思いがあり、電機系を志望しました。電気系のにぎやかで元気な印象が、私自身の持ち味と折り合いがよかったことが決め手になりました。ソーラーフューエル技術の研究を始めて丸4年、環境に配慮したテーマの研究で世の中の役に立っている感覚があります。これまでに、国際学会で新しい電極材料について二回発表したこと、また、発表内容を論文にまとめて投稿できたことは、貴重な経験でした。特にCO2をエチレングリコールに変換する電極は、これまでに報告がないため、興味を持ってくださった方々に「ここまで来たのか」と感心していただけた手応えがありました。将来、この技術をプラントなどにスケールアップする際に、大学で学んだ化学工学の知識を生かして事業化に関わるのも楽しそうです。あるいは、この技術が事業化された段階で、また別の新しいテーマに取り組んでいるというのも良いと思います。

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学生の皆さんに一言

学生の皆さんに一言!『熱意があれば、きっと相手に伝わります。』

希望する会社に入りたければ、熱意を持って動くべきですし、そうすれば、何かがきっと伝わります。何がしたい、どこに行きたいという気持ちを相手に熱意を持って伝えることが大切だと思います。熱意を持つには、本気になるしかありません。研究のテーマにしても、取り組むからには本気であること。それが積み重なれば人に何か伝えなければいけないときも、物怖じせずに発言できるようになるはずです。また、自分の自信にも繋がると思います。