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研究開発センター

学生の皆様へ

研究者紹介

第一線で活躍している研究者と研究をご紹介

“SSDを活用したキャッシュシステム” ストレージシステム技術 田所 秀和 
コンピュータアーキテクチャ・セキュリティ部門 2013年入社 数理・計算科学専攻

ソフトウエアで高速な入出力を実現

クラウドサービスなど大量のデータを扱う環境を想定して、東芝が作るストレージデバイスSSD(ソリッドステートドライブ)をデータ領域として利用する新しいキャッシュシステムを開発しています。現在のキャッシュシステムで使われているDRAMは高価なので、これをSSDに置き換えれば低コストかつ大容量のシステムが実現します。ただし、SSDはDRAMに比べて書き込み速度が遅いので、複数のSSDを並列処理で駆動して速さを追求しています。ソフトウエアでSSDを制御することは、HDDよりは易しいけれど、他のコンポーネントよりは難しい、微妙な位置づけです。並列で動かせば速くなることはわかっていますが、単純に並列にしただけではプログラムが複雑になり、バグが紛れ込みやすく、システムとしての信頼性が損なわれてしまいます。そこで、ある程度シンプルなかたちを維持しながら並列度を上げるアーキテクチャを考えつつ、複雑になり過ぎないものを作る、というのが根底のモチベーションです。

田所 秀和の写真

ストレージシステム技術の図

集中しきってプログラムを書く

職場では、みんなプログラムを書いています。プログラムを書かないと始まらないですからね。朝の方が集中できるので、8:15頃に出社して、居室のデスク上のPCをカタカタやり、時々サーバールームに行ってSSDを抜き挿しする生活です。気がつくと「あ、もうこんな時間か」という感じで、お昼休みまでノンストップの時もあります。一方で、同僚と何となく机の周りに集まって雑談することもあり、よく周囲からうるさいと言われます。速くなるアイデアを考えて、実装して、検証する、というのが基本的な研究のループです。小さなアイデアであれば2,3日で回し、それを繰り返すうちに徐々に速くなるイメージです。大体思惑どおりに進んでいますね。研究が進むか、停滞するか、やる気が一番重要です。やる気がでないと全然だめです。集中しきっていれば進みます。毎週一回、部門内でミーティングがあるので、現在の取り組みと進捗を報告して、コメントを貰うことができます。ミーティングの場で整理して話すと、それだけでわかるようなところもありますね。

田所 秀和の写真

研究内容のオープンソース化を画策中

学生時代から、OSや仮想マシンといったシステムソフトウエアの研究に取り組んできました。この分野ではデバイスとの界面がとても重要なので、そうなると就職先はデバイスを作っている東芝かな、と割と素直に思っていました。SSDや次世代不揮発性メモリを研究開発している会社は他にあまりないので、入社後の仕事を予想しやすかった、というのが研究開発センターを志望した理由です。就活中は、研究分野が自分の希望と合っているか、技術の話が楽しくできるか、という点を重視して話をしていました。現在進行中の研究では、実稼動するシステムが完成しましたが、その先の応用が難しいと感じています。自分としてはオープンソースとして世に出したいので、その方法を考えているところです。オープンソースそのもので収益を上げることは難しいので、東芝のSSDを利用すれば実現できる新しく魅力的な提案ができたら理想的ですね。

田所 秀和の写真

学生の皆さんに一言

学生の皆さんに一言!『博士になってみるのも悪くないと思います。』

私も博士課程を出てから入社したので、博士課程で研究するのも悪くないと思います。様々な経験ができるので、機会があるなら博士課程に進み、それから企業に入れば視野も広がります。たとえ極々狭い範囲であっても、自分が世界で一番という分野を確立するのが博士課程です。特化された部分でも、それがあるととても大きな自信になりますよ。